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第3話:傷ついた少女と王子の選択
森の中を駆け抜ける音だけが響いていた。
レオンは必死に走る。
後ろで倒れかけたシエラの体を支えながら。
「……おい、大丈夫か?」
「……問題ない……走れ……!」
問題ないどころか、シエラの息は荒く、肩で大きく呼吸していた。
腕の傷は深くはないものの、血がじわりと滲み出し、レオンの手を染めていた。
(まずい、どこかで休ませないと……でも、追手がまだ……)
背後では、確実に彼らを追ってくる足音が聞こえていた。
「くそっ……!」
レオンは苛立ちに舌打ちしながら、必死に森の奥へと逃げ込んだ。




