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極大魔法しか使えない残念な冒険者  作者: 白山月


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ノヴァもいます(改正)

ヤエイズルの温泉、「鉄潮湯てつしおゆ温泉」。 鉄分による血行促進・造血作用。 強い塩分による保温効果・保湿効果・殺菌作用。


効能たっぷりのこの温泉宿に、ジェーコフ司令、サンドラ副官、そして近衛魔法師団時代の同期や親しい者たちがやってきた。 近衛魔法師団の面々も、個人的なつながりから集まってきてくれている。


温泉に入ったあとは、宴会だ! 集まったのはジェーコフの同期であり、近衛魔法師団で鍛えられたそうそうたる面々である。 司令官クラス、スペシャリストなど様々な顔ぶれだが、サンドラの采配でテキパキと仕切られ、宴は続いていく。


宴もたけなわになってくると、愚痴を言う者も現れる。 話題は、ミッドシップ侵攻に対するデモが、近衛魔法師団に対する批判から、「ロイヤルヴァルト」批判へと矛先を変えていったこと。 それに合わせて、本来ならダルフ隊長に向かうはずの批判も、ジェーコフに対する批判にすり替わってしまったことだ。


近衛魔法師団時代の元上司がジェーコフだったので仕方がないとはいえ、まるで誰かの情報操作のように、ダルフの狙い通りに進んでいる。


「ダルフ隊長は、自分の責任を取らないで逃げているようにしか見えない」 「何の訓練もせずにプレストンを出征させたのは、ダルフの勅令ではないか」 「最近は、自分は以前から極大魔法には興味がなかったことをアピールするように、『魔法は精度が命。大きさは二の次』と言っている」 「抜け毛を防ぐ呪符を身に着けているらしいぞ」 「娘が反抗期になったことを、嬉しそうに愚痴っているそうだ」


等々、様々な情報が出てくる。 どちらかというと、この集まりはダルフを快く思っていない人が多いようだ。


皆がまったりとしているところに、突然障子が開き、全員が一斉に振り返ると、そこには疲れ果てたノヴァの姿があった。


「どうしたの? ノヴァちゃん!!!」 サンドラが近寄ると、ノヴァは崩れ落ちた。


聞けばノヴァは、王室の別荘に納品に来ていた魚商人と話をしながら、外出届を出さずに港に行ってしまったのだという。 「港の朝市」と呼ばれるものの、夕方までやっている露店巡りをして、たらふく食べて休暇を満喫した。 しかし、王族の別荘に帰ると、やはり外出届は出ていない。 完全に外部からの不審な来訪者扱いをされて当然の状態だった。


「それで、守衛の人に『ロイヤルヴァルトのメンバーで、外出届出し忘れただけ』って言っても、証拠を見せろって……。 でも、荷物は別荘内に置きっぱなしって言っても信じないし。 上官のプレストンを呼んでくれって頼んでも、『姫様との対話中で無理』と言って取り合ってもらえない。 私なんて、ぺーぺーの私なんて、顔パスもしてもらえない。 だから、ジェーコフ司令を連れていけば通れるかなって思って来たんです」


午後から今まで、粘ったのだという……。 守衛さんも大変だっただろう。


「だから、あれから何も食べてなくて、おなかがすいたんですーーーーー!」 ノヴァは泣き顔になった。


「大変、お腹が空いているのね。とりあえず駆けつけ三杯。グーッと行きましょう」 サンドラは、とびきり強い蒸留酒をコップになみなみと注ぎ、ノヴァに手渡した。


「さあ、一気に行こう!」


ノヴァが静かになるまで、さほど時間はかからなかった。

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