No.056 防衛部隊現る
何か色んな部隊が来るんだって。
「艦長、緊急事態発生‼」
「何事だ⁉」
「前方に敵部隊を発見‼」
「状況を報告してくれ」
「IFF照合、敵小型艦2隻、中型艦1隻接近中‼待ち伏せされていました‼」
「やっぱりそう簡単にはいかないか……」
目立たないところで進んでいたはずだけど地理的にはあっちのほうが知っているはずだしな。ある程度目星をつけられていたか。
「敵艦発砲しました‼」
「回避‼取舵20、上げ舵10‼全砲門開け‼反撃する‼レッドアラート‼」
「はい‼」
「アラート入れます」
飛行隊は……展開は無理か。
「主砲、副砲全門展開完了」
「照準、左側の小型艦」
「照準完了しました」
「よし、全砲門、撃てぇい‼」
「はい」
[ズドーン]
「敵艦3隻バリアー展開‼小型艦大破‼ミサイル来ます‼」
「回避‼面舵20‼下げ舵20‼チャフ‼CIWSとレーザーも‼ミサイル発射管1番から6番、対艦ミサイル装填‼」
「了解‼」
「スタビライザー、バリアーモード‼」
「はい。起動します」
「ミサイル発射管1番から6番、対艦ミサイル装填完了」
「よし、斉射しろ‼」
「はい‼」
「敵1隻バリアー消失」
「そのまま主砲、撃てぇい‼」
「敵艦回避‼」
「撃ち続けてくれ‼もう1隻は⁉」
「後ろに回り込まれて撃たれています‼」
挟撃する気か。
「回頭急げ‼後ろは後部主砲、副砲で応戦‼ミサイル、耐ビームミサイルに変更次第、発射してくれ。前はそのまま小型艦‼」
[ズドン]
「ダメージコントロール‼右舷7番に被弾‼」
「後ろの中型艦突っ込んできます‼」
「バリアーで後ろの小型艦からの攻撃を防いでくれ。こちらも敵に突っ込め‼最大船速‼」
「交差まであと15秒‼」
「敵艦にどんどん主砲を撃ち込んでくれ」
「わかりました」
「敵艦、バリアー展開して跳ね返されています」
ちょっとずつ撃たれた箇所を変えることでダメージを少なくしてるのか……やりづらいな。
「まもなく接触‼」
「避けろ‼面舵10‼スタビライザー、ソードモード‼敵を切り払う‼」
「了解‼」
「敵艦、バレルロールしています‼」
うそん‼
「こっちもスタビライザーをぶつけろ‼レフトターン‼」
「急げ‼」
「間に合わねぇ‼」
[ズドン]
「ぐぉっ」
「左舷3,5番、右舷2番に被弾‼」
「敵艦また転進してこっちに来ます‼」
「こっちも急げ、取舵一杯‼逆進一杯‼」
「あっちのほうが小回りきくなぁ‼回りきれん‼」
「バリアー横に集中させろ‼」
「はい‼」
[ズドン]
「うぉっ」
衝撃が……
「被害報告‼」
「バリアー消失‼右舷3から7番被弾‼カタパルト損傷‼」
「復旧急げ‼」
と言うか何が起こったんだ。当たりどころが悪かったとは言えいきなりバリアー消失なんてことは今までなかったぞ。
「何が起こった……」
『敵艦に強力なエネルギー砲が搭載されていたみたいです。それがちょうど当たってしまったみたいです』
「艦長‼敵艦また接近‼」
「どこから来る⁉」
「正面です‼」
「特射砲緊急発射‼」
「今ですか⁉」
「あぁ」
ちょっと砲撃が弱まっていると思うんだよな。多分うちと同じように出力上げて撃った時みたいな感じだろうな。
「特射砲緊急発射しますが出力60%が限界です‼発射可能体制まであと15秒‼」
「分かった」
「敵艦回避行動取っています‼」
「逃がすな‼取舵30‼上げ舵5‼」
「特射砲出力60%‼行けます‼」
「よし、特射砲、撃てぇい‼」
[ビー]
「敵艦に直撃。轟沈です‼」
「小型艦は⁉」
「撤退していきます」
これで一段落か。
『艦長』
「どうした?」
『この先に惑星があります』
「……まさか」
『敵が来ます』
惑星にも駐留艦隊がいるはずだしな……
「ていうかさっきのあれは何だったんだ?」
『私達の報告できた別の部隊かもしれませんね』
「まじかよ……」
「とりあえずアラート継続。エーデルワイスにも状況を打電しといてくれ。ネリネは針路そのまま」
敵艦とは接触はなるべく避けたいけど多分無理だろう。
「艦長、敵艦捕捉。右舷後方に10隻。小型艦8隻、中型艦7隻です。距離は800宇宙キロ。こちらはまだエンジンを修理中なのであちらのほうが私達より速いですね。このままだとあと150分で追いつかれます」
「そう……合流予定ポイントまでは?」
「25時間です」
やっぱ戦闘なっちゃうな……そしてエーデルワイスたちからの支援も得られないか。
「とりあえず、まだ時間は少しあるから対抗策を考えるしか無いな」
「暇な人集めて作戦立てます?」
そうするか。
「あかねと有次、二葉はここに残ってくれ。他の班の人も担当を決めてくるように。それと矢一には絶対来るように言っといてくれ。集合は会議室で」
分析とか色々してほしいしな。
「了解‼」
「じゃああかね、あとは頼む」
「分かった‼」
「……というわけだ。追いつかれるのは今から約2時間ほどだ。それまでになんとかしなければ流石にマズイことになってしまう」
「それはそうだな……」
「流石にやばいだろそれ……」
「それで、優木はどうするんだ?」
どうしようかねぇ……
「宗光はどう考える?」
「俺か?とっとと逃げりゃぁ良いけど、それは出来ないんだろ?」
「あぁ」
「じゃあ、足止めしないといけないよなぁ……」
「どうやって足止めしますか?」
そうなんだよな。こっちに一切被害を出さずにしなければいけないからな。
「待ち伏せと奇襲攻撃ですかね、やっぱり」
「だろうな」
「どうやってやるんですか?」
「1番現実的なのは、一撃離脱だろうな」
「でもそれだととっとと逃げなければいけないからネリネでの攻撃は無理だよな?」
それはそうだな……
「飛行隊に任せるか……宗光、行けるか?」
「死にに行くわけではないだろ?」
そりゃそうだろ。
「もちろんだ」
「……分かった。みんな、良いか?」
「やるしか無いでしょうね」
僕も出るか。
「広海と矢一」
「はい」
「今すぐIと一緒に具体的な作戦を考えてくれ。出撃するのは、飛行隊6人と僕の計7人」
「分かりました」
「良いのか?」
「多いほうが勝率は上がる。それとメカニック班、矢一に武器とか色々伝えてくれ。1番効果的なものを使いたい」
「分かった」
「よし、作戦は矢一の物が来て僕がみて承認したら即始める。総員、準備をしてくれ。ネリネは作戦開始後もそのまま逃げてくれ」
「飛行隊の燃料は足りるの?」
それはあったな。
『行きは増槽を付けていけばなんとかなるはずです。何より、エンジンはMN超合金を使っているのでそこまで必要ないです。速いですし』
ならいけるか。
「これが作戦概要です」
「よし。……これが最善なんだろうな」
「はい」
作戦としてはこうだ。飛行隊出撃後すぐに、予め設定しておいたポイントでネリネがミサイルを放出する。でも敵艦には向けずに一旦そのポイントで待機させる。飛行隊もその近くで隠れて待機。
敵艦がそこを通り過ぎた時にミサイルを起動させて敵艦に向かわせる。そして混乱しているところに飛行隊がそれぞれ1隻づつ、合計7隻にDパーツの強化型キャノンをぶち込む。そしてすぐにブースターで離脱するということだ。増槽は付けなくてもネリネから発艦したらすぐに待機するだけだからいらないんだな。7機なのは僕も出るからだ。
「分かった。ありがとう」
「いえ。頑張ってください……」
「あぁ」
ま、これでだめだったらだめなんだろうな……よし。
「艦橋班‼」
『はい‼』
「総員に通達、レッドアラート、レベル5‼作戦は各端末に送られている概要を参考にしてくれ。飛行隊は10分後にスクランブルする。ネリネの指揮はこれよりあかねに任せる。艦長コード移行」
『了解しました‼』
『優木、頑張って‼』
さて、始めようか。




