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No.037 会議とネリネの評価

会議だって。

 

 「好井艦長……かね?ちょっといいかな?」

 「はい。何でしょうか?」

 会議室に入った途端、何か如何にもthe艦長っていう感じの貫禄の有りそうな人が声をかけてきたんですが……

 「いやなに、君たちは初陣にしては戦果がすごいからね」

 「ありがとうございます」

 「私は上田康彦。ながらの艦長をしているよ」

 「私は好井優木、DP隊ネリネの艦長です。」

 ながらの人か。

 「いやぁ、お父様に似ているね。性格も似ているのかね?」

 「そうですね。両親によく似て優しいと言われます」

 「そうなのか。……君はこの戦争に参加させられてどう思う?」

 いきなりヒソヒソ声になったぞ。

 「そうですね。今のこの状況での人手不足、宇宙での適任者等を考えれば仕方のないことかと」

 「本音では?」

 やっぱり見抜かれるか。

 「なに過去の人たちが呑気に戦争した行動の尻拭いを僕達に押し付けてるんだよ。僕ら何も悪いことしてないじゃないか、という感じですかね」

 地球で世界大戦なかったらもうちょっとマシだったろうに。

 「ハッハッハッハッ‼ぶっこんだことを言うなぁ‼そうだろうなぁ‼俺たちみたいな軍に志願してないもんなぁ‼」

 だって事実だもん。本音だもん。にしてもめちゃくちゃ笑っているぞこの人。

 「まあでもこれも何かの縁ということですし、ネリネ隊のみんなも士気は高いですし、優秀な人を集めてくれたおかげでなんとかなっています」

 「そうかそうか‼それは良い‼話し方もよし、態度もよし、ちゃんとしている‼何かあったら私を頼りなさい‼坏土くんが噂を流しているようだが、言い返しはしただろう?」

 「それはそうですね……」

 「まあでもなにか無礼は働かないだろう。噂は間違いだろうな。ただ君は目をつけられているから、後ろから撃たれないようにしないとな‼君の戦いを見てみたが、斬新だし、あの船の特性を最大限に使えていて俺は好きだぞ‼ただ少し前につんのめってしまっているような節があるからもうちょっとセーブしないとなぁ‼俺としては君の部隊は面白いし、もっと強化して、単独での任務も行えるようにしたら面白いだろうな‼それか俺のところに来ないか⁉タッグ組んで各地区の基地とかを回って監査することもあるが、君たちといると楽しそうだ‼」

 めちゃくちゃ喋るなぁ……僕としても面白そうだけど。

 「そうですね。僕も上田艦長といると楽しそうです」

 絶対飽きなさそうだし。部下の人にとっては絶対色々されて疲れてそうだけど……

 「まあ私としても君たちの活躍に興味が出てきたし、頑張ってくれたまえ‼」

 「ありがとうございます」



 「好井さん」

 「長岡さん‼」

 久しぶりに会うなぁ‼

 「久しぶりだね。調子はどうかい?」

 「みんな元気にしております。長岡さんもお久しぶりです‼」

 「うん。最近は私が指示を出すよりも本部からだったり司令からの指示が多いからね。しかもあちこち行っているし」

 「そうですね……」

 「とりあえず、久しぶりに顔を見れてよかった。席に着こうか」

 「はい」


 「みんな揃ったかね?」

 ちょうどその時、好井司令、お父さんと秘書の人が入ってきた。

 「いないのは今任務に出ているよどとDP隊のダリア、アイリス、クインスか。みんな席についてくれ」

 そう言うと僕達は敬礼をして席についた。

 「うん。今回呼んだのは他でもない、戦果の報告と今後の対応だ。まず、我ら日本地区で撃沈された船がいないことは喜ばしいことだ。また、特にネリネはDP隊に入って数ヶ月だが、宇宙軍でみてもここまでの戦果を挙げて活躍していてなりよりだ。とは言え、他の地区でも何隻も撃沈している船が出ていたり、大破している船がいて、中には脱出できず船と一緒に爆発に巻き込まれて亡くなってしまった人もいる。はっきり言うと、ここまで被害がないのは奇跡だ。しかし、これからもこのままというわけにはいかないだろう。最悪の場合、この中の誰かが次に集まったときにいないかもしれない。そのことは忘れないように。今上手くいっていても、それで得意げになって失敗するかもしれない。だからみんな気を引き締めて行動してくれ」

 これは僕らに言っているのかな。たしかに今のネリネの状況は奇跡的に近いからな。みんなにも気を引き締めて行動するように言っておかないとな。


 「質問です」

 突然そう言って手を上げたのは坏土艦長だ。

 「ヨーロッパ地区の新型戦艦は日本地区のネリネとの姉妹艦との話があるのですが、それは本当ですか?」

 それは気になる。

 「事実だ。あれは日本地区で作ったネリネを元にして作られている」

 「あれは子供にしか扱えない船としか分かっていないのに、ヨーロッパ地区はそれを前提に作ったのですか?それを知っていて好井司令は技術供与を承認したのですか?」

 そこまで言うか?

 「それはヨーロッパ地区の問題だ。とは言え、我らは世界連邦軍だ。地区で分けられてはいるが、実際は1つの軍隊だ。技術供与もなにもないだろう。我らはもう日本という1つの国ではないのだからな」

 「それはそうですが……」

 「とりあえず、レイザ嬢は訓練も受けているし、バックアップとしての存在ではあったが、こうなった以上、レイザ嬢も参加すると言っているらしい。ヨーロッパ地区軍はそれを承認した」

 「直ぐに実戦に出すんですか?」

 「おそらくは。ただ、他のクルーは比較的若めとは言え、しっかりとした軍人だ。ちゃんと補佐してくれるだろう。私のところにも挨拶が送られてきたし、芯もしっかりとしていて問題はなさそうだ」

 そうなのか……ということは僕の後輩になるのか。1回会ってみたいな。

 「報告の最後に、今回大幅な敵の削減と、最初のおそらく敵は挟撃作戦を実行しようとしていたのだろうが、それを阻んだネリネ隊の階級を、全員1階級上げようと思う」


 え”っ⁉


 「それはいくらなんでも早すぎませんか?」

 と言って嫌な顔をしているのはまたしても坏土艦長だ。

 「俺は良いと思うな‼」

 笑いながら言っているのは上田艦長。めちゃくちゃ気に入られたな……

 「私は戦果としては申し分ないですが、もう少し実戦を積ませてからのほうが良いと思います」

 これはさつきの艦長。他は隼華さんは賛成して、他の人は悩んでいる様子だった。まあそうだろうな……いくらここの軍隊があやふやとは言え、そんなホイホイ上がれるものではないし。

 「分かった。こんな話をして申し訳ないな。正式な階級を上げるのはこの戦いが終わってから改めて考えよう。しかし、戦時階級として1階級上げる。これはネリネがこれからも活躍してくれることの期待、それと見ている限り、ネリネは単独での行動に適してそうだし、これから少しでも行動に支障が起きないようにと思うのだが」

 これについては坏土艦長以外はまあ概ね良いだろうということだった。どこまでも反対するなぁ……まあでも賛成多数ということで、戦時階級として特例で上げられることとなった。給料、上がるなw


 「次に今後の話なのだが、基地を強襲は、敵の仮設基地の防衛能力が予想以上で阻まれていたので、今は防衛に専念することとなった」

 「基地をもっと叩かないんですか?」

 「叩いて戻したとしても、被害が大きくなるのは目に見えているし、敵はもっと戦力があるはずだ。そのためにもこちらのフィールドである地球近くの宙域のほうが、守らなければならないとは言え、まだ分がある」

 「毎度思うのだが、防衛するのは良いが、攻撃側はいつでも撤退できるが、こっちは撤退できないからなぁ……」

 戻ったら地球で、そこを守るために僕らは戦っているからな。

 「そうなのだ……苦しいと思うが、頑張ってくれ」

 「地球からの補充戦力は?」

 「日本地区からはゼロだ」

 えぇ……

 「うちら軍のお偉いさん方はどうせ他の地区も一緒に守ってくれるだろうと言って、放置されている状況だ」

 「いつもどおりか。これだから役所上がりの金と政治の事を気にしている奴らは……」

 空気が重いなぁ……

 「とりあえず、いつ敵が来ても良いように、各員気を引き締めて行動してくれ」

 「了解‼」


 まぁた忙しくなるぞこれは。


いいね、高評価お願いしまぁぁぁす‼(ゼェ…ハァ…)

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