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No.061 司令部に駆け込もう

無事に帰ってこれたんだって。

 

 「ワームホールからの脱出を確認」

 「全艦異状なし」

 「エーデルワイス、フローレスともに異状なしです」

 「よし、針路を地球の日本地区宇宙軍に。以後もエーデルワイスの指示に従ってくれ」

 本隊から逃げ出したあと、急いで地球へ向けて帰ること早数日、ようやく地球圏へ戻ってくることが出来た。とはいえ、こちらが早いと言ってもあと数日したら敵艦隊はやってくるだろうな……それまでに準備を急いでしなければ。

 「了解」

 「艦長、右舷20°、下舷10°に艦影を確認。IFF照合、アメリカ地区軍所属、ロサンゼルス」

 「艦長、エーデルワイスより連絡。我が艦隊はロサンゼルスの指示に従って、アメリカ地区へ行くとのことです」

 日本地区へまだ帰られへんのか……

『どうやらアメリカ地区で会議に出ないとだめみたいですね』

 おいそれ僕が行かないといけないやつちゃうんか……

 「まぁそうでしょうね」

 「私が行きましょうか?」

 広海が言ってくれるのはありがたいがここは僕が行くべきところだからな。

 「ありがたいけど、流石に僕が行くよ。みんなは待機で」

 多分主な人たちが集まっているだろうしな。



 「エーデルワイスよりまた通信です。モニターに出します」

 おっと次はどうしたんだろう。

 「とりあえず皆お疲れ様」

 「隼華さんもお疲れ様です」

 「ありがとう。とりあえず、私達はアメリカ地区へ向かい、そこで作戦会議に参加することになっているらしいわ」

 「やっぱりそうですか」

 「えぇ。私達がワームホールで調査している間に月から船を持ってきたり、あちらに対抗するための兵器とかも用意していたらしいの」

 やっぱりちゃんと対策はされているんだな。それは安心だ。

 「でも私達の持ち帰ったデータとかで再度作戦の練り直しが図られるそうよ」

 あの馬鹿でかい船が来ているからかな。他にも気になることがあるし、多分相当苦戦するだろうからな……


 「そんなわけでとりあえず、ほとんど全部隊が集結しているアメリカ地区に行って、報告とか修理改造諸々を行うそうよ」

 全部隊集結って大丈夫なのか……

 「今回は艦隊戦だろうし、毎回アメリカ地区付近で戦闘になっているから、本隊はそこで待機することになっているわ」

 「そうなんですね」

 「とりあえずそんなわけで、私達はアメリカ地区で船も修理させていただくからその準備もお願いね?」

 「分かりました」


 そういえばフローレスはどうするのだろう?

 「フローレスも同じようにやってもらいます。ついでに特射砲もつけてもらうみたい」

 まじか……特射砲ってDP隊しか付けられないんじゃ?

 「……DP隊の戦力が大幅に減っているからね」

 「あぁ……」

 そういえば7番艦はまだ人員がいなくて、4番艦も沈んだ今、形振りかまっていられないということか。

 「ネリネも新しい設備とかを取り付けるらしいよ?」

 「分かりました。メカニックに伝えておきます」

 今度は何を付けられるんだ。




 「艦長、管制より連絡。アメリカ地区への入港許可が出ました。ネリネはルートに入ったあと、2番ゲートより整備場8番へ入港してくれとのことです」

 「わかった。ルート表示、管制の指示に従い2番ゲートへ」

 「ヨーソロー。ルート表示、ガイド接続、入港モード。アメリカ地区2番ゲートへ向かいます」

 「機関出力25%へ減らします。ライザー、モード解除。スタビライザー収納」


 「2番ゲートへ入港。……入港確認しました」

 「よし、整備場8番へ」

 「了解。アンカー展開」

 「機関停止。本艦は補助スラスターで入港中」


 「アンカー、整備場8番への接続確認。…………固定も確認。入港完了です」

 「よし、お疲れ様」

 「管制より連絡、これより整備と補給、設備更新を行うとのことです」

 これであとはアメリカ地区の整備員とうちのクルーたちで何とかやってくれるだろう。



 「艦長、迎えの車がやってきました。案内してくれるそうです」

 早いな。

 「分かった。広海、僕の端末に今回の資料すべて送ってくれ。すまないがあかね、あとを頼む」「わかったわ」

 「送っておきます」

 さぁて何を言われるのかなぁ……



 「あれ?隼華さんとレイザも乗っていたんですね」

 「そりゃお隣のドックで修理するんですもの」

 そりゃそうか。

 「2人共アメリカ地区は初めてよね?」

 「そうですね」

 「私は小さい頃に来たような……あまり覚えていませんが」

 「そうなのね。とりあえず、アメリカ地区は日本地区よりも数倍大きいし、色々な重要な施設がまとめられているの」

 アメリカ地区はすべての宇宙軍の実質的なトップで、他の地区軍の情報が全てここに集約されたり、逆に全地区に情報を飛ばしたりすることが出来る。そのため、地球全体を見回す施設が存在し、この地球周辺の情報がひと目で分かるようになっている。ついでに重要な会議とかもここで行われたり、アジア地区とかは、ここの修理工場がでかいので使わせてもらったりしているみたいだ。

 「とりあえず、アメリカ地区の影響力は大きく、そして重要施設もあるから防衛の要でもあるわ」

 まぁ、これまでのことを考えたらそれも納得だな……そんなこんなで、だだっ広い会議室まで案内されるのだった。




 会議室には艦長たちが集まっており、前の席には各地区の司令が座るみたいだ。明らかに椅子が豪華だし。まぁ他にも人がいるけど。その中には見知った顔の人もたくさんいた。

 それからしばらくして、司令や総司令が来たみたいで、すぐに静かになった。

 「まずはワームホールの調査任務、ご苦労であった。私は世界連邦宇宙軍総司令、レムズ・スレンダーだ。とりあえずまずは報告を聞かせてもらおうか」

 というわけで隼華さんが主となって調査報告について資料を交えながら話した。ついでに自分たちが単艦行動を取ったときについての情報や資料は僕が言ったけど。たまーにすごくざわざわいていたが……


 「とりあえず分かった。ネリネの単艦での行動については少々問題があるが、想定以上の戦力が向かっていることは明白であるな。現時点での我らの戦力について、アフリカ地区司令」

 アフリカ地区は戦力が少ない代わりに、補給物資の分配、地上からの物資の搬入などを担当している。要は裏方仕事を得意とする地区だ。他の地区も色々と役割があるけどね。例えばアジア地区は戦艦を作る素材とか資源を取ってきたり、ヨーロッパ地区は月の製造工場の管理、日本地区は船の設計や新しい技術の研究とかもしている。

 「はっ。現時点で我が戦力は戦艦28隻、それと新たに無人艦10隻、自動砲台20基、それと砲撃対策として、いま急ピッチで地球を覆っているバリアーを小型化したものを製造しております。戦闘機については順次レオパルドを配備させていますが、人員が少ないので元の戦力の7割ほどにしかならないですね。それと新たに無人機のレオパルドゴーストも無人艦と一緒に製造中です」

 「分かった。敵の戦力については先に話したとおりだな。あの超大型艦の性能については未知数だからな。それと敵は地球降下も行うだろう」

 やっぱそうなるだろうな。

 「優先順位することは、地球降下阻止、敵超大型艦の撃沈だな」

 あれが地球に降りたら厄介になるからな……何としてでも止めなければならない。でも無人艦とか自動砲台とかあるのなら、戦力差は幾分か縮めることが出来るだろうな。ていうかそうでなければ普通にまずい。


バイト始めた‼もうくじけそう(´;ω;`)

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