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雲海の王宮と誘われた王子  作者: ちやちや
第4章:揺れる運命と少女の秘密
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第2話:王宮に響く不協和音

一方、王宮では捜索が続いていた。

第一王子アーサーは、焦りを隠しながらも捜索の指揮を執っていた。


「第三王子の足取りは掴めないのか?」


「はい……目撃情報はあるものの、確実な手がかりはありません。」


報告を受けたアーサーは、苛立ちを隠しきれない。


「ちっ……人数が少ないとはいえこれだけの規模で探しているのに、見つからないとはな。」


その横で、第二王子ヴィクトルが静かに口を開く。


「レオンが見つからないのは、ただ単に逃げられているからではない。」


アーサーは鋭い視線を向けた。


「どういうことだ?」


「犯人は王宮のことをよく知っている。そうでなければ、こんなに巧妙に逃げられるはずがない。」


「……確かに。」


王宮内の警備は強固だ。それを突破し、なおかつレオンを逃し続けているというのは、ただの賊の仕業ではない。

ヴィクトルの推測が正しければ、誘拐犯は王宮と何らかの関わりを持つ者――。


「もっと詳しく調べる必要がある。」


ヴィクトルは静かにそう言った。

それを聞いたアーサーも、改めて状況を整理し始める。

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