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極大魔法しか使えない残念な冒険者  作者: 白山月


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31/62

いつもと違う魔法(改正)

10歳くらいの少女が、捨て鉢な態度で言った。 「おぬし、ロイヤルヴァルトじゃろ? 生きていて幸せ?」


この子はきっと、ロイヤルヴァルトに来ることになるのよね。 不安を取り除かないとね。


「幸せですよ。ここには、辛い表情をした人ばかりがやって来ます。ひどい人は全身包帯だらけのミイラ男みたいな人もいます。それが、みんな笑顔になって帰っていくんです。王都にいた頃の私はただの厄介者でした。でも、ロイヤルヴァルトに来たことで、私の人生は良い方に回り始めました」


少女は、何か考えているようだ。 「いろいろ考えても仕方がない。おぬしが、わらわの病気を治せば良いことじゃ」 思考が一周して『治れば大丈夫』という結論に戻ったのね……。


「それでは、始めましょうか」


私は、治癒魔法をかけること、治癒を保証するものではないこと、そして全てを健康状態に戻すため後天的な処置はリセットされること――例えば歯の治療、除毛処理、入れ墨、美容整形等は失われることを説明し、同意書に魔力を注入してもらった。侍女さんが親の同意書を受け取り、必要事項はすべて揃った。


私は精神を統一した。 彼女の魔法のことは、サドミスト様に任せよう。


「我が主神サドミスト!」


私の意識が真っ白の世界に飛んだ! ナニコレ? ここは何処? 暖かい声が聞こえる。


『オークリン、その子は私の剣です。体内に埋め込まれたしゅを消し去り、傷を癒やしなさい。そして、プレストン、ノヴァと協力して人々を護るのです』


声が消えたと思ったら、詠唱中の自分に意識が戻った。どれくらい時間が経ったんだろう? それとも一瞬? わからないが、自分の口からは詠唱が続いている。


「少女の脳内、及びこの地にある全ての呪を消し去り給え! ルクス・プリーフィカティオ!」


少女の脳内に潜まされていた呪いが崩壊していき、脳が損傷し、みるみる顔色が悪くなっていく。 それ以外には、半径数キロにわたり呪という呪が、呪いのアイテムが全て消えていった。


例えば、オリビエ団長が筋力を抑制するために身に着けている、抵抗増大の呪を付加したブレスレットだったり。 プレストンさんの、毒が光って見える呪いのメガネだったり。 サムソンさんが、アカリさんから贈られた、愛情誘引の呪が込められたペンダントだったり。


全てが小さな音をたてて崩れていった。


少女の脳内の呪を強制的に引っ剥がしたのだ。危険な状態であることは明らかだ。 私は呪解除の魔法が発動した直後に、先程脳内に響いた言葉に従い、回復魔法を使った。


「・・・・・! ヒール!」


いつもの極大ヒールが発動した。


少女の顔色は回復しているが、まだ意識は戻らない。 オリビエは心配して近づこうと、前にいるジェーコフを押しのけた。


「「あ!」」


筋力の抑制を失っているので、ジェーコフ司令は軽くテントの外に投げ飛ばされていった。 でも、オリビエはジェーコフを心配することもなく、優しく少女の脈を調べ、生きていることを確認した。 そして厳しい表情でオークリンを睨んだ。


「お前! 何をした!!!!」


私は、魔法をかける時の不思議な現象について説明した。 サドミスト様からの啓示? とにかく、私に悪意がないことを必死に説明していると――。


すぴー・・・・・すぴー・・・・


ベッドから穏やかな寝息が聞こえた。 こいつ、寝ている・・・・

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