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No.059 本隊、出発

ワイダム連合の本隊が出発したんだって。


「司令閣下、全艦準備完了しました」

「よし、全艦、発進。ワームホールに突入する」

「イエッサー‼」

結局、全部でかき集めて45隻、この最新のバカでかい船と、地球降下用に改造された大型艦2隻、中型艦8隻、軌道上で警戒する船が大型艦1隻、中型艦8隻、小型艦25隻で攻撃する。

……自前の艦隊と他の艦隊からも来てもらった船でようやくだな。戦闘挺は揃えられなかったから、徴兵で子ども兵も持ってきたし、急ピッチで訓練をしてなんとか出撃に間に合わせることができた。このバカでかい船も何とか間に合わせたしな。この最新の船は大型艦の2.5倍の長さを誇り、最新技術も惜しみなく使われている。他にもう1隻しか作られていない。馬鹿でかいし金かかるし。それがわざわざこちらに配備されてきたというのは……重大なんだろうな。



「各艦の状況は?」

「全艦異常なし。地球に実際に降下する部隊は今最終確認中です」

「降下軌道は?」

「はっ。降下軌道については、いつも通りの降下軌道を使います。しかしそこにオリジンの拠点があるのでまずはそこを撃破しなければなりませんね」

「だろうな」

どんな攻撃や抵抗があるかも分からないし、敵の件の新型艦がこちらに乗り込んできたと言う情報もキャッチしたので、多分こちらにも来ていたのだろう。どこまで調べられているのやら。




昔、星と星が争っていた。1つは魔法を使う星、もう1つは時代を1000年先回りする技術を生み出せる星だ。2つの国は偶然にも交わり、そして戦争を始めた。

あちらには特別な魔法を使う勇者が先頭に立ち、こちらはその技術を用いて対抗した。両者は一進一退の攻防を続け、最終的に魔法国家は星ごと別の場所に飛んじゃって、こっちはその国によって星に住めなくなった上に、1000年先回りする技術を失って今いる場所へ流れ着いてしまったそうだ。そこからしばらくは平和だったそうだが、他のところの星系との戦争が勃発。残った技術を使って最終的に母星1つと人工惑星4つにまで広げることとなった。これがこの国の歴史だというが本当か嘘なのか、おとぎ話の世界なのか、今はもう誰にも分からない。

オリジンへ攻める任務は、紛争も落ち着き、余裕が生まれたことで、この星系のさらなる発展のために私達の遺伝子から作られた大規模な被検体たちを投入して、どのように進化していくのか、そして私達はどのような環境や遺伝子改良をすればより進化していくのかを惑星規模で行っているのだそうだ。そしてそれをもとに私達の子孫が繁栄していくのだそうだ。これは古来から行われているもので、過去に4度行われ、今回が最後の調査だと言われている……



「何してるの?ルカ」

私はルカ・ブルージェ。普通の女の子だったけど、今回の地球への遠征で何故か戦闘挺のパイロットになってしまった。人が少ないからって私達まで行かされるのはどうかと思うけどね……

確かおじさんもこっち方面のはずだったけど、どうだっけなぁ……そしていま話しかけてきたのはヘリア・ノーゼス。私と同い年で同じタイのパイロットになった子だ。


「ヘリア!オリジンってどういうところだったっけなぁと思って」

「まぁそうだよね。私達はどうだっけ?」

「確か4回目の被検体の遺伝子とか何やらをフィードバックしているそうよ」

「そうだったわね。それにしてもあなたの叔父さんとはまだ会っていないの?もうあと1週間で出発のはずだけど……」

「そうなのよ……」

どちらにしても訓練ばかりで会う機会はなかったし、何処にいるのかも分からない。会いたいなぁ……

「ダメ元で隊長に聞いてみたら?叔父様ってそこそこに偉いでしょ?」

そこそこって……まぁでもそうだわね。

「そうね。聞いてみる‼」



「……私の権限があまりないのでね……ちょっと他の人に聞いてみる」

「すみません。よろしくお願いします」

「良いのよ。最後に会っておきたいのもわかるし。ちょっと待っててね」

私の隊は全員女性で構成されている。そしてこの人がカリア隊長。この戦闘艇大隊の隊長さんだ。普通は3,4機で1つの隊を作っているのだが、私は旗艦の超大型艦に乗せてもらえることとなったのだが、全てにおいて規模がでかい。戦闘挺隊も大隊と付けられ、12機で1つの部隊、それが5部隊も乗り込んでいる。この1隻だけで中型艦12隻、小型艦だと20隻分の戦力になっている。うん、ちょっとよく分からない。正直この船が大きすぎて私が行動する範囲でもたまに迷ってしまう。


「ブルージェ様はついさっき帰ってきたみたいだわ。明日ぐらいに会うことが出来るみたい」

「そうなのですか‼ありがとうございます‼」

「詳しいことはまた言うわ」

「はい‼」

帰ってきたばかりだったのかぁ。入れ違いになるみたいだな……




次の日、私は早速基地に戻る許可をもらって叔父さんに会いに行ってみた。

「久しぶりだな。ルカ」

「お久しぶりです‼おじさま‼」

「ああ。それにしてもまさかルカがなぁ……」

聞いてなかったのかな?

「あぁ……まさか子供にまで手を出すとはなぁ」

「仕方ないよ」

人口は減少している一方だし。あちこちから攻め込まれたりして、もうほぼ国家総動員的な感じだからね……


「もう少し早く帰ってこれれば俺が何とかしてやったのに……」

「出来るの?」

「無理だな」

笑いながら言われた。無理なんかい。

「でも俺の隊に入れることは出来たかもしれない」

まぁ、でももう無理なんだろうな。

「とりあえず、あの船は旗艦だし多分大丈夫だろうが、自分の命最優先で行くんだぞ。すまんが私は今回の降下作戦はいけないみたいだ」

「まぁ、あんな感じではねぇ……」

帰ってきた船を見たが、出ていったときよりも半減してるし、みんなボロボロになってしまってる。

「少しでもお前の近くにいてやりたいが、難しそうだな……これでは家族に顔向けできんな」

「仕方ないよ。それでもおじさんが引き取ってくれたからね」

まぁ、恐らく関係者が軍人なので私も軍関係者みたいな扱いになってしまっているのだろう。そのおかげでこんな事になっているけど。

「とりあえず、最新の戦闘機に乗れるし、部隊は全員女性で過ごしやすいし、大丈夫‼」

「分かった。とりあえず、羽つきの船はすべて注意してくれ。あの船のせいで予定が狂ったものだからな……」

「おじさんが苦戦する相手って……厄介だね」

ぶち当たらないことを祈ろう。

「データはルカの端末にこっそり送っておいたからまた後で見ておいてくれ」

ありがたいけど……大丈夫なのか?



「ねぇねぇ、何を見ているの?」

「わっ‼ヘリアかぁ……おじさんの戦闘記録」

「よく持ち出せたわね……そんなもの見てどうするの?」

「……見て」

「うわぁ……」

やっぱドン引きするよね……そこに写っていたのはおじさんとバチバチにやり合っている化け物戦艦だったり、その戦艦が戦っているデータ、戦闘挺の記録だ。

「私、これ来たら泣くわよ」

私もだわ。



そこから1週間が経って、出撃することとなった。

「と言っても私達の出番はまだまだだから休憩室でまったりだけどね……」

「そうだねぇ……」



無事卒業できた‼

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