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極大魔法しか使えない残念な冒険者  作者: 白山月


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27/62

国王の承認(改正)

◇ 飛竜の間:直轄武官部門ミーティング

「飛竜の間」の厳粛な空気の中、ミーティングが始まった。


まずは、ロイヤルヴァルトの新メンバーとしてノヴァが紹介された。彼女の能力を聞いた瞬間、近衛騎士団長のオリヴィエが身を乗り出す。 「……ということは、極大魔法を防ぐ結界を、この部屋ほどの広さまで展開できるということか」 「左様です。それどころか、極大魔法の渦中において小隊規模の機動運用すら可能になるかもしれません」 そう付け加えたのは、近衛騎士団のトロワ司令だ。


その可能性に、ジェーコフ司令を含めた幹部たちの間で、共同訓練の話がトントン拍子に進んでいく。


オリヴィエ近衛騎士団長は思った: (これがうまくいけば、ノヴァを近衛騎士団に移籍させる。そうなれば、魔法戦の常識を覆す革命が起こせるはずだ……!)


ジェーコフ司令は思った: (これがうまくいけば、近衛騎士団から精鋭の小隊――30名ほどをこちらに引き抜き、プレストンの配下に加えられるな……!)


両者は腹の底で激しく火花を散らしながら、表面上はにこやかに、固い握手を交わした。


◇ 極大魔法活用プランの提示

会議が和やかに進む中、ジェーコフ司令が満を持して、数冊に及ぶ分厚い資料を国王へと差し出した。 「陛下、極大魔法を平和的に活用する新たなプランを作成いたしました。ご検討ください」


ジェーコフによるプレゼンテーションが始まった。


【計画名:極大魔法による広域治療施設の設立】

目的


極大魔法の恩恵による、難病・重症者の治療。


現状の課題


王都内で極大魔法を使用すると影響範囲が広すぎ、周辺の魔物が活性化してしまう。その鎮圧に膨大な兵力を割く必要がある。


対応策(砂漠プロジェクト)


周囲に人里も魔物も存在しない**「西の砂漠」**に、期間限定の治療施設を設置する。


運用体制


移送・護衛: 騎士団に要治療者の搬送を依頼。


魔物への対処: プレストンの極大魔法(攻撃用)で排除。


安全確保: ノヴァの防御結界により、要治療者と騎士団を極大魔法の余波から守る。


期待される効果


既存の魔法では治らぬ症状の回復。


「極大魔法の平和利用」という世界的モデルの構築。


「オークリン、内容に間違いはないか?」 王の問いに、私は胸を張って答えた。 「間違いありません! 私の希望がすべて、完璧に網羅されています!」


その瞬間、ロイヤルヴァルトの全員が**(あの落書きみたいな手紙から、よくここまで……!)**と表情を凍りつかせたが、私は気づかないふりをした。


「……詳細は、そちらの資料に記載しております」


◇ 国王の決断

国王は無言で資料をめくった。 1ページ目を読み、2ページ目を開いたその時――バタン! と、ハードカバーの重厚な資料が閉じられた。


(だ、ダメだったのかな……? せっかくの良い案だと思ったのに……)


沈黙の後、王が静かに口を開いた。 「まず、本案件は**『国王直轄案件』**とする」


王の鋭い眼光が一同を射抜く。 「移送・護衛は一般の騎士団ではなく、近衛騎士団が直接行え。オリヴィエ、頼むぞ」 「御意に」 「トロワ、防御結界の有効性の調査も含め、現場の指揮はお前に任せる。戦力の投入はすべて王直轄組織で行い、治療対象者の選定は侍従長に一任する。……ジェーコフ、これらを踏まえて計画書を修正しておけ。準備の開始は許可する。ただし、初回実施までに修正版を提出すること」


「ハッ、承知いたしました!」


「治療対象者のリストは後日連絡する。以上だ。本日のミーティングを終了する。解散!」


◇ ガンダーラ大作戦、始動!

なにはともあれ、私の「大作戦」がついに動き出した。 作戦名は、はるか西の桃源郷を目指す願いを込めて―― 「西の砂漠のガンダーラ大作戦」!


頑張るぞー! (ˊᗜˋ)/

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