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No.006 朝の日課

なんか平和そうだなぁ

 次の日、僕はいつもどおりに朝の6時に起きた。生活力は壊滅的だが、朝の日課としてランニングと運動を少しするため、一応規則的に生活しているつもりだ。


 まあいつもはしずかも一緒に起きてきて頑張って後ろからついてきている。今日も場所が変わったといえ走りたいことには変わりないので、この建物の配置などの確認がてら、中庭や建物周りを走ることにする。走りながらしずかがいないとちょっと寂しいなぁと考えていると、


「あれ?あなたもネリネの乗組員さんですか?」

 と言って後ろから女の子が声をかけてきた。

「そうだけど。あなたは?」

「私は尾高白美。ネリネのメカニックチーフよ」

「僕は好井優木。ネリネの艦長をやらせていただきます。よろしくな?」

「わぁ……艦長さんなのかぁ……ということは二葉と同じく艦橋にいるのか」



 玉川のこと知っているんだ。

「玉川さんとはどのような関係なの?」

「あぁ。昔からのネット仲間だったの。だからまさか一緒になるとは思っていなかったけどね」

「へぇ……仲がいいのか。でも玉川は機関班で機関長のはずだから、同じ班じゃないから残念だね」

「まあそれはそうだけど……それは仕方ないよね。決まっていることだし」

 まぁ同じ船に乗るしいつでも会えるでしょ。尾高とそう話しながら走っていると、何周かしてまたして同じ場所に戻ってきた。



「僕は筋トレするけど白美はどうする?」

「私もちょっとしようかな?」


 滅茶苦茶ひぃひぃ言っているが、滅気ずに一緒に筋トレをこなせている。すげぇな……

「艦長ってどんなことをするの?」

「僕もまだ詳しくは聞いてないなあ……メカニック班は?」

「私達はネリネや戦闘機を修理したり何かしら作ったりすると思う。……エンジンとかは機関班が担当なんだけど」

「そうなんだねぇ。それもまた大変そうだな」

「でも修理したりするのは楽しいからやりがいはあるし、それほど苦にはならないと思う。本格的にやることはなかったけど知識はあるし少しなら弄ってきたし」

「なら大丈夫そうだね」

「そうだね。班員はあと双子の笹垣兄弟と大和がいるけど気が合うし」

「頑張ってくれよ?」

「そりゃね。1つ問題があるんだけど」


「どうした?」

「私と尋也は新しいものを作るの好きなんだけど先輩からあまり新しいのは作るなって言われてるんだよねぇ」

「別にいいと思うけど」

「だよねぇ……」

「まあ完全に駄目じゃなかったらそういうの開発してもいいと思うよ。艦長としても長岡さんに言ってみて、しても良いように頑張ってみるわ」

「マジで⁉ありがとう‼」



 自分も何かを組み立てるのが好きだし、好きなことはやってもいいと思うけどなあ。新しいものができるのは良いと思うし。そういえばあとの2人はどうなんだろう?白美に聞いてみると、それもいいけど、古いものをレストアして新品同様に直したりするのが好きらしい。まあ僕もどちらかと言えばそっち派なのだが。



「そろそろ終わりにして朝ごはんに行く?」

「そうだね。ねぇ、明日からも同じ時間に走るの?」

「何もなければそうするよ」

「じゃあ明日からも同じ時間に来てもいい?」

「もちろん」



 そう言うと尾高は満足そうに笑って、私のこと白美と呼んでいいけど、私も優木って呼ぶね?と言いながら、帰っていった。ちなみに白美は走るのがすごく速かった……僕も中学校ではそれぐらいしか得意ではないから頑張って3位をキープしていたのに……そうこうしているうちに朝食の時間となったので、昨日の食堂へと向かった。



「おはよう!あんた艦長になったんだよね?艦長特権で1品多くしてあげるよ」

「おはようございます‼今日も作ってくれてありがとうございます‼と言うかそんな事して良いんですか?」

「いいのよ。船の中で1番お偉いさんなんだから、贅沢したら良いんだよ」

 そう言っておばちゃんから、もう1品マカロンのデザートをもらうことが出来た。にしても少し人が少ないな。高校生はほとんどいない。朝早いからかな?一応7時前なのだが。


 その中で、僕等と同じネリネであろう男子1人、女子3人の集団を見つけた。佳代さんもいるから行ってみるか……

「おはよう。ここ良いかな?」

「あっ、優木君!おはよう‼」

「どうぞ。おはようございます」

「邪魔してごめんね?僕は艦長の好井優木です。よろしくおねがいします」

「艦長ですか‼僕は大垣大翔です。料理長を務めます」

「とういうことは料理班の人達なのか。みんな料理は上手なの?」

「そうですね。僕は母がシェフなのでよく食べ物を食べに旅行に連れ回されていたので知識も一応あるし、作るの好きなので」


 シェフって強いな。

「一応だけど僕とは敬語じゃなくて普通に話してくれていいよ」

 あまり偉くないし。

「もとからこんな感じなのでゴチャ混ぜになってしまうと思うので気にしないでくださいね?」

「分かった。佳代は?」


「私は母さんがシングルマザーだけれども体が弱かったからよく妹たちの手伝いをしていて家事全般は得意だよ?」

「それは大変だね……」

「……まあ父さんがいなくてよかったんだけどね」

 なんかあったんかぁ……



「君は?」

「私は時位香苗。実家が農家だから野菜とかのことは何でも知ってるよ‼自慢は家庭科のテストで100点以外はとったことがないことです!」

「僕は世界的な知識とメニューとか以外は負けちゃってるよ」

 そうなんだ……


「最後に私は高美結衣。スイーツが好きすぎるなりたてホヤホヤの女子高生です‼」

「憧れの女子高生はいかがですか?」

「優木さん、それ言わないでくださいよ……」

 だろうな。こんな生活で女子高生として遊べれないでしょうな……滅茶苦茶残念そうにしている。

「まあでもお菓子作りは私が指揮を執るつもりなのでそこで楽しみます‼」

「ちゃんと作ったら艦長のところにも持ってきてくれよ?」

「分かりました‼」



「とりあえずみんな」

 僕がそう言って姿勢を正したのを見てみんなはこっちを見た。

「みんな料理とか家庭科が得意で好きなのは伝わった。だから食事のこと、よろしく頼むな?」

「はい。こちらこそ直接的な戦闘には参加できないですが、みんなの胃袋をつかめるように頑張ります‼」

「ちゃんとみんなの食べ物を通じてですが健康に過ごせるように色んな料理作りますね?」

 それは楽しみだなぁ。



「そういえば艦長は1品スイーツが多く入ってますね?」

「艦長特権でおばちゃんから多くもらった」

「いいなぁ……私にもくださいよ。お菓子大好きって言いましたよね?ください‼」

 なんかめっちゃ食いついてきたぞ……

「まぁ良いよ。他に食べたい人はいる?」

「2人でどうぞ。艦長だからもらえるものですし」

「じゃあどうぞ。ちゃんと僕の分も残しておけよ?」

「ありがとうございます‼」



 そうして、この基地にいる間、艦長からデザートをもらう女子として結衣はネリネクルーから認知されるようになった。ちゃんとお菓子を試作しては持ってきてもらってるからまあこれぐらいは良いだろう。



 食べ終わるとそこから僕達は忙しかった。午前中は高校の授業の範囲をすすめていき、午後からは各持ち場ごとでの研修となる。大抵の人はその分野に専門的な知識を持っているのでスムーズに進んでいるらしい。


 しかし、僕はというと、艦長業務なんてゲームの世界でも少ししかしていないし、常に艦全体のことに気を配ったり、作戦立案から行動、様々なことへの対処等々も学ばねばならず、すごく難しい。僕の研修に付きっきりで教えてくれているのは、3番艦、エーデルワイス艦長の植木隼華さんだ。ちなみに他の人達も3番艦のクルーに教わっているらしい。隼華さんはちょっと厳しめの人ではあるが、丁寧に教えてくれる人だ。艦長の振る舞い方などいろんなことを教えてくれるが、さすがに艦の構造については3番艦のエーデルワイスとは全く違うそうなので、自分で学習するか、長岡さんに確認するしかないが。


 そんなこんなで本格的に訓練が始まるのだった。


来週からは基本的に週2の予定です‼

(気まぐれで別の日にも投稿するかも……)

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