No.027 哨戒任務
完全にサボってたっす……
色々調査をし始めたみたい。
「艦長、発進許可が出ました」
「よし、本艦は発進後、てんりゅうとタッグを組んで、エンジンを協調させてくれ。協調したらそのまま哨戒宙域へ向かう」
「了解‼」
「艦長、管制より連絡。ルート離脱後、WS-503との協調運転で向かってくれとのことです」
「てんりゅうから入電。識別コードが送られてきました」
「よし、コード入力。ルート離脱後てんりゅうとエンジンを協調させてくれ」
「了解」
「海域到着は3時間後の予定です」
「わかった。今回は哨戒任務だが、調査もしないといけないんだよなあ……」
『私の見解ですと、今回何故エーデルワイスに突っ込んでいったのかが気になります』
おおぅ……すげぇな。
メカニック班に頼んでAIを3Dのホログラムで映してもらえるようにしてもらったけど、完成度が凄い。
名前はIちゃん。自慢ではあるが絵を描いたのは僕だ。意外とうまく出来たな。みんなには感謝。これは一応、艦橋だけでなく、他の主な部屋にも同時につけてもらったので、何かあれば気軽にAIにみんな相談できるだろう。
「何でそう思うの?」
『突っ込んでいくことは狂気じみています。それをするメリットがまったくもってわかりません』
あぁ……無理やりAIをこんな風にしたから感情がまだ理解できないのか?
「人間というのはそういうものやんな。もうだめだと思ってそれなら相打ちにって思ったんとちゃうか?」
『よく分かりません』
「まあ何にせよ、実際に現場へ行って調べないとな」
「どうやって調べるの?」
「どないしよ?皆考えてくれ」
とりあえず、哨戒をしながら、最優先は敵の痕跡があれば良いんだが、敵がどこへ行こうとしていたのかだな。さっきエーデルワイスに突撃したのは自暴自棄と思ったが、まだ余力はあったはずだ。じゃあ何故突っ込んだのかがやはり気になるな……
「誰かが実際に現地へ行って見たら良いんじゃない?」
「……俺らが実際に行ってるじゃん」
「船の中からでしょ?ネリネは最新の戦闘機があるし外に出て探したら?」
「飛行隊に頼むということか?」
「そうなるわね」
「でも専門的な知識は私と早岐君だけですよ?」
『私もです』
あぁ……システム関連で強いのは広海と矢一と我がネリネのAI、iちゃんだけだな。
「誰かに乗せてもらう?」
「そうだな。宗光に聞いてみる」
「優木が行かなくて良いの?」
「二葉、基本的に戦闘機に乗るのは飛行隊。むやみに僕が仕事を奪うわけにはいかない」
船になにかあった時に困るしな。
「そうなのかなぁ?」
「まあじゃあ、実際に現地に行って観測するのは矢一。広海とiちゃんはネリネで情報の分析を頼む。矢一と飛行隊にもそう伝えてくれ」
「分かりました」
「艦長が戦闘機乗って飛ぶところ見たかったですね」
またいずれな。
「艦長、てんりゅうより通信です」
「繋げてくれ」
『ネリネの様子はどうかしら?』
「はい。問題ありません」
『みんな休憩してる?』
「これから2グループに分けて休憩させます」
『ちと遅すぎないか?』
……何で副長まで通信に入ってくるんだよ。
「申し訳ありません。少し決めなければならないものがあったので」
『そうなの。それは何かしら?』
教えて良いんだろうか?
「……こちらの問題ですしたいしたことではないです」
『こっちは心配しているのだぞ‼こっちのほうが立場は上だ。何故隠す‼』
「めんどくさー」
二葉が小声でそういった。ご尤もで。心配しているのならもっと優しく喋って欲しいな。守秘義務もあるし察しろよ。
「ともかく。我が艦は何ら問題ありません」
『分かったわ。私たちからは以上です』
「……面倒くさい人だね」
はぁ……全くだ。
「副長。あの子達の行動についてどう思う?」
「生意気なガキどもですね」
「まあそんなガキに頼っているのは私たちだけどね」
「何であんな奴らなんか……」
「仕方ないでしょう?人手不足なんだから。とりあえず、私たちはネリネと別れた後、こっそりとネリネの動向を探るわよ。何か話していたみたいだし、気になるわ。……なにかあいつを失脚させるすべを考えないと。DPに高校生の新米が入ってくると聞いた時は、操れるんじゃないかと思ったけど、思ったよりも手強い相手というか、もしかしたら強敵になりうる存在になるわね……あの子達」
「わかりました。……あいつらの船を撃沈してぇ」
「やめておきなさいと言いたいところだけど、本当にする?」
「そん時は喜んで撃ちますよ」
「あの船がどこまで脅威になるのかしら。いや、もう脅威になっているかもしれないわね」
「艦長。まもなく訓練海域に到着します」
「てんりゅうより入電。これより単独行動とする。哨戒範囲については予め送られた宙域を調査するように、とのことです。時間は明後日17:00(ヒトナナマルマル)まで」
「了解したと伝えろ」
「分かりました」
「エーデルワイス、ガーベラより入電。哨戒任務引き継ぎの手続き要請です」
「やってくれ」
「エーデルワイスから通信です」
「?分かった。繋いでくれ」
どうしたんだろう?
『お久しぶりね?その後もちゃんと訓練している?』
「はい。隼華さんも元気そうで何よりです」
『ありがとう。これから哨戒任務頑張ってね?』
「ありがとうございます‼」
というわけで、任務が始まった。
「総員、警戒態勢‼イエローアラート、レベル4。これが初任務だ。気を引き締めて任務を実行するぞ‼」
「「「「「「了解!!」」」」」」
「総員、イエローアラート、レベル4発令。これより本艦は、哨戒任務及び、調査を行います」
「飛行隊は2機でタッグを組んで行動してくれ。オプションパーツはCパーツ、Eパーツをそれぞれ付けさせろ。3組に分けれるから順次交代させて任務に当たってくれ」
「了解。飛行隊に連絡、全機2機でタッグを組んでの行動とする。オプションパーツはC,Eパーツをそれぞれ付けてください」
「優木、矢一はどうするの?」
あぁ……忘れとった。
「矢一は誰の飛行機に乗る?」
『僕は隊長さんの戦闘機に乗せてもらうよ』
狭くないのかなぁ?
『こちら隊長機、宗光だ。問題ないよ、優木。メカニック班が改造してくれて2人でも乗れるようにしてくれた』
ゴリ押し感満載だなぁ……
「分かった。頼んだぞ」
「了解」
「1,3番機発進準備よし。……カタパルト展開完了。進路クリアー、各機、発進どうぞ!」
『iより艦長と広海さんへ。これより計測を開始します』
「こちらも行います。空間座標入力。空間の異常検知がないのかと、周辺に不審物がないのか等を調べます」
「頼む」
僕らは周辺を巡回するだけかぁ……暇だなあ。
「僕らも半分ずつ交代して休みながらするか」
「分かりました。総員へ、これより当直での任務遂行とします。半舷休息」
「あかねたちは先に休んでくれ。3時間後に交代で」
「了解しました」
さあ仕事の始まりだ。
「隊長機より連絡。エリア1から20まで異常なし。これから、エリア21から40を調査します」
「よし、そのまま調査を続けてくれ。少しでも怪しいと思ったら報告するように言っておいてくれ」
「了解」
「暇だなあ……」
「何かするか?」
「いいですよ」
ブリッジには3人しかいないからなぁ。
「しりとりしますか?」
「やろうぜ‼」
ちなみに一生やるんじゃないくらい長かった。
「終わらねぇ……」
「専門的なものまでぶっこんで来てるんだからな」
「たまに分からない言葉が2人から言われるから……」
「広海も分からない専門的な事言ってるじゃないか」
「続かないんですもん」
まあそうだな。
「あっ、艦長。隊長機から入電です。……エリア37で僅かな空間歪曲を確認」
何だって……本当かよ。
「分かった。すぐに向かうと言ってくれ」
「了解しました」
「有次、すぐに向かってくれ」
「分かった」
「おーん……」
「俺たちにはよくわからないな」
「ここの数値が違うんです」
「言われてみればそうみたいなそうでないみたいな……」
『考えられることは何かが空間を捻じ曲げたことですね』
えぇ……
「まだ残っているから入ったらどこかに繋がるかもしれないですね」
「艦長行くとか言わないですよね?」
……どうしよっかなぁ。
「なんか言ってくださいよ……」
「艦長、もう1つ気になることが」
「何だ?」
「何かが後ろにいます。限りなく反応は小さくされていますが」
「敵かなあ……一応注意して監視をしてくれ」
もういないと思いたいが。
「分かった」
「みんなも一応配置につかしておいてくれ」
「了解。総員、アラート発令、イエローアラート、レベル4」
「飛行隊はどうしますか?」
「哨戒中の2機は帰投させろ。残りの4機を出す。2機はエリア37の詳細の調査、あとの2機はステルスモードで後ろにいるやつを調べてくれ」
「分かりました。宗光機、幸機は、1番カタパルトに着艦を。2番カタパルトより、4機出撃願います」
まぁ、後ろにいるやつはだいたい誰かわかっているけどね……
しばらくたまに更新になります。




