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極大魔法しか使えない残念な冒険者  作者: 白山月


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神事を終えて(改正)

◇ 意識の浮遊と赤い糸

あれ? ここはどこ? 足元に、一生懸命祈っている風の自分の姿が見える。 そういえば私、教皇様のお話を聞きながら眠ってしまったんだっけ……。


よく見ると、私の隣にはオリヴィエさん、反対側にはサムソンさん。なんだ、みんな一生懸命「祈っているポーズ」で寝てるんじゃない。 私一人だけ、眠気を我慢して損しちゃった。やっぱり無理なことは無理なのだ。 それにしても教皇様、眠っている人をさらに深く眠らせるような話を続けるなんて……ある意味、感心してしまう。


一体、教皇様はどういう神経をしているんだろう? 観察していると、教皇様の首筋のあたりから、教会の天井に向かって赤い線が延びているのが見えた。 (もしかして、あの線はサドミスト様に繋がっているのかしら?)


その線が気になった私の意識は、糸をたどるようにどんどん上へ上がっていく。 「あれ? 何かに足を引っ張られる……重い!」


上に向かって、どりゃぁぁぁあああ! あと少し! なんとか天井付近にたどり着いた瞬間、教会の**かね**が一斉に鳴り響いた。 神事が終わったのだ。


◇ カフェでの「答え合わせ」

私の意識は一気に体に戻り、目を覚ました。 「ちょっと寄り道していくか。ずる休みしよう」 笑顔のオリヴィエさんに誘われるがまま馬車に乗り、教会が見えるカフェに到着した。


そこには、何やら見覚えのある……帽子を深く被り、サングラスをかけた不審な男がいた。 「ジェーコフ司令? 心配になってわざわざ見に来たの? 仕事熱心ねぇ」 皮肉を込めてオリヴィエさんが言った。 「そう言わないでよ、近衛騎士団長殿。それで、オークリンは初めての『女神讃神事』、どうだった? 眠らずに最後まで耐えられたか?」


「はい、直前にオリヴィエさんに『祈るポーズ』を教えていただいたので、大丈夫でした!」 「オリヴィエさんの?」


司令の問いに、オリヴィエさんが呆れたように肩をすくめた。 「本当に、いい加減な男だな。部下に名代を任せるなら、せめて振る舞いぐらい教えておかなきゃダメでしょ。……大変だったのよ。この子が目を閉じた途端、意識が離れていっちゃうから、一生懸命足を引っ張ったんだけど。結局、天井まで上がっていっちゃって。儀式が終わらなかったら、どこまで飛んでいくか心配になったよ」


(足を掴んでいたのってオリヴィエさん!? というか、寝てなかったの?) あの状況で眠らないなんて、さすがは騎士団長。 ……いや、それより、あれって夢じゃなかったの? 幽体離脱?


◇ 新スキルの夢、散る

もしかして、極大魔法以外のスキルを、ついに手に入れたのかも!? そうなれば「デカ女」とか「半径5キロ(直径10キロ)」なんて馬鹿にされることもなくなるはず! 私は小さくガッツポーズをした。


しかし、現実は非情だった。 オリヴィエさんいわく、あれは**「精神のつながり」**が見えただけで、その見え方が人によって違うというだけの話。魔法やスキルとは別物だそうだ。


「魔法やスキルとは……別物……」 別物。……つまり、私は相変わらず**「極大魔法しか使えない女」**のまま。


こんなに背が低いのに、デカすぎ女とか、直径10キロとか、カルデラとか、クレーターとか……。


これからも、言われ続けるんだ。


はぅ……。

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