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極大魔法しか使えない残念な冒険者  作者: 白山月


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呪の主

珊瑚の島で、ノヴァはクリスタルの剣を構えている。

その背後にプレストンとカタリーナ、その後ろにオークリンと船のスタッフが見ている。

プレストンとカタリーナが集中している。

ノヴァが刀を振り下ろすと、カタリーナの爆風が飛び出した。

「遅い、プレストン!わらわに合わせるのじゃ!」


2回目、ノヴァが振り下ろすと、次は爆炎が飛び出した。

「早い!プレストン!」

遅いと言ったり、早いと言ったり。わがままだなぁ。。。


3回目、やっと二人の息があった。

同時に地震が発生し、島が揺れた。

彼方に上がっている海底火山が、大きな噴煙を上げた。

そんな海底火山の噴火に関係なく、爆炎が暴風によって酸素供給され、さらに熱く膨大に拡大していく。それがそのまま暴風によって遠くに飛ばされていく。

遠隔攻撃!?

それよりすごい威力だ!

3人はハイタッチしている。

それぞれに、使用方法をイメージしているのだろう。

3人とも口々に、「地上に被害を与えず、上空の敵を攻撃できる」「風の力で攻撃力が上がる」「3人力を合わせたら化学反応が発生するんだ!」と思い思い、興奮して語っている。


そして、3人の視線はオークリンに向いた。

え?あたし?

三人に手を引かれ、立ち位置についた。

ノヴァが構えた。

「オークリン!やるぞ!!!」

「サドミスト様、我らに祝福を!」

ノヴァのクリスタルの剣から、何か得体の知れない巨大な力が飛び出した。

それは、光り輝き虹のように遥か彼方に飛んでいった。

なんだあれ?

あれは攻撃?無害なもの?よくわからないが、危険な気がする。

と思っているときに、はるか彼方の海底火山が大噴火をした。

猛烈な噴煙を上げた。

何か、危険を感じるので、ヤエイズルに戻ることにした。

そういえば、魔法を打ち出すたびに噴火しているような気がする。

影響あるのかな?


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

別荘に戻り、国王に今日の成果を報告した。

• カタリーナの魔法が、狙った方向に打ち出すことができる。

• ロイヤルヴァルトの3人の魔法を合わせると得体のしれない光が発生し、今後の調査要件となった。

それを聞いて国王は安堵したようだ。

王女とロイヤルヴァルトが、国のために役立つ目処がついたのだ。

今まで、ロイヤルヴァルト(極大魔法しか使えないこと)について悪い噂を聞かなかったわけではない。

厄介者扱いされていたプレストンを抱え込み、色々トライしてきた結果が実を結んだのだ。こんなに嬉しいことはない。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ジェイコフとサンドラは、ヤエイズルについてから、温泉でのんびり逗留している体裁にしているが。

実は仕事をしている。呪いの調査対象のクエルクスの監視をオークリンに丸投げしているわけではない。

一応、オークリンの報告から判断して、指示を出している。

なんと、宿泊代、交通費、飲食代の全ては公費である。

たとえ観光地であっても、必ず領収書を切ってもらっている。

実に羨ましい出張だ。

今日も、ジェイコフとサンドラが逗留している鉄潮湯温泉にオークリンとサムソンがやってきた。

一風呂浴びて、貸切個室しらさぎの間に集まった。

いつも通り、怪しいところはないとの報告だが、今日は姉のクエルクスに聞き取りした、呪付与師についての情報共有だ。

呪付与師は、経験のあるものは、試験で一発合格するものと、講習を受けてから試験に合格する者の2パターンある。

講習の講師は近衛魔法師団のベテランが行っており、クエルクスの時は、ベテラン隊員が緊急の出張で、急遽、ダルフ隊長に代わった。

呪は、指導者に似たものになる。クエルクスの呪もダルフに似たものになっているに違いない。

そして、呪の調査で、近衛魔法師団を調べたときに、ダルフは参加しなかった。

呪が使えることも何も言わなかった。

「だから、あの人怪しいと思いませんか? お姉ちゃんは無実です。」

勝ち誇ったように、オークリンは語った。


オークリンの話は、希望と予想に満ちているが、たしかに怪しい。。。

ダルフって保身のためなら何でもするやつだからな。

しかし、王直轄組織の隊長となると、手強いな。

国王に依頼して、直轄の諜報組織に調べてもらうか。。。。

報告会は解散し、ジェイコフは国王の別荘に向かった。




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