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だって、今度こそ愛されたい ~巻き戻った世界で、 侯爵令嬢は自分だけを見てくれる人を探します~  作者: 乙原 ゆん


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45.学芸祭

 忙しくしている間に、学芸祭の日はすぐにやってきた。


 学芸祭は三日間かけて行われる。

 学園各所に展示品が飾られ、魔術の実演や楽器の演奏はホールや演習場を使用して発表がある。


 展示だけで終わる生徒は三日間自由に過ごせるし、発表がある生徒も、自分が出演する日時以外の時間は何をしていても咎められる事は無い。


 後でレポートを出す必要があるため、必要最低限の展示を見て回った後は自主休講する人も居るが、どちらかというと友人や婚約者と一緒に学芸祭の展示を見て回ったり、ホールで行われる演目をずっと見学する人の方が多いそうだ。


 私はナタリア様と共に展示を見て回って、お互い興味がある演目の時だけホールで観賞することにしていた。


 まずはナタリア様の希望で園芸クラブが作ったという、ミニガーデンの展示を見に来ていた。

 あまり大きくはない空間を仕切りで箱庭のように見立て、その中で思い思いの庭を作り出している。


 どの庭も可愛かったりオシャレだったりで、見ていてとても楽しい。


「本当に、どれも素敵なお庭ですね」


 ナタリア様がはしゃぐ声に、私も頷く。


「ええ。今度はどんなお庭かしら。早く行ってみましょう?」


 ナタリア様を促し次の庭を見に行くと、今度はとても可愛らしいお庭だった。

 白い木材で組まれたブランコをメインに、花壇と若木が植えられていて、他の令嬢達にも人気があるようだ。


「あのブランコも作らせたのかしら」

「そうかもしれませんね」


 ナタリア様が感心しながら言う。


「クラブ活動とは言いますが、結構本格的なのですね」

「私もここまでとは思いませんでした」


 庭の設計は学生が行い、実際の造園は専門家を呼んでいるというが、どの庭も素敵だ。

 庭を見ていたナタリア様が何かに気がついたように言う。


「そういえばジュリア様の魔術の実演は、今日の午後からでしたよね?」

「ええ。演習場でやることになっているけれど」

「私も応援に参りますから! 頑張ってくださいね」


 突然のナタリア様の応援に、驚いてしまう。


「えっ、そんな、ナタリア様にはつまらないかもしれないのに」

「そんなことありません! ジュリア様の勇姿を楽しみにしております」

「ありがとう。うまくできるか不安だけど頑張ってみるわ」

「沢山練習されていたと言われていたではないですか」


 首を振るナタリア様に私は言う。


「そうだけど……私としては明日のナタリア様の室内楽の演奏の方が楽しみだわ」

「そんな。見苦しくないように練習はしておりますが、ジュリア様が楽しみになさるようなものでは」

「ふふ、おかえしよ」


 あせるナタリア様に笑顔で言うと、彼女も微笑んだ。

 その時だった。学舎の方から鐘の音が聞こえてきた。


「もうすぐお昼ですね。いつもよりも早いですがランチに向かいますか?」

「私はそちらの方が助かるけれど。ナタリア様はここの展示はもう見なくて大丈夫?」

「一通りは見ましたし、明日も見られますから」


 二人で食堂へ向かおうとした時だった。

 見慣れない女子学生が近づいてきて、私達に声をかけてくる。

 制服のリボンの色から、上級生のようだ。


「申し訳ありません。ラバール侯爵令嬢をお探ししているのですが、ご存知ありませんか……?」

「私を、ですか……?」


 首を傾げると、その女子学生はほっとした顔をする。


「貴女がラバール侯爵令嬢で間違い有りませんか?」

「ええ」


 頷くと、女子学生は言う。


「魔術講師のクロード先生より伝言をお預かりしていて、探しておりました」

「クロード先生が?」


 何か問題でも起きているのだろうか。


「本日実演する魔術の事で最終確認があるので、魔術科の準備室まで来て欲しいとの事でした」

「えっ今から?」

「はい。出来れば急いで欲しいと。では、確かにお伝え致しましたので」


 そう言うと、女子学生はさっと走り去る。

 今日実演する魔術については、監督するクロード様にも勿論事前に伝えてあるし、特に何か問題が起きるような魔術ではない。

 魔術の講義中に、指導も受けているから今更呼び出しなんて受ける事はないと思うのに。


「どうしましょう」

「何か問題が起きたのでしたら、向かわれた方が……」


 不安げに言うナタリア様に、私は少し考えた後に頷いた。

 先程の上級生の伝言については違和感があるが、まだ時間もあることだし、様子を見るだけ行ってみようと思う。


「ナタリア様はどうされますか?」

「そうですね。もしよろしければ人が増える前に食堂で席を取っておこうかと思います」

「お願いします」


 ナタリア様に見送られ、私は魔術科の準備室へと向かった。

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