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異世界ピッツァ戦記〜魔王も並ぶ伝説の窯〜  作者: たむ


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31/104

第31話『最強コラボ誕生!?串焼きピザと肉まみれの日々』

祭りで激闘を繰り広げた串焼き屋の帝王・ガルドが、ラ・ステラにやってきた。

目的はただひとつ――**「肉とピザを融合させた最強メニューを作る」**こと!

しかし、肉好きすぎるガルドの暴走で、厨房はまさかの肉地獄に……!?

 翌日、ラ・ステラの扉が勢いよく開いた。


「レン! 肉だ!!」

 ガルドが両腕いっぱいに肉の塊を抱えて突入してきた。


「ちょ、ちょっと!? 朝から何キロ持ってきてるんですか!?」


「計ってねえが……まあ20キロはあるな!」


「(食材納入じゃなくて家畜搬入レベル……)」


「昨日言っただろ? 俺とお前で最強コラボメニューを作るってな!」

 ガルドはドンとテーブルに肉を広げた。


 羊、牛、鶏……さらには野性味あふれる猪肉まで。


「まずは全部焼く!」

「いやまずはレシピ考えようよ!」


 仕方なく、レンとリリィ、エルザも試作に参加する。

 石窯で生地を焼きつつ、ガルドが豪快に肉を炭火で炙る。


「おお、香りは最高だな」

「そうだろう! これを豪快に乗せて――」


 ガルドは肉を山盛りにしてピザ生地の上へ。


「ちょっと! これ重みで生地潰れてる!」

「肉は多いほど旨いんだ!」


 試作品第1号――「肉山マルゲリータ」。

 見た目はインパクト抜群、だが……。


「……重っ!」

 切り分けようとした瞬間、ナイフが途中で止まる。


「これ、ピザじゃなくて肉の固まりじゃん……」


 第2号――「肉巻きカルツォーネ」。

 生地でチーズと肉を包み焼きにしたはずが、肉汁が爆発してカウンターを濡らす。


「熱っ! 床が肉汁プールに!」

「それが旨さの証だ!」


 第3号――「串刺しミートピザ」。

 焼きあがったピザの上に、串ごと肉を突き刺した豪快スタイル。


「これ……フォークで食べられないんですけど」

「串ごと食えばいい!」


「いや顎外れるわ!」


 試食を繰り返すこと半日。

 レンはとうとう言った。


「……ガルド、もう少し“ピザ”の部分を尊重しよう。肉の暴力じゃなくて、旨味の共演を目指すんだ」


「……なるほどな。俺は肉に偏りすぎていたか」


 そこからはレンが生地とソースのバランスを整え、ガルドが部位ごとの火加減を工夫する共同作業に。


 そして完成したのは――「グリルドミート・スペシャル」。

 薄めの生地にトマトソース、香草、チーズ。

 その上に、炭火でじっくり焼いた肉を適量トッピング。

 仕上げにオリーブオイルを回しかけ、香り豊かな一枚に。


「……これだ」

「……旨ぇ……!」

 二人は同時に呟いた。


 試作品を試食したリリィも笑顔で頷く。


「肉の旨味がちゃんとピザと混ざってる! これなら売れるよ!」


「よし、メニュー入り決定だ!」

 レンとガルドは固く握手を交わした。


 こうして誕生した「グリルドミート・スペシャル」は、ラ・ステラの人気メニューのひとつとなる。

 ただし、ガルドが時々勝手に肉を倍増して**「肉山スペシャル」にしてしまう**のは、また別の話だ。

肉の帝王ガルドとのコラボは大成功。

しかし次回は、肉とは真逆の方向――菜食主義者のお客様がやってきます。

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