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第3話:王子を狙う者たち
一方、王宮。
カイとソフィアもまた、レオンの捜索を進めていた。
「レオン様は……無事ですよね?」
ソフィアが静かに呟く。
カイは強く拳を握りしめた。
「必ず助ける。……王宮の近くに痕跡があるはずだ。」
彼らは情報を頼りに、レオンの行方を追っていた。
そして、ついに――
「……これは?」
地面に落ちた布の切れ端を見つける。
それは、王族の衣服と同じ素材だった。
「間違いない……レオン様のものだ。」
カイの表情が険しくなる。
ソフィアもまた、何かを悟ったように目を伏せる。
「きっと、まだ遠くには行っていません。急ぎましょう。」
王宮の兵たちが捜索する中、彼らはついに「王子を攫った犯人」以外の存在――別の勢力が動いていることに気づき始めていた。




