表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

62/74

No.058 脱出

何とか脱出しようとしているみたい。


[ビーッビーッ]


「何事だ⁉」

あれから寝ていたんだが警報音で叩き起こされてしまった。……4時間も寝てしまってるじゃん。

これはだめだな……


「艦長だ‼どうした⁉」

「艦長‼前方にワームホール出現‼敵艦が出てきた模様‼接触まであと20分‼」

まだ出てくるんかよ……

「総員戦闘配置‼レッドアラート、レベル5‼」

「はい‼」


[ビービー]


「総員戦闘配置、レッドアラート発令、レベル5です」

「敵は何隻だ?」

「艦長‼5隻です‼」

ん?5隻?……まさか。

「さっき撃破したうちの生き残りです」

「しつこいな……」

半数失ってるのにまだ追いかけてくるんかよ。

「マジでそうですね……」

「とりあえず、ワームホールから出てきたんだな」

「はい。それで先回りされていました」

『おそらくもう少し先に私達がいると見込んだんでしょう。運が良いのかわかりませんがそのおかげで距離が離れた状態で察知できました。』

そんなことだったらもっと後方で出てきてほしかった。……それしたらまた前に出られてしまうか。

うーん……どうしたらいいんだよ。


「エーデルワイスたちから連絡は?」

「ありません」

それもないのか……

「飛行隊スクランブル。強行突破して逃げる」

「出来るの?」

やるしかないだろ。



「飛行隊展開完了」

「主砲射程圏内まであと3分」

「全砲門展開、目標は一番大きい船だ」

「了解。主砲全砲門展開、目標、敵中型艦」

「敵艦撃ってきます‼」

はやいな‼

「取り舵一杯‼」

「まだ射程圏外だぞ‼」

「あっちはどないなってるのよ……」

知らないよ……でもまだ離れているからそう簡単には当たらない。

「主砲射程圏内です‼」

「よし、主砲、撃てぇい‼」


[ズドーン]


「目標、バリアー展開。弾かれました」

「飛行隊、敵攻撃機と交戦‼」

「ネリネから置いていかれないようにと伝えろ‼」

「はい‼」

あまり良くないなぁ……

「各砲門、それぞれ任意の敵に照準‼スタビライザー、バリアーモード‼」

「はい‼」

「モード変更。受け継ぎます」

このままだとジリ貧だよな。

「艦長‼あと1分で敵艦と交差します‼どんどん激しくなっている‼」


[ズガン]


「うぉっ」

しまった‼

「ダメージコントロール‼」

「右舷第2ブロックです‼」

「敵艦、ネリネを取り囲み始めました‼」

「袋叩きじゃん‼」

「やばいな……」

思ったよりもあっちの火力が強い。

「艦長。飛行隊も押し込まれているみたいです」

「弾幕とレーザーに当たらないように気をつけさせてくれ」

「敵中型艦、大破‼後退します」

「でも他の船は後退しない……」

それだけ撃沈したいんだろうな……

「埒が明かん。なんとかして抜け出すぞ‼一点突破、正面を撃破する‼」

「「「はい‼」」」

「前方は敵が2隻いますね」

「じゃあ右の船を何とかしよう」

「何でですか?」

あんま考えてないけど、そっちのほうが撃破しやすそう。あと被害が右側面だからあんまそちらを敵に見せたくない。まぁ、後ろに2隻スタンバってるけどね……


「状況は?」

「思ったよりも敵のバリアーが強くて……」

めんどくさい‼

「面舵‼特射砲展開‼敵艦に向けろ‼」

「特射砲展開します」

「艦長‼敵艦から高エネルギー‼」


[ズドン]


「どこに当たった‼」

「すべて中央第5ブロック‼特射砲のところです‼」

「バリアー貫通‼特射砲使用不能‼中央ブロック第2から第6まで爆発炎上中‼」

「消火急げ‼」


[ビービービー]


エネルギーを特射砲に集中させていたから被害が……

「隔壁は‼」

「閉鎖していますが爆発が……」

「何としてもそれ以上被害を出させるな‼最悪の場合ブロックごと切り離して良い‼」

これ以上被害があったら戦闘艦橋に来たり弾薬庫に誘爆してしまう。

「敵艦轟沈‼」

「左舷敵艦接近。突っ込んできます‼側面2隻も前に出てきています」

「上げ舵‼針路そのまま‼死んでも逃げ切るぞ‼」

「爆発が弾薬庫に近づいています‼」

「切り離せ‼ついでに前に吹きとばせ‼」

「はい‼」

「第2主砲に被弾‼」

ゴリッゴリに削られていってる……

「敵艦がもっと近づいて来ています‼」

「近づけさせるな‼阻止させろ‼」

「推力も低下しています‼」

こんなときに……


「艦長‼」

「どうした‼」

何だ何だ。

「また新たにワームホールが出現‼何かが出てきます‼」

何だって⁉

「全員注意しろ‼」

「高エネルギー来ます‼特射砲並‼」

まじかよ何ぶっ放してくるんだよ‼

「面舵一杯、上げ一杯‼回避‼」

「はいい‼」

しかしそれは僕らにではなく敵艦に向けて撃たれた。同じ位置にいたらひとたまりもなかった。

「艦長。IFF照合、エーデルワイス及びフローレスです」

わざわざ来てくれたのか……危なかったけどな‼

「敵艦隊撤退していきます」

「エーデルワイスより通信です」

「繋げてくれ……」



『間に合ったようね……とりあえずお疲れ様。とりあえずここから離れるわ。修理はその後でお願いできる?

話はその時で』

そりゃそうだろうな。また攻撃があったらたまったもんじゃない。

「分かりました」

「前は何とか切り離さずになりそうです。色々と滅茶苦茶ですが……」

「そうか……」

ただ戦闘艦橋から見ても中央と右側は穴空いてるのが丸見えなんだけどね。


「孝宏、各班安全確認を行ったら副長に報告してくれ」

「了解しました。オペレーターより各班へ、安全確認を行い次第、報告して下さい」

「ブリッジ各員、最終チェック」

「艦長、ネリネのシステム、異常ありません」

「操舵問題なし。いつでも発進できます」

「機関、出力安定。スタビライザー、正常に稼働中」

「各砲門、異常ありません」

「優木、各班異常なし。大丈夫です」

「ありがとう、あかね、孝宏。よし、ネリネ、エーデルワイス発進後、エンジン最大、スタビライザーバリアーモード、最大出力。目標、ワームホール内部及び、出口」

「了解。ネリネ、エンジン最大出力」

「スタビライザー、バリアーモードで最大出力」

「進路そのまま、ワームホール入口へ向かいます」

「エーデルワイス、発進しました」

「よし、ネリネ、発進‼」

「発進します」

「後続のフローレスも発進しました」

「エーデルワイス、エネルギー上昇、特射砲発射します」


「ワームホール入り口、開きました‼エーデルワイス、突入‼」

「よし、ネリネも突入してくれ」

「了解‼」

これでなんとかなりそうだな。


これだけ嬉しい卒業はないな……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ