表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

72/74

No.66 突撃せよ

前戦へ行かされるんだって。


「艦長、司令部より要請です。第1部隊と第2部隊の左翼が少し押されているので、特射砲での牽制と撃破を頼む。とのことです」

孝弘が司令部からの連絡を伝えてきた。思ったよりも状況は悪いのかね?


「情報をこちらに」

うん、左翼の味方が少ないな。敵は左から回り込むつもりなのだろうか?

「広海、iちゃん、最適な射撃位置の調整を頼む。孝弘、ダリアからは?」

「ネリネとアイリスで射撃の援護を要請されています」

「よし、有次、取り舵20、下げ舵15だ。広、アイリスと連携して撃つぞ」

「了解!」



「艦長、射撃位置の調整完了です」

「アイリスから通信。射撃管制は任せるとのことです」

「孝弘、全部隊に通達、退避させてくれ」

「分かりました」


「全部隊の射線上からの退避を確認」

「よし、総員対ショック‼広、iちゃん、アイリスと繋げてくれ‼」

「繋げました」

『問題ないです』

「よし、特射砲、撃て‼」


[ビィィィィィ]


「広海、どうだ?」

「敵艦は3隻大破です」

バリアーを使ったのか……でもまぁ上々だな。

「でもどんどん左翼側から敵が回りこんでいます」

やっぱりそっち側から回り込むのか。敵はまずこちらの艦隊の撃破をした後、司令部を占拠するつもりなのか?


「艦隊司令は中央に配置されている艦隊はそのまま敵艦隊側面に砲撃を続行しろと言ってきます」

「この状況だと、敵艦隊の右翼は後ろへ回り込むつもりみたいね」

あかねの言う通りみたいだな。囲んで袋叩きにするつもりか。今の状況だとそうしたほうがいいかもしれないかねぇ。


「艦長、ダリアから通信です」

急にどうしたんだ?そう疑問に思いながらも、孝弘に前面のモニターに映してもらう。


「どうしたんですか?」

「新人君、恐らくこれから混戦になるから特射砲は使わない。我らDP隊は司令部からの通達によっては第3部隊と連携し交戦もあり得ると思ってくれ」

「艦長、敵がそんなに少数で来るわけがないです。此方はおとりではないでしょうか?」


広海が言いたいことも分かる。超大型艦と大気圏突入可能な船が一切いないからなぁ……


「しかし今攻撃している第2艦隊では抑え込むことは難しいのだ。だから我らも向かうことになった。後方の防衛には第2部隊が下がってつくことになっている。まずは今いる敵を叩くのが先決だ」

それはそうだが……

「艦長、恐らく第2部隊を下がらせて対処に当たらせるつもりです。でも第2部隊ではあの超大型艦とあとの大型艦は絶対に防げません」

広海が大分焦ってるな……


「好井艦長、これは命令である。司令部からも通達が来た。これよりネリネ、エーデルワイス及びダリアは第3部隊に編入。他のは第2部隊に編入とする。ネリネは僚艦とともに突撃せよ、とのことです。」

マジで?

「艦長‼それはまずいです‼」

「広海ちゃん、もしそうだとしても、今は艦隊行動中です。司令部の命令には逆らえない」

「あかねの言うとおりだ。僕らはその中で最善を尽くすしかない」

広海が何に怯えているのかわからないし、自分たちもこの状況はまずいと思うが、従うほかない。



「艦長!アジア地区旗艦モスクワより連絡。ネリネは我とともに行動せよ、とのことです。指定座標送られてます」

「よし、ネリネ発進準備。二葉、特射砲用エンジン切り離せ。分離後、通常エンジンを繋げろ。広、特射砲カバーをパージ」

「了解。総員に通達、本艦はこれより第3部隊に編入される。新たな任務は、アジア地区旗艦と共に敵艦隊への攻撃である。各員、発進に備え」

「エンジン交換いたします」

「カバーもパージします」


「艦長、パージしたものはフローレスが引き受けるとのことです」

使えるのか?

「カバーぐらいは使えるとのことです」

まぁネリネと同型艦だから使えるのか。因みにフローレスはそのまま第2部隊と一緒に後方で支援するらしい。




「前方にモスクワです」

「よし、前に付けてくれ。モスクワに連絡。本艦は貴艦の前方に付ける」

「了解。モスクワより通信です」


「艦長のイヴァーン・イルナゾヴィッチ・アバルキンだ。端的に説明する。俺たちはこのまま右翼から一気に左翼へと駆け抜けて1周して戻るような形をとる。いま第2部隊は後方へ突き進み始めるところであり、それを敵は追うと思われるが、我々第3部隊はそれを左と右で挟み撃ちにするような形をとる」

「了解しました。ネリネはこのままモスクワの前で攻撃をします」

「よろしく頼む。レーザーを送信してくれ、すぐ出発する」


寡黙な人だ……でもこの人、何気に第2次防衛線からずっと宇宙軍にいるすごい人でもある。

「よし二葉、レーザー送信。これより突撃する」

「レーザーコントロール、クリアー。エンジン協調させます」

「よし、エンジン出力80%、最大船速。特射砲は連続射撃モードへ切り替え。針路修正、取り舵20、上げ舵10」


さぁ、ここからは敵との近接戦だな。





後期授業が始まったけど、挫けそう……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ