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No.049 ワイダム連合国混乱

ワイダムも何か……

 

 「……見事に穴が開いてるな」

 「そうね……」

 ワイダム本国に帰ってきたはいいものの、降下部隊の状況はあまり良くなかった。最新鋭の超大型艦である降下部隊旗艦の横にいた何隻かは大破して航行不能になっているし、旗艦には見事に横に大きな穴がポッカリと空いている。まああっちからしたら30隻近くで出ていった部隊が半分ぐらいになって帰ってきているからびっくりしているだろうな……

 「ブルージェ様、ウィズダム様、入港許可が出ました。遊撃部隊は第3地点へ降下せよとのことです」

 「よし分かった。入港してくれ」

 「イエッサー‼これより本艦隊は入港する。総員、入港の用意‼作業に掛かれ‼」

 「それにしてもあの戦闘挺たちは何をしているんだ?」

 「訓練中のようですね。なんでも高等部の子どもたちも今回の作戦で集められたみたいです」

 「そうか……」

 なりふり構わず駆り出されるのかよ……



 「艦長、降下艦隊より入電です。入港後、副司令閣下、ブルージェ、ウィズダム、ベイズ様は総旗艦ホーネストに出頭せよとのことです」

 「了解した」

 「入港完了。ブルージェ様、ウィズダム様、副司令閣下、移動用の小型艇に移乗して下さい。ホーネストまでお送りします」

 「ありがとう」


 「閣下、4名とも到着しました」

 「ああ」

 「失礼します」

 「4人共ご苦労であった。もう1度、侵攻に関しての報告を聞かせてもらおう」

 「では私からお伝えいたします」

 「副司令、よろしく頼む」

 「はい。今回の被害としては、戦闘艦30隻、補給艦4隻での部隊となりましたが、被害は撃沈16隻、中破12隻、小破6隻です。損害率は47%です」

 「そうか。敗北ではないが手痛い引き分けだな。……準備に時間がかかりすぎたのか。あの被検体達は飲み込みが早いな」

 「恐らくは寿命のためもあるんでしょうね。それとあの方たちが欲を出して詰め込んだ結果でもありますね」

 「それがこれか……これで侵攻して大量に手に入れれば更に我らの進化への道筋も見えてくるというのか……」

 「……とりあえず話を進めさせていただきます。今回の侵攻でオリジンは圧倒的に強くなっております。特にあの新型艦は、新人特有の癖がありますが、それ以上に装備と人員が上手く噛み合っております。また、あの星系魔法国家と同一の素材が使われておりますが、あそことの直接な関係はほぼ無いかと思われます。現時点であれを使っているのは3隻のみしか確認されておりません。また、ー部にしか使われておらず、まだ扱えないのかと思われます。試験的にアンチレーザーを使いましたが、効果は限定的になっております」

 「そうか……必要ないのか?」

 「いえ、無いとは言え不測の事態に備えてすべての戦闘において展開しております」

 「了解した。各々の行動記録はこちらでも情報が取れているので問題ない。君たちは今回の降下作戦には参加しなくて良い。他艦隊とともに惑星防衛任務に当たってくれ。どうも最近きな臭そうだからな」

 「イエッサー‼」

 「副司令は私とともに降下艦隊での出撃となる」

 「分かりました」

 「それでは副司令以外は帰って休んでくれ。詳しいことはまた通達されるはずだ」

 「はい。失礼しましす」



 「司令閣下。この船の外を見ましたが、何かあったのですか?」

 「あぁ、厄介なものだ。いつものごとく反乱分子がこの船に爆発物を撒きよった」

 「外で何隻か大破していますが、それにしてはこの船は何もありませんね?」

 「そりゃそうだろ。これはオリジンの大気圏へ突入できるように設計されているのだ。特殊な防御隔壁があるおかげでそのブロックでしか被害は起こらなかったよ」

 「そうですか。作戦についてもう1度聞かせてもらっていいですか?」

 「あぁ。実にシンプルだ。敵と艦隊戦をして、総旗艦とその随伴数隻で地球へ降下する。小型戦闘挺は降下するものだけ特別仕様の、地球の重力を受けない装備をしたものを使う。ついでに単体での突入も理論上可能なような設計だ」

 「そうですか。戦闘挺はどうやって降下させますか?」

 「そもそも降下をさせない。戦闘挺は地球に降りてから出す。あれは地球での制圧用に使う。最悪の場合、まとまった都市を1つか2つ制圧して被検体たちを獲った後、全部リセットさせてもいいしな」

 リセットか……普通に原始文明にまで焼き殺すだけだな。と言うかそれほどの人数集めれたのか。

 「学徒兵も入れた」

 「分かりました。それでは失礼します」

 「あぁ」



 「……オリジン方面軍艦隊司令、今回の件について副司令に何も処分しないのかね?」

 「被害があまりにも大きすぎるんじゃないのか?」

 「副司令についてはあまり危険性を感じていないようだが」

 「我らのことについても良く言っているようには思えん」

 それは知らないです。

 「今回の遊撃部隊の任務は敵艦隊の削減です。艦隊は半分が失われましたが、それと同じく敵も大半が沈めることが出来ました。本命は我が降下部隊です。今のところ問題ありません」

 「そう言えばそうだったな」

 「しかし今回の旗艦襲撃に関しては看過できないな」

 「最近不穏な動きが目立つようになってきている」

 「そして我らに敵対しようとする輩が多い」

 「そのおかげで侵攻に遅れも出てきている」

 「遅れについては目下不眠不休での修復をしており、あともう少しで完了します、問題ありません。反乱を起こしたものについては、射殺、幹部の粛清、怪しいものについても処分しました」

 「そうか」

 「それで大丈夫なら良いのだが」

 「とりあえずその事件については理解した」

 「今後も我らのために尽くしてくれ」

 「了解しました」



 「……司令は白だな」

 「副司令についても言動に気になるところもあるが、白と言っていいだろう。と言うか何も知らないだろうな」

 「他の3人については?」

 「……グレー」

 「少し怪しい動きがあるし、ブルージェに至っては黒に近いだろう」

 「同じくウィズダムそうだろうな」

 「しかしそいつ等は我が国にとっても重要な手駒である」

 「まだ泳がせていて良さそうだな」

 「しかしその下は切っていかなければ」

 「その準備をしようか」

 「私がしましょう」

 「星を失ってから激しくなってきているな」

 「そろそろ大量粛清としようか」

 「姫と勇者が失踪し、星がなくなって早40年。ちょうどいい操り人形が消えてしまってから上手く行かないようになってしまった」

 「どちらにしてもあの2人は近年稀に見る者たちで扱いづらかったからちょうどよかったのでは?」

 「そうだな。どちらにしても我らは脅威にさらされていたかもしれないな」

 「壁をぶち壊してもまた壁が現れる」

 「我ら何万年と生きている者にとっても、慣れないものだな」

 「この人工機械もいつまで持つものか」

 「それを気にしていたらきりがない」

 「目下のことに集中しろ」

 「進化のための、あの被検体共なのだ」

 「上手く取れれば反抗できるだろうな」

 「興味深いものも持ち出してきているからな」

 「魔法に囚われている奴らと同じ素材か」

 「あれも少し気になる」

 「しかし因果はないそうだからな。まだあの道をこじ開けられることもないだろう。……どこから湧いてくるのかもわからない連中とはずっと戦争しているが、そろそろ決定打を打ちたいものだ」

 「そうだな。他の星系国家にも一泡吹かせそうだ」

 「これで終わればよいのだが」


PV9000ありがとうございます‼

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共通テストまで試験ないぜやった‼(勉強は毎日だが)

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