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No.040 救援

いよいよ戦闘だって。

 「さて艦長、先程の件について申し開きがありますか?」

 今僕が拘束されているのは艦長室。本来艦長が座るべき場所には二葉が座っており、僕は床に正座させられている。僕の横には広海もいる状況だ。

 「広海、お願い」

 「分かった。二葉、これが当時の映像」

 「ふむ、これは……」

 別に僕から何もしていないよ?

 「艦長が梨奈ちゃんに言い寄っているような気がするのだが?」

 ……どこでそんな映像になったんだ?

 「見せてくれ。」

 おーん……その映像を見ていると、二葉が言っていることとは真逆の構図となっていた。

 「この映像のどこを見ればそうなるんだ?」

 僕と見ている世界が違うのだろうか?

 「これならば合成映像作っておけばよかった」

 やめてくれ。映像合成なんてマズイだろ。

 「艦長に後で私がここから作った合成映像渡しますから」

 「梨奈に悪いだろ……」

 気にしていなさそうだけど流石に可哀想。

 「それは良いとして、これで何も問題はないだろう?診断結果も聞かせてくれたし」

 「むぅ……」

 何で納得していないんだよ……

 「艦長が上半身脱がされたところで止めるべきだった」

 もともと泳いでいたので上半身晒すのには慣れているんだよ。

 「何でそこまでして追求しようとしているんだ?」

 「まぁ、それは……」

 「艦長たるものがあんな格好をしてあそこで覆いかぶさられていたらマズイでしょ?」

 「そう‼絶対ダメ‼」

 「何かあればIちゃんが止めるか報告するだろ」

 「まぁそれはそうですけど……でも、流石に私室とかは見れないのでもしかしたら……」

 やめてくれ。まだしばらくはそういうことはないと思うが、いずれ問題になるかもな。

 「それはまたいずれ来るかも知れないが、今ではないだろう……」

 そもそもすぐにそこまで発展するようなことはないと思い……たい。さっきちらっと聞いたしな。


 しかしそんな呑気なことをずっと考えている余裕は、無かった。



[ビーッビーッ]


 この音慣れないんだよないつも……慣れたら慣れたら問題があるが。警報音がなったことで、艦長室にも緊迫が走る。

 「優木、電話‼」

 「ありがとう‼」

 敵が来たか⁉

 「何事だ‼」

『優木‼哨戒部隊より急報だよ‼敵は10隻でこちらに侵攻中です‼』

 「ネリネは発進できるか?」

 「聞いてみます‼」

 「二葉、広海、すぐに艦橋へ行くぞ」

 「「了解‼」」

 いよいよ来たか……



『くるみだ。ネリネは89%完了している。他は些細なところだけだ。無茶はあまりしてほしくないが、10分後に出港できるようにする』

 「ありがとうございます」

 ほとんど完成させられていてよかったな……さつき野人たちのおかげだ。

 「総員に告ぐ。本艦はこれより戦闘宙域へ向かう。さがみとの切り離しは12分後‼その後、本艦は最大船速で発進する。総員、戦闘配置‼レッドアラート発令、レベル5‼」

 「了解しました。エマージェンシー。総員、戦闘配置。本艦は10分後に発進します。目標は戦闘宙域。レッドアラート発令、レベル5です。飛行隊は待機をお願いします。戦闘機はフルウェポンズ、C,Dパーツを装備してください」

 「艦長、エンジン出力上げるね⁉」

 「頼む」


『Iよりです。敵映像をキャッチ。敵は、旗艦と思われる青の船を先頭に、中型艦3隻、小型艦6隻で来ております。こちらに来た最後の映像を解析したところ、戦闘力はどれも我らより高い上に、見たことのないものを積んでいる船があります。恐らくは大型のエネルギー砲の類いかと』

 えぇぇ……嫌だなあ。

 「どの船についている?」

『ベージュの中型艦2隻です』

 2門もあるのかよ。というかよく調べられたな。

『1つ困ったことは、おそらく、他の船はこのことを詳しく知らないと思います』

 それは問題だな。こちらは最新鋭の船で、レーダーもスキャナーも他より何倍にも優れているからな。

 「分かった。有次、通信して伝えておいてくれ」

 「分かりました」

 「こちらは何隻が向かっている?」

 「現場宙域へは17隻が向かっています。私たちを合わせると18隻ですね」

 数だけではどうにもならなさそうだな。今回は多分敵もお尻に火がついているような状態だろう。なんて言ったって、あれだけ沈没させられたらどんな行動に出るか分からないしな。



 「ネリネ、発進準備完了しました」

 「よし、ネリネ発進。針路変更、取舵120、下げ舵20。最大船速で宙域へ向かう‼スタビライザー展開、ハードドライブモード‼」

 「了解。針路変更、取舵120、下げ舵20。エンジン出力最大、最大船速」

 「スタビライザー展開。ハードドライブモードにチェンジ‼」

 「戦闘宙域まであと18分」

 「おい近いな?」

 もうちょっと先のところで始まるかと思った。

 「なんかそうですね。ただ、この陣形を見るに敵は戦闘艦をことごとく撃破させていくつもりなのかと思います」

 「あっ‼交戦し始めました‼」

 「アジア地区軍の船、1隻撃沈。クルーは緊急脱出装置を使って脱出しました。アフリカ地区、1隻大破、航行不能。いや、撃沈されました。クルーは1部しか脱出できなかった模様」


 始まったばかりだぞ⁉悲惨だな……毎度こんな事を聞くが、次は僕らかも知れないと思うとゾッとしてしまう。何せ僕が1つ命令を間違えれば、もしかしたら全員死なせてしまうかもしれない。たまにそんな事を思って吐き気がするんだよなぁ。この戦争が始まってからずっと。

 「艦長‼新しいヨーロッパ地区のフローレスが袋叩きにあっています」

 「……どういうことだ?」

『詳細は不明ですが、1部の船がフローレスを執拗に追いかけ回しています。船は旗艦級と、もう1隻ベージュの隊の船が2隻、行ってます」

 「他の船は救援をしていないのか?」

 「はい」

 何で誰も救援をしないんだよ。

 「15歳の子が乗っているというのに……」

 「他の人達も余裕がないんですよ」

 「どれぐらい持ちそうだ?」

 「持ってあと6分です」

 おいそれだけかよ⁉

 「あと何分でこちらは着く?」

 「あと9分です」

 「もっと早く行けないか⁉」

 「無茶言わないで‼こっちもこれでギリギリなのよ‼」

 分かっているけれども……


 「一応あの船には、ネリネとは違ったものが用意されているので、いくらか持つと思います」

 「何があるんだ?」

 同型艦だからちょっと気になる。

『まず、フローレスには特射砲を付けることができないので、それがない代わりに、私たちのスタビライザーを小さく切ったものを3面に付けたバリア装置が付けられています。このおかげで、前方への最大防御力はネリネの3倍です」

 3倍ってすげぇな。

『スタビライザーは少し小型化されていて、性能は落ちていますが。それと、艦橋は貴族用の艦橋に変更、戦闘機の発進口は、発進待機のための部屋が改造されていて、90°回転できるようになりました。空気の出し入れもより少なくさせるようにし、カタパルトはネリネのような複雑な展開式を廃止して、壁に直接射出機を付ける方法に戻されましたね。他はまぁ細々とした違いですね』

 意外と大幅に変わっているな。



 「艦長、フローレスより直接のSOS信号を受信‼」

 「到着まであと5分です。フローレスのバリアももうちょっとで破られそうです」

 「ネリネはもう無理だな。」

 しゃあないか……

 「よし、飛行隊を出す。直掩の2機以外は全てフローレスへ向かってくれ」

 「分かりました。飛行隊、スクランブル。直掩の2機以外は全てフローレスの救出へ向かってください。発進シーケンスを開始します。1,2番カタパルト展開、サポートアーム接続、発進用格納庫、展開完了。全システムオールグリーン。針路クリアー、全機、順次発進どうぞ」

 「飛行隊到着予想は1分半後です」

 頼むぞ……

 「他の船の状況は⁉」

 「敵は2隻撃沈、1隻大破。こちらは6隻撃沈です。ながらもやられました。乗員は緊急脱出装置で逃げ延びたそうです」

 大破した船も撃沈させていたからな……

 「3分の1が喪失か……」

 被害が多いのが気になる。いやだな。

 「増援艦隊は?」

 「順次出てきています。というか出せるものはすべて出て来ています」

 持ってくれよ……



 「艦長‼4機ともフローレスへ行けました‼敵機体と交戦中‼」

 そう言えばフローレスの飛行隊はどうしているんだ?

 「フローレスの飛行隊も、ほとんど撃破されています。6機中5機」

 おーん……

 「脱出は?」

 「ノーズでの脱出1、射出座席より3」

 1人亡くなってしまったか。

『艦長、不審な動きをキャッチしました。さっきの2隻よりエネルギー反応の増大をキャッチ。予想攻撃目標には味方艦7隻が入っています。大破予想は3隻です』

 多くねぇか‼

『2門ある上に、ほとんどの船が軸線上になっています』

 「有次、すぐに該当艦に退避を伝えろ‼」

 「優木、射程にはフローレスと飛行隊のみんなも‼」

 「散開させろ‼急げ‼」

 間に合わないか‼というかもう無理か⁉


いつもの時間よりだいぶ遅れましたね……

(公募推薦の出願してたんですユルシテ)

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