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No.66 いざ開戦

いよいよ始まったんだって。

 

「艦長。第1部隊の無人艦隊が空間歪曲を確認。総司令がレッドアラートレベル5を発令しました」


 広海がいうと同時に前面モニターに総司令部からの通達が表示される。自分たちの持ち場で待機を始めて1日とほぼ半分、ついに敵がやって来た。


「よし、孝弘、配置そのまま、レッドアラート、レベル5‼飛行隊スクランブル‼」

「了解。総員レッドアラート、レベル5です。飛行隊スクランブルをお願いします」

「宗光、すまないがよろしく頼む」

「おぅ、任せとけ‼」

「発進シーケンスを行います!1番、2番カタパルト展開。サポートアーム、カタパルトに接続。発進用格納庫展開、全システムオールグリーン。1番機、2番機、カタパルトに移動完了。進路クリアー、飛行隊、順次発進してください‼」


 今回飛行隊には最前線で暴れてもらうことになっている。無人機があるとはいえ、こっちは圧倒的に戦力が足りない。正直な話、ネリネの周りにいてくれていないし、戦闘のど真ん中に放り込むことになるから心配ではあるが。


「iちゃんには無人艦隊及び無人機のバックアップも頼む。一応各員、シートベルトを着用。本艦はこれより特射砲発射体制に入るぞ。各班にもう一度艦橋へ安全確認をさせてくれ」

「了解しました。私は宇宙軍最強のAIです。艦長が心配するほどでもありません。ネリネに関しても任せてください」


 ……そこまで不安そうな顔をしていたもんかね?


「了解。総員に通達。これより本艦は特射砲発射準備態勢に入ります。総員、各ブロックにてシートベルト着用のうえ、待機をお願いします。各班は艦橋へ安全確認及び状況報告をお願いします」

 孝弘がそう言いながら飛行隊を発進させてくれている。

「広、特射砲の発射準備が完了したら権限をダリアに渡してくれ」

「分かった。特射砲のコントロールをダリアに渡します」

「頼む。他の砲術コントロールは広に任せる。いつでも展開できるようにしておいてくれ」


 後方だから主砲とか対空兵器は使わないとは思うけどな。


「広海はiちゃんのバックアップを。それとバリアーも使えるようにしておいてくれ。ついでに大気圏突入時はシールドのコントロールも任せる」

「えぇ……分かりました」

「有次は特射砲発射時の衝撃緩和の微調整も頼む。ついでに大気圏突入時も操舵は任せるからシミュレーションをもう一度頼む」

「了解。こちらは大丈夫だ」

「二葉はエネルギーに常に注意をしておいてくれ。エネルギーパックにも限りがあるし、どこまで信頼できるかわからないしな」

「はい!頑張ります!」

「孝弘はいつも通りで頼む。ついでに各班に少しでも違和感があれば報告するように言ってくれ」

「分かりました」


 さてこれで大丈夫かな。


「あの、私は?」

「あー……まぁいつも通りで。僕に何かあれば指揮もよろしく」

「はぁ……」

 あかねはいつでも頼りになるからなぁ。めっちゃむすっとした顔をしてるけど。



「艦長、ワームホールより敵艦隊を確認。予定通りの進路です。あと20分で第1部隊と会敵します。敵艦隊を確認。大型艦1隻、中型艦8隻、小型艦25隻です」


 ん⁉


「孝弘、もう一度確認させろ‼」

 おかしい‼そんなことあるかよ‼孝弘からそう言われたけど、あのでっかいのどこにいるんだよ⁉


「……変わりありません」

『私の眼でも同じ数です』

「広海、こちらのレーダーでも一応見ておいてくれ」

「分かりました」


 そう言うと、広海がまた新しくディスプレイを開く。何個開いてるんだよ……僕のせいだけど。



「艦長‼第1部隊が攻撃されました‼大型艦からの攻撃です‼」


 敵があらわれて数分、孝弘が切迫した声で言ってきた。

「もうそんな近くまで来たのか⁉」

「いえ、こちらのアウトレンジからの攻撃です。速度そのまま、突っ込んできます」

 広海が情報表示しながらさらに情報収集をしてくれている。それにしても特射砲でもこの距離では届かないぞ……


「こちらの被害は?」

『直撃した無人艦があったみたいですが、被害は軽微です。ぎりぎりの距離からの発射だったみたいで大分威力が弱まっていました。それとシールドが上手く作用したみたいです』

「そうか……ダリアからは?」

「まだ連絡は来ていません」


 まずいかなぁ……でも勝手に動くわけにはいかないからなぁ。


 とりあえず今不可解な点は、なんかやべぇ飛び道具が飛んできた、もっとやべぇ船たちの殴り込みがない。速度落とさずに突っ込んできやがる。ということだな。



「艦長、まもなく敵艦隊が特射砲の射程圏内に入ります」

 しばらく耐え続けていたが、ようやく射程内に入ってきたか……孝弘とiちゃんが他の船からの情報も拾い上げてくれるからありがたい。大型艦と中型艦がそれぞれ分けて撃ってくるから、一息つく暇も与えてくれない。無人艦が1隻沈み、2隻大破してしまったし。


「ダリアより通達。これよりDP艦隊は特射砲の1射目を行う、とのことです」

「よし、総員、耐ショック姿勢!」

「総員に通達。本艦はこれより特射砲を発射します。総員、衝撃に注意、及び持ち場にて作業をお願いします」

「ダリアが本部から発射許可を受けました」


「発射まで、5,4,3,2,1……発射‼」

「権限戻りました!」

「よし二葉、エネルギー急速チャージ‼」

「はい‼」

「それで当たったか⁉」

「はい。ですが敵艦隊は2隻小破、十数機撃墜にとどまっており、尚も侵攻中です」


 まぁ射程距離ギリギリで撃ったからな。致し方あるまい。

「次発充填急げ‼敵の2発目にも気をつけろ!」



「艦長。敵艦隊と地球艦隊が交戦距離に入りました‼敵艦のエネルギーを感知‼こちらも応戦し始めています‼」

「よし、特射砲の射線には十分注意させろ!」

「了解」


「艦隊司令より通達。全艦隊、現状のまま応戦を続けろとのことです」

「よし、こちらも異常はないな」

「はい。問題ありません。戦線は少し下側に行ってますが、前線の部隊も良くもっています」


 もってもらわないと困る。


「艦長‼エネルギー充填完了です!」

「ダリア及び前線部隊より新座標来ました」

「了解。下へ3度ずらせ。特射砲発射体制」

「ネリネ全ブロック問題ありません」

「特射砲の権限をダリアへ渡します」


「味方艦隊、全ての退避を確認」

「次弾発射まで、5,4,3,2,1……発射‼」

「敵艦に被害多数です」


「よし、とりあえずここまでだな」

 ここからは第1部隊と第2、第3部隊が接近戦を仕掛ける。あとは戦局にあわせて撃っていく感じだな。


夏休み、何もなかった…

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