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No.032 ネリネ早くも危機

そのまま突っ込まないでほしい……

 「飛行隊は全機発艦させました」

 「敵からの戦闘機の発艦は?」

 「まだありません」

 敵はまじで最大船速で突破する気なのかよ。

 「よし、進路はそのままで。カタパルト収納。最大船速」

 「敵艦依然接近中。矢じり状になってこっちに向かってきています」

 「最大船速のままで向かってる。このまま地球まで突っ走るつもりじゃない?」

 「それは嫌だな」

『進路予想だと、一番近くにはアメリカ基地があります。恐らくそこへ行くかと』

 このままここを抜けられればアメリカ基地に被害が出るな。

 「右舷後方よりヨーロッパのビルへリアが来ています」

 「協力してくれるのか?」

 「はい。作戦はあるのかと聞いています」

 「まずはこっちが特射砲で敵戦力を削ぐと伝えてくれ」

 「分かりました」



 「あと30秒で特射砲の射程圏内です」

 「広、発射体制をとってくれ。目標、敵左舷方向の4隻。固定モードで使用する」

 特射砲撃つのは初めてだな。どれくらいの威力なんだろ。特射砲はDP艦にしかない装備だ。まあ特射砲はエネルギーを馬鹿使うので、主に後方支援のDP艦隊が持っている。作るの大変らしいし。

 「特射砲発射シーケンスをとります。特射砲展開。砲身延長。ビームプロテクションを作動させます」

 「二葉、メインエンジンの切り替えよろしく」

 「分かってる。メインエンジン、特射砲への回路に切り替えします‼」

 「最終射撃体勢に入ります。リング形成完了」

 「射程圏内に入ります。最終調整完了、いつでもどうぞ‼」

 「総員、対ショック姿勢‼飛行隊、ビルへリア、あと追撃艦にも退避を命じてくれ」

 「了解。総員に通達、これより本艦は特射砲を発射します。総員、対ショック姿勢」

 「僚艦に告げる。これより本艦は特射砲を発射します。射線上にいる味方は全て退避してください‼」

 「総員、退避完了しました‼」

 「よし、特射砲、発射‼」

 「はい‼」


[ビーー]


 チートだろこの武器‼こんな物高校生に持たせて良いもんじゃないだろ‼もし歯向かわれたらどうするつもりなんだ‼メチャクチャすぎる。まあ威力でかいから遠くから撃って削る感じなんだろうけど。

 「敵、2隻撃沈、3隻大破を確認」

 「上手いことやれたかな」

 「いつでも最初にこれを撃てばもう済んでしまうんじゃないの?」

 「そんな事してみろ。しばらく色々撃てなくなるんだぞ?守るものが無くなってしまう。しかもちょこまかと動かれたら当たらないんだぞ?」

 「この船は大丈夫そうですけどね……」

 「色々パワーアップしてるからな……この船って。でも主砲とかメインエンジンとかエネルギーをたくさん使うものは5分程度は使えなくなるしな」

 犠牲になるのは主砲とメインエンジンだけだが。……まあちょっと痛いけどなぁ。要のいくつかがなくなるのは。こういうの撃つ時って戦闘中だろうから。

 「それに、そんな物ほいほい使ったら際限なく相手の怒りが増えていくしな」


 「……敵残り5隻が全速力でこっちに来ています」

 「ほらな……」

 「あぁ〜」

 「敵発砲‼これブチギレてますよ⁉」

 「回避しろ‼耐ビームミサイル発射‼副砲も撃て!」

 「了解‼」

 「ビルへリアは横から撃つそうです」

 「正面はこっちでやれというのかよ……」

 「まぁ自分たちが撒いた種ですよね」

 「主砲発射できるまでは?」

 「あと1分30秒です‼」

 「のらりくらりと呑気に回避出来る時間は?」

 「あと1分。私たちを抜けられるまでは1分40秒‼」

 「1分後、本艦は急速停止。その後180°回頭‼最大船速‼」

 「なんで⁉」

 「敵と同じ方向で速度を合わせて動くことでよりぶち込めるようにするんですよね?どうせ主砲は撃てないですし」

 「逆に私たちは5隻の砲口を受けることになる」

 それが問題なんだよなぁ……

 「横からビルへリアがどれほど頑張ってくれるかだな」

 「敵との交戦まであと1分です‼」

 そろそろかな。またぶっ壊れそうだ。

 「よし、全ての隔壁を閉鎖。主砲は?」

 「あと1分でメインエンジン以外完全復旧します」

 「よし、逆進一杯‼」

 「ヨーソロー‼逆進一杯‼」

 「前部スラスター最大。サブエンジン、一時出力カット!180°回頭‼」

 「回頭します‼」

 「サブスラスター最大‼スタビライザー、ハードドライブ‼」

 「敵艦が追いつくまであと50秒‼」

 「副砲、撃てぇい‼」

 「了解‼発射します‼」

 「続いて対艦ミサイル発射しろ。追い抜かれた後は速度同調。撃ちまくれ‼スタビライザー、バリアーモード。広海頼む‼」

 これでなんとかなればいいが、どっちが先に消耗するかな。

 「分かりました。バリア展開します」


 「艦長。飛行隊は外から攻撃していますが、速すぎて目立ったダメージは……」

 「そのまま続けさせてくれ。少しでもこっちから目をそらせてくれれば良い」

 「まもなく追い抜かれます‼」

 「やばい。バリアー飽和します‼」

 「回避‼」

 「無理‼」


[ズドーン]


 「被害報告‼」

 「ダメージコントロール‼左舷第3ブロックに被弾‼」


[ドガーン]


 「またか‼次は‼」

 「サブスラスター、第3エンジンに被弾‼副砲1基沈黙‼」

 「第3エンジンを緊急停止、閉鎖しろ‼」

 「他に右舷第2,12、左舷13ブロックに被弾‼被害甚大‼」

 エンジンに被害か……後ろ見せてる時点で分かりきっていたことだったじゃねぇか。何やってんだ僕。

 「敵5隻抜けます‼」

 「速度同調‼狙えるものは背後から狙え‼」

 「新たな被害‼左舷第4ブロックに被弾‼」

 まずいな。色んな所に穴が空いてやがる。まあでもさっきからまずいまずいとしか言っていないが、まだ中央にまで被害はないし、主要兵装にもない。まだ行ける。

 「主砲復旧、いつでもどうぞ‼」

 「全砲門、速射弾装填。目標、敵5隻‼」

 「主砲発射よし‼」

 「撃てぇい‼」

 「発射‼」

 「敵、速度落としています‼」

 何だってんだ。

 「滅茶苦茶僕らを恨んでるじゃねえか‼」

 それには賛成だ。

 「順次主砲、副砲どっちも撃ってくれ」


 「敵艦停止。敵戦闘機発艦してきます」

 「飛行隊が相手をするって言ってます」

 「分かった」

 「一部戦闘機がこちらに来ます。敵艦5隻もこちらを囲み始めています」

 「まずい‼対空戦闘を頼む。速度そのまま。敵を突破する‼」

 「ミサイル、ビームがじゃんじゃん来ます‼」

 「バリアー、レーザー、CIWSで対処を」

 「了解‼」

 「分かった」

『艦長、iよりお願いします。このままではこちらがやられてしまいます。即座にここを突破することを進言します。』

 だよなぁ……

 「艦長、どうする」

 「1番被害を受けている敵はどこだ?」

 「左舷側です」

 「旗艦は?」

『左舷のもう1隻かと』

 「これより本艦は左舷を突破する。」

 「「「「「「了解‼」」」」」」

 上手くいってくれよ。どちらにせよ、左に行けばヨーロッパの船もいてくれるし大丈夫だろう。

 「飛行隊にも連絡してくれ。左から脱出するって」

 「わかりました」


 「艦長‼」

 今度はなんだ。

 「ビルへリアが……」

 「どうした⁉」

 撃沈でもされたのか⁉

 「いえ、敵の囲いを突破してこっちに来ています」

 えぇぇ……僕らの船の観点から見ているので無茶じゃないかもしれないが、本来、バリアーというものは元々地球には存在しないものだ。今まともに使えるのは最近できたネリネとその1つ前のエーデルワイスだけ。他の船は申し訳程度に増設されているのみだ。

 「ビルへリアより通信。このまま脱出するぞバカ野郎、とのことです」

 だろうな。後で絶対怒られる。

 「そのまま脱出する、飛行隊にも撤退命令を。敵にはありったけのミサイルと砲弾をぶち込め」

 「わかりました。やっと脱出できるな……」

 すまん。僕が色々やったせいで。

 「艦長、反省してくださいね?」

 「悪いのは僕だけじゃないような気がするのだが」

 「みんなでもうちょっと考えて武器の使い方と作戦を考えましょう」

 ですね。

 「艦長、敵も撤退していきます。他の僚艦も続々とこの宙域に集まってきます。飛行隊の被害としては撃墜されてはいませんね」

 「そうか。それは良かった」


 「ビルへリアより通信です」

 なんか言われるか。

『お前らバカか?まあ面白かったけど、次は俺らになにかあったら助けてくれよな‼オーバー』

 「なんというか、おおらかな人だな……」

 「ヨーロッパ地区の船の人って、貴族関係の人だよね?」

『そうですね。昔からの重要な役職の家が担っているそうです』

 「おおらかな人そうだな」

 「もっと貴族って高貴な人なのかと思っていた」

 だよな。


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