ヤエイズルへの途(改正)
ヤエイズルの実家に向かうために乗っていた馬車が、道中何度か魔物に襲われた。
その都度、馬車に随伴している雇われの護衛が倒してくれていたのだが、突然ワイバーンに襲撃された。 こんな街道にワイバーンが出るなんて……。
ワイバーンの動きは速く、攻撃力も強い。 警備の人たちが次々とやられていく。
これは、馬車の中も安全ではないな。 そう思うのと同時に、サムソンさんが馬車から飛び出した。
飛び出しざまに、上空のワイバーンに向かって衝撃波を放つ。 衝撃波が翼を切り裂き、ワイバーンは地面に向かって落ちてきた。
サムソンさんはワイバーンの墜落地点めがけて、トドメを刺しに駆け込んでいく。
サムソンの飛び込みは、絶妙のタイミングだった。 だが、サムソンの突っ込みを察知したワイバーンは、カウンターでブレスを狙っている。 咄嗟のところでブレスをかわしたが、その瞬間、ワイバーンの尾の毒針がサムソンをかすめた。
サムソンさんは、毒でめまいを起こしているようだ。 地上に落ちたワイバーンは、サムソンさんに向かって二足歩行でダッシュし、突進してくる。
「我が主神! サドミスト! 難しいことは2つまでしか考えられない愚かな下僕に、蝕まれた毒を消し去り給え! キュア!」
お姉ちゃんの治癒魔法だ。 サムソンの毒が消え、視界も回復した。
突進してくるワイバーンの頭をギリギリでかわし、首を羽交い締めにし、両足でワイバーンの足を絡め、全身の力を込めた。
バキッ!
ワイバーンの首が折れる鈍い音がして、動かなくなった。 勝利だ! 全員が歓声をあげた。
ワイバーンを排除し、再び馬車に戻ると、お姉ちゃんもサムソンにお礼を言った。 「あんた凄いよ! ワイバーンを絞めて落とす人、初めて見た! オークリンは、すごい人に護ってもらってるんだな」
サムソンさんも、まんざらではなさそうだ。
「ロイヤルヴァルトって、あんた以外にもすごい人がたくさんいるんだな。 妹がそこにいるなんて、私も鼻が高いよ」
えへへへへへ! なんかそんなに褒められるとくすぐったいよ。
馬車はどんどんヤエイズルに近づいていく。 やがて海が見えた。
水平線の向こうから煙が上がっているのが見える。 「遥か沖だが、海底火山が噴火したそうだ。 おかげで温泉が出たり、マグロの回遊コースが変わって大量に獲れたり。 今、サワーシップで一番の話題スポットになってるそうよ。 サムソンさん、一緒に飲みましょうね」
そして、やっとヤエイズルに到着した。
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その頃、国王一家が、ワイバーンが出現した場所に到着していた。
警備責任者のオリビエ団長は、ワイバーンの死体を確認し、どうやって首を折られたのかを聞き取りさせた。 なんでも、乗り合い馬車に乗っていた怪力男が、ワイバーンに関節技をしかけて首をへし折ったということは聞き取れた。
話半分だろうが、魔法探知で近くに脅威種はいないので、ヤエイズルに駒を進めた。
ジェーコフ司令は、先行者たちが魔物を蹴散らして安全になった街道を悠々と進み、何事もなく到着した。
主要メンバーがヤエイズルにそろった。




