表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/74

No.029 会敵

ドンパチしたんだって

 「目標、出現‼」

 「よし。オールウェポンズフリー。主砲、撃てぇい‼」


[ドーン]


 「敵艦に3発命中。目標、中破‼続けて3隻出てきます‼4隻ともバリアーの展開を確認。あとエネルギー反応も多数‼」

 「回避運動‼取舵一杯、レフトターン‼距離を取りつつ、続けて1番3番貫通弾、2番4番そのままに変更‼一斉射してくれ‼」

 「了解‼」

 「ミサイル発射管1番から6番、対艦ミサイル装填。主砲斉射後、続けて撃て‼」

 「分かりました」

 「敵艦発砲‼尚も敵はワープアウトしてきます」

 「中破した敵艦のバリアー消失。続いて命中弾が多数、撃沈確認。他の敵はなおも接近中。数9‼」

 「敵弾来ます」

 「回避‼主砲そのまま‼それぞれ任意の目標に射撃してくれ‼」


 「敵戦闘機の発艦を確認。飛行隊と会敵します」

 「何機だ⁉」

 「25機です。10機は飛行隊と交戦、残りはこちらに向かってきます」

 「ミサイル発射管1番から3番は対空ミサイルに変更‼対艦、及び対空戦闘‼CIWS,チャフ起動、それぞれ隙間を開けないように気をつけながらやってくれ‼スタビライザーバリアモード‼広海頼む‼」

 「了解。これよりバリアモードに変更、個々に迎撃いたします」

『iはレーダーとシステムの肩代わりをいたします』

 AIが喋ってくれるって良いな。分かりやすい。


 「敵艦は1隻撃沈したのであと9隻です。……っ‼」

 「どうした?」

 「艦長‼IFF敵艦コードを識別‼2隻は不明。他は7年前に交戦している部隊です‼しかもその時こちらが1番苦しめられた青い部隊……」

 「まさか特大の景品を用意してくれるとはな……有次、近接戦闘になるかもしれん‼気を引き締めてくれ。二葉‼エンジンとスタビライザーの出力を上げといてくれ」


 青いやつはその機動性を生かして地球の船をことごとく轟沈させていったという。そのためにネリネはその時の反省で少しでも対抗できるようにスラスターを多くし、機動性が上げられている。スタビライザーでの進路調節も可能だ。あとは操舵手の腕と僕や広海が敵に注意しておけばいいな。赤い船の部隊もあるが、そっちは策に翻弄されたらしい。


 「戦闘機15機接近。右舷後方より回り込んできます‼」

 「対空迎撃。近寄らせるな‼」

 訓練だと対空ミサイルとCIWSしか使えずに、バリアーとか迎撃用のチャフとかレーザーとか使えないが、こういう時はぶっ放せるからだいぶ楽だ。頼り過ぎたら何かあったときにこちらが危険になるからそこは注意しなければならないからな。バリアーも、戦艦を6面体とすると、1面の面積ぐらいしか張れないので意外と使いづらい。まああるのと無いのとではだいぶ違うが。ただ、小さくはなるが細かく分割して9個にすることで、360°張ることができる。でも小さくしているから隙間はあるわけだし、そういうのは主砲とかのビームを防ぐ役目を持たせているから、細かいものは他で補わなければならない。


 「敵戦闘機2機無力化。あと13機です」

 「バリアー減衰率は許容範囲内。まだいけます」

『敵艦、更に近づきつつあり』

 「敵戦闘機は1点突破を狙っているのかな?攻撃が1点に集中しつつあります」

 「バリアーとか対空兵器に負荷がかからないように面を変えつつ敵に副砲を撃ってくれ。当たらなくとも避けるために散り散りになる」

 「了解」


 「んん?敵戦闘機が距離を取り始めている?」

 何でだ?なにかあるのか?

 「敵艦移動を開始。包囲陣形を取りつつあり‼」

 「マズイな。包み込んで9隻でなぶり殺しにするつもりか」

 「1つだけ通れそうな隙間が空いていますが?」

 「それこそ罠だろう。飛行隊とも離れてしまう」

 「どうしますか?」

 「優木。俺はあの青いやつといつでも戦えるぜ?」

 何でそんなに好戦的なんだよ……てんりゅうの人に言われたからかな。

 「だめだ。危険すぎる」

 「じゃあどうするんだよ」

 仕方ないというのか⁉

 「艦長‼敵艦の発砲がさらに強くなっています‼それと小型艦1隻こちらに来ます‼」

 「有次、勝たなくていいから負けるなよ?」

 「了解」


 「これより本艦はアクロバット飛行をする。飛行隊には映像を撮っておくように伝えてくれ。僕らの武勇伝は残してもらうとするか。総員、対ショック姿勢」

 「分かりました‼」

 「機動性を生かして敵の主砲を躱してくれ。広、主砲は速射弾に切り替え。旗艦はどこだ?」

『突っ込んできている小型艦かと』

 「分かった」

 「他の船を牽制しつつ、そちらに砲撃が集中するようにしてくれ」

 「了解」

 さて、これで1隻だけで来てくれるかな?

 「敵艦発砲停止。回頭を開始しました。旗艦、さらに来ます‼」

 「遊びに付き合ってくれるのか」

 「他の船は手出し無用ってことかしら」

 こんな事している暇があるということは、まだこっちの増援は来ないのか。すくなくともレーダーはあっちのほうが上なようだし、来たら相応の対応をするだろう。


 「艦長‼来ます‼」

 「頼む」

 「旗艦発砲‼」

 「防ぎつつ応射しろ‼すれ違いざまに対艦ミサイル、チャフ、耐ビームミサイル発射‼その後急速反転‼」

 「了解‼」

 「ぐぅっ‼」

 意外と反動がすごいっ……

 「全部じゃんじゃか撃っちゃって‼」

 「ひぇい!」


[ズドーン]


 「被害報告‼」

 「ダメージ……コントロール‼左舷第2ブロックに軽微な損傷‼」

 「敵も左舷に被弾している模様‼」

 軽微か……僕らやっていることってやばくいな……性能で勝てるはずだ。

 「敵艦急速反転‼あっちのほうが回頭速いです‼」

 「ワイヤー発射‼岩に打ち付けてこちらも急旋回‼」

 「敵ミサイル接近‼」

 「CIWS、レーザー斉射‼こちらも応射しろ‼」

 「敵艦接近‼距離が近い‼最小距離は右舷0.2宇宙キロと推定‼」

 「有次‼バレルロール‼広、主砲1,2,5番ビームに変更、統制射撃‼耐ビームミサイル撃って‼」

 「「了解‼」」


 「来ます‼」

 「撃てぇい‼」


[ズドーン]


 「クッ‼」

 「きゃあ‼」

 「被害報告‼」

 「ダメージコントロール‼主砲1番沈黙‼右舷第3,5ブロックに直撃‼バリア減衰出力65%。後は破片とかが刺さったりかすったぐらいです」

 「敵は⁉」

 「主砲に直撃弾。他にも右舷側に直撃弾もう1発と至近弾多数。他はバリアーとかで防がれました‼」


 「敵艦転進‼他の船も……あっ、私たちがドンパチしている間に3隻来ています」

 「所属は?」

 「ジャミングがまだ回復していないです」

『いや、IFF該当艦。日本地区宇宙軍旗艦さつき及び、アフリカ地区のアクラとラゴスです』

 「良かった。それで他の船はあまりこっちに構っていなかったのか」

 「ですかね」

 というわけで何とか撃退できたな……

 このことで、飛行隊は2番機と5番機が撃墜され、他の機体も被弾した箇所がいくつかあった。ただ、2人共脱出装置を使って脱出したので無事だ。

 「飛行隊帰還します」

 「さつきより入電。貴艦の奮闘に感謝する。一刻も早く報告を受けたいところだが、とりあえず我らが護衛につくので休まれたし。とのことです。あちらが牽引をしてくれるようです」

 「さつきにお気遣い感謝すると伝えてくれ。牽引用のレーザーを受信したらコネクトを頼む。戦闘配置解除。イエローアラート、レベル3に移行。通常艦橋へ戻る」

 「了解しました。戦闘配置解除。イエローアラート、レベル3。戦闘艦橋から通常艦橋へと移行します」

 疲れたなぁ。ゆっくり休もう。


 「休息は半分ずつ。僕らが先に休んでも良い?」

 「分かった。任せておいて」

 「ありがとう、あかね」

 さて、ちょっと他のところを見に行くか。……飛行隊の様子を見に行くのが先だな。



 「みんなお疲れさまです」

 「優木!来てくれたのか‼」

 「艦長……やっぱり実際に戦うと怖いです」

 そうだろうな。戦闘機は何かあったら吹き飛ぶからそうなるだろう。

 「……ごめんな。何も手伝ってあげられなくて」

 「本当にそうだ。僕らは消耗品か」

 貴志それはないでしょ……

 「消耗品じゃないよ。……軍に入った時点でそうかもしれんが。でも、みんなで力を合わせて結束すればなんとかなるとは思っている。みんな優秀だし、もっと訓練すれば上達していく。僕が手伝えることは支援と訓練に付き合うくらいだけどな」


 これは本心だ。みんなそれぞれの得意分野を遺憾なく発揮してくれている。

 「飛行機操縦できるのかよ」

 「あれ?知らなかったのか?」

 「僕も知りませんでした。もっとうまく操縦できれば撃墜なんて……」

 ああ、新地は自分の世界に……

 「……こいつ俺より上手いかもしれん」

 言ってはいないが僕は飛行隊トップの宗光よりもスコアは上だ。シミュレーターでだが。そういうゲームとかアニメは散々見てやったしな。

 「艦長、練習付き合ってくれますか?」

 「いいぞ。2,3機ぐらいなら同時に相手してやる」

 ということで帰ったら練習に付き合うことにした。


 「お前ら‼あっこまでぶっ壊して何呑気にしてるんだよ‼全部の機体がガタガタじゃねえか。もう少し上手く操縦してくれ‼」

 ……半泣きでメカニックの零也が飛び込んできた。まあ怒るのは無理ないか。2機は後ろが吹き飛ばされて無くなっているし、他の機体もぼろぼろになってしまったから大変だよなあ。

 「まあ零也、そこまで怒らんであげてくれ」

 「艦長‼いたんですか。つい……ただ少し資材が足りないので、全機直せるのは少し後です」

 「分かった。白美と尋也と大和にも頼んだって伝えてくれ」

 「分かりました」

 「じゃあ皆はゆっくり休んでくれ」


 というわけで一時解散とした。

 「疲れたなぁ……」


いいねお願いします‼

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ