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極大魔法しか使えない残念な冒険者  作者: 白山月


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南の島へ

オークリンの推理を聞いたその夜。 アカリは一羽の伝書鳩を放った。


その伝書鳩は、別荘の敷地を出た瞬間に国王の暗部組織によって捕えられ、脚に付けられたメッセージが確認された。


〜〜〜〜 お母さんへ


ヤエイズルで、面白いお土産を見つけました。 美味しい干物と素敵な焼き物のお皿、どちらがいいですか? 〜〜〜〜


暗部>「なんだ?この手紙は。透かし、隠し文字、特に変わった仕掛けも無さそうだな」


手紙を鳩に付け直し、空に放った。 鳩は勢いよく、帝都に向かって羽ばたいていった。


◇◇◇◇◇


夏休みの終盤。 ノバには気になっていたことがあり、気象予想魔導師のミツルアに相談していた。


ノバが提出したデータと、実際の気象記録を見比べたミツルアは、渋い表情をしている。


「これは……」 「これは?」 「面白いかも……」


「何が!?」 ノバは急激に不安に襲われた。


そもそもノバは、自分が剣を振ったタイミングで地震が起きているような気がしていた。 気のせいかもしれないと考え、自分が剣を振った時間を記録し、気象予想魔導師に見せて実際の気象データと比較してもらっていたのだ。


「ここを見てください」 そう言われて、二つのデータを見ながら説明してもらった。


ノバが素振りをしている時は、地震などは発生していない。 しかし、プレストンの魔法と連携している時だけ、時をほぼ同じくして海底火山を震源とする地震が発生している。 (すでに海面から上に出て島を形成しており、厳密には海底火山とは言えないのだが……)


「まだ、面白いデータがあるんですよ」 ミツルアは続けた。 「カタリーナ様の魔法と連携した後は、地震は発生していませんが、しばらくすると大きな雨雲が発生しています。この現象は、カタリーナとノバの組み合わせでも同じような状況になっています」


だが、オークリン単独の場合は、何も発生していない。


データから見えることはこれだけで、ミツルアはノバの剣なしで、単独で極大魔法を使ったらどうなるかを見てみたいそうだ。


◇◇◇


気象予想魔導師の話をプレストンにしてみた。 その内容は、プレストンのところに遊びに来ていたカタリーナにも聞かれた。


カタリーナ経由で、計画は「おねだり」という形に変わって国王に伝わった。 あっという間に、無人島冒険というイベントになり、元海底火山に探検に行くことが決まった。


夏休み中という体裁なのに、ロイヤルヴァルトは全員集合した。 それに、カタリーナ王女と、近衛魔法師団隊長のオリヴィエと副官のシナノ。 あとは、気象予想魔導師のミツルアと船長だ。


洋上で極大魔法も使用する予定なので、ノバの結果に収まる範囲の小型の船と、その小舟に乗れる人数で出発した。


小舟は帆を張り、ゆっくりと港を出て行った。 心地よい潮風が吹き、順調な船出だ。


しばらく進むと、船長はノバに合図を送り、帆を畳んだ。 ノバは船尾に立ち、クリスタルの剣を構えた。 背後にカタリーナが立った。


全員、船に体を固定し、カタリーナとノバが息を合わせて防風魔法を発動した。


小舟はジェット水流を得たかのように豪快に進み始めた。 一定のタイミングで魔法を発動して、三回目には船は宙に浮いた。 どんどん高度を上げ、船はあっという間に海底火山だった島の付近まで到達した。 カタリーナとノバの組み合わせで、案の定、大雨になっていた。


「我が主、サドミストよ。この大洋うみまでこのような小舟で来てしまった愚か者のために、穏やかな天気と凪いだ海を与えたまえ! プロヴィデンス!」


雲が動き、隙間から光が差し、みるみる晴れていく。 波も穏やかになり、海の色は紺碧に変わっていった。


このとき皆が思った。 旅行にはオークリンを誘おう。一家に一人オークリン。

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