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No.023 緊急の招集

会議でお父さんとあったんだって。


「……それで敵艦を真っ二つにして轟沈させたのだね?」

「はい」

「それがどういう意味かは分かっているのかね」

「え?」

「たぶんだが敵はこの異常事態にとっくに気づいているだろうね」

「でも攻めてくる予兆はないって……」

「あかねさん。未だに敵は何なのか分かっていないのだよ。今回の船は君たちの報告通りなら透過できる素材を使っていたということが分かった。でも多分それで私達のことを調べていたんじゃないのかな?それならもしかしたらワープだってできるかもしれない」

「敵の船の鹵獲は出来ないんですよね?」

「そうだね。現在のところは鹵獲しようと思ってもことごとく自爆してしまって何も分からないですから」

「何でそんなこと……」

「それは私達にもわからないですね」



そこまでしてストレンジャーは自分たちのことを隠したいのかな?

「とりあえず、今回は事情が事情だし独断で動いたことや勝手に撃沈したことは大目にみますが、始末書は書いてもらいます」

2人でやったらなんとかなるかな⁉

「あぁもちろん1人ずつ書いてもらいますよ?」

「……はい」

「あと、この後ダリアとエーデルワイスが帰還した後、艦長と副長、そして私達指揮官で集まって緊急会議を行います。時間は後ほど送信しますのでよろしくおねがいします」

「「了解しました」」



「始末書って何書けば良いんだよ……」

「そうねぇ、反省文みたいな感じかな?」

やだなぁ……何で初っ端からこんなことになるんだよ。

「とりあえず書くか……」

「そうね……昔によく怒られたときに書いたみたいに書けばいいか」

「宗光と3人で放課後に残って書いてたな……」

というわけで超特急で書いたおかげで20分ほどで書き上げることが出来た。

ちなみに提出した時、あなた達よほど書き慣れているんでしょうねと少し呆れられた。



「あ、ちょうど招集がかかったわよ」

「よし、行くかぁ」

向かった先はだだっ広い会議室だった。中に入ると、前には人の身長の2倍はあろうかというスクリーンと、50人ぐらいは座れる椅子と机が置かれてあり、同じ制服を着た人も前の方に座っていた。



「君たちがネリネの新入りだよね?」

「あ、はいそうです」

「はじめまして。僕は4番艦クインス艦長の日笠力斗だよ。いやぁ最初からこんなんになって君たちも大変だねぇ。怒られただろ?」

「はい。でも始末書だけで終わりました」

「良いよなぁ、長岡さんは。優しいし、前のネリネの先輩たちもちょっとイカれた人達だし、命令に沿わない行動をしていたいて、長岡さんぐらいしか信頼して言うこと聞いていなかったからなぁ」

「そうなんですか……」

「まぁそれに比べうちの指揮官は厳しい人だから変わってほしいよ……」

「あははは……」

苦労が多いんだろうなぁ。

「さて、立ち話もなんだし、僕等も席につこうか。また怒られそうだし。君たちは左の6って書いてあるところに座ってね?」

「分かりました。ありがとうございます!」

なんかDP艦の人達って優しいな。少しすると、どんどん人が集まってきて、長岡さんもやってきた。

「君たちにはまだ何もこういうときの方法とか教えてないから今日は見て真似して聞くだけでいいからね?」

「分かりました。ところでこの会議室広いですね?」

「いや?これが最小だが?まぁ今日はこれの半分しか集まらないだろうね」

えぇ……もっと小さい部屋とか作らないの……宇宙というもので活動しているから規模がでかいのかなぁ?



「まぁ一番最初だけ軽く教えるね?前の向かい側の席に偉い人が来るからその人が来てこっちに向いたら僕達は立つ。そして敬礼。その後あっちも敬礼して座ったら、僕等も座る。よろしくね?」

「分かりました」

「あっ、来たみたいだよ?……えっ」

どうしたんだろう?何であかね後ろ見たまま固まっているんだ?そう思って後ろを見た僕も固まってしまった。

「……お父さんもいるのかよ」

そういえばお父さんは日本地区の偉い人だって言ってたな……

というわけでそれ以外は無事に先生から教えられていた最初の敬礼とかもできた。これが終われば後は聞くだけだ。


「日本地区宇宙艦隊の好井博己中将だ。今回のエーデルワイス大破の状況について私としては非常に危惧している」

てな感じでお父さんが長々と話をした後、状況説明や今後の方針についての説明がされた。簡単に言えば、このことでたぶん敵は動き出すこと、そのためにも警戒態勢をしばらくの間しくことなどだ。

「というわけでDP各隊は正規軍と連携して哨戒任務に当たってもらいます。担当時間や日程は後ほど通達します。以上、解散」



そう言うと、みんなは立ち上がってもう1回敬礼して解散となった。みんなが席を立って帰り始めたので僕等も帰ろうとすると、

「優木、あかねちゃん」

そう呼び止める声が聞こえてきた。後ろを振り返ると父さんと秘書の人なのかな?2人が僕等に向かって歩いてくるのが見えた。途中ですれ違う人達もお父さんに敬礼をしていたので、僕らもする。

「久しぶりだね、あかねちゃん。優木も元気にしてそうで良かった」

「お父さんも」

「優木君のお父さん、お久しぶりです」

「うん。配属されてすぐこんなことになって申し訳ない。しかもいきなり実戦もして大変だったね」

「お父さんもここまで来て大変だよね?」

目にくまが出来ている。

「そうだな。……ごめんな、こんなことに息子を巻き込みたくはなかったのだが」

「お父さんが決めるわけではないんでしょ?」

「そうだな。私は最終決定を下すだけだ。DP艦隊は世界連邦軍日本地区宇宙軍の肩書だが、非正規艦隊だからな」

「え?そうなの?」

「というか宇宙軍自体非正規軍じゃないんですか?」

「ちょっと違うね。宇宙軍は正規軍だけど公式には発表されていないだけなんだ。そのおかげで私達はちょっと特殊な扱いだからね。しかも君たちは高校生の時から死地に赴いて定められしものとして揶揄され続けている。私達が1番人類の存亡をかけた戦いをしていると言うのに。今はまだ良いがこの先反乱が起きてもおかしくないよ。みんな我慢しているけど」

物騒だな……でもそれはやめてほしいものだ。

「ともかく、私が生きている限りこの宇宙軍は安泰だ」

「中将、そろそろ日本地区軍の方へ」

「分かった。じゃあ2人共頑張ってくれよ」

「「はい‼」」



この後長岡さんから、公式な場ではお父さんじゃなくて中将と呼んで来れと頼まれた。まあそりゃそうだわな……

「分かりました。そう言えば長岡さんと好井中将はお知り合いなんですか?前に父さんと話したときに知っているような感じだったので」

「私も博己も昔は宇宙軍として同じ船に乗って戦っていた仲なんです。博己が艦長で、僕が副長として乗艦していました」

「そうなんですか⁉」

「隣りにいた秘書の人も同じ船に乗っていたんですよ?ちなみに私の妻です」

そうなんだ……さらっと妻とか言っていたが、まあそういうこともあるか。

「私達と同じ高校生から乗ったんですか?」

「いや、全員世界連邦軍で働いていたよ。異動で宇宙軍に配属されて同じになりました」

「そうなんですね」

まあそんな訳だから、宇宙軍に理解ある人がトップに立っているから皆安心できるし、あの人は信頼もあるからね。と言って、自分も誇りに思えるよ、と長岡さんは話していた。でもお母さんってこの事知っているのかな?家族にも話せないから知らないのかな。

と思ってまた後でもし会えれば父さんに聞いてみようと思うのだった。



「帰ったらみんなに報告とこれからの事についてはなさないとね」

「そうだな。とりあえず全員招集をかけて色々と報告するか。長岡さんはどうしますか?」

「私は司令室に残って他の軍とのすり合わせがあるので残ります。何かあればまた言ってください」

「分かりました」


というわけで急いでネリネに帰ろう。朝からずっと留守にしていたからな。


ちなみに長岡さんから勉強も進めろというお言葉を頂いたみたい……

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