表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/74

プロローグ 始まりの時

なんかやばいクラスに入ってしまったみたいだぜ‼

 僕は好井優木。世界連邦日本地区に住んでいる高校生だ。40年前、世界戦争以前の47に分かれていた地区は戦争後に7に再編された。統合されたうちの6地区には小坂高校という高校がある。僕はそこへ入学したばかりの高校1年生だ。この僕のとんでもない生活はここから始まった。


 小坂高校、この学校は少し特殊で、特別クラスというクラスが1クラスだけある。このクラスは日本地区全7地区のうち、1地区に1校ずつしかないものであり、その特別クラスは人気の高いクラスらしい。このクラスに入ると基本的にそれぞれの高校では勉強せずに、別の場所で授業をするため、家に帰ることもなく別の場所で下宿をするそうだ。


 まぁ僕がこの高校を選んだのはこの高校が比較的近くにあって、偏差値もそこそこにあるからだが。しかし、まさか自分が特別クラスに入るとは思っていなかった。この特別クラスの選定方法は公式に発表されていない。だから、入りたいと思っても入ることはできない。

 ただ自分は入試の成績がそこそこであったのに入ることができたので、このときは嬉しかった。


 そして特別クラスには僕も含めて25人いる。その特別クラスの仮教室に入ったとき、僕は真っ先にある人を探して見つけ、たあと、その人の元へ歩み寄っていった。あっちも気づいたかな?



「おう!優木!」

 そう声をかけて僕の前に来たのは、親友の時井宗光だ。なんてったって、中学時代からずっと一緒であり、その時からよく話しかけてくれた友達の1人だからな。

「よう、宗光。まさか宗光と一緒に特別クラスに入れるとはな……」

 そう言うと宗光は俺もと笑った。


「しかし、まさかあいつも一緒のクラスになるとは思わなかった」

「それは私のことかしら?」

「うおっ!いつからそこにいたんだ」

「おはよう、あかね」

「優木おはよう。いつからでもいいじゃない。……私がいないほうが良かったかしら?」

「そんなわけないじゃないですかあかねさん」

「ふぅん?」



 そう言って後ろから声をかけてきたのは、僕の中学時代のもう1人の親友、水都あかねだ。昔はよく怖い顔をして他人を注意していたものだから、中学時代特に男子から恐れられていたが滅茶苦茶いい奴だ。

「まあまああかねちゃん?別にいいでしょ?多分喜んでるわよ」


 横から声をきたのは宮日佳代さん。小学校まではあかねと同じ学校だったらしい。入る前から散々あかねに聞かされていたからなぁ……初めて会ったのに昔から知っている人みたいになってしまっている。


「宗光くんと優木くんだよね?どうせあかねはいつもこんな感じでしょう?許してあげてね?」

 とか言って2人は別の席へ行った。


「チェッ。いつもあかねのせいで俺は巻き添えを食らっているのに」

 いや、ほとんど宗光が問題を起こしているから。あかねとは8対2ぐらいの割合で。しかしながらもうチャイムがなりそうな気配がするので、優しい僕は宗光にこう言った。


「もうあと30秒でチャイム鳴るぞ?初っ端から席に座っておかなくて良いのか?」


 そう言うと宗光は慌てて戻ってぎりぎり間に合っていた。もうちょっとギリギリに言っておけば良かったかな?ちなみに僕の知り合いはこのクラスには2人だけだ。他のクラスにはもう少しいたような?そんな事を考えていると、ドアが開いて先生が入ってきた。ん?センセイナノカナ?



 その先生は黒いサングラスに上下黒のスーツ姿で、どこかのSPか裏の組織か逃○中のハンターみたいな、とても高校の先生とは思えないような姿だった。


「おいおい、あんな奴と一緒に授業をするのかよ」

 そう僕に小さい声で言ってきたのは、後ろに座っている高入大和だ。

「でも科目ごとに分かれているんじゃないの?」と言うと、

「そもそも、特別クラスってどこでなんの授業をするのか気にならないか?」

「えっ?」

「噂によると特別クラスになった生徒は特殊な能力があって、その人達はどこか別の場所に生かされるらしいぜ?」


 僕は「まさか……」と言って笑って流したが、あながち嘘ではないのではと思ってしまった。

「これから特別クラスを始めたいと思います。と言ってもまずは入学式です。これは最初で最後の高校でのイベントです。体育館では出席番号順に並ぶように」


 といって黒服の先生は出ていった。入学式が最初で最後なのかぁと思っていると、突然1人の男が立ち上がって騒ぎ始めた。



「俺がこのクラスの会長になる‼全員これからは俺の言うことを聞け!!」

 とかなんとか言い出した。滅茶苦茶だなぁ。しかし僕には誰だか分からなかったので、高入に聞いてみると、

「ああ、あいつは大廣貴志。中学の時はめちゃくちゃ面倒くさい奴で何かと突っかかってくるようなやつだよ。」

「ふぅん……」


 あまり関わらないほうが良いなと考えたが、その直後、僕は巻き込まれてしまうこととなる。

 みんなが唖然としている中、宗光はそんなことはどうでもいいようにこっちへやってきた。まあ僕もどうでもいいし勝手になりやがれと思っているのでいいが。


「優木、行こうぜ。」

 ああ、と言おうとした時、あろうことか大廣は宗光に突っかかりだしたのだ。

「お前、時井宗光だよな。俺の言うことを聞いていたか?」

「悪いが今は優木と話をしようとしてるんだ。お前と話す気はない。」


 と、宗光は横目で見るだけだ。しかしそれが気に食わないのかなんだか知らないが、大廣は

「俺の話を聞かない気なのか?」

 といってこっちによって来た。

「こんな弱そうなやつと話すことなんかないだろ。そんなやつより俺のほうが重要だろうが。」


 弱そうなやつで悪かったなと自分は思ったが、宗光の方を見ると、その言葉でか応戦体制に入ってしまった。僕は後ろでよく分からなさそうにしている高入に、「宗光が怒ると意地でも自分の意見を通そうとするからな……」と言った。まあ傍から見ればちょっと雰囲気が変わるだけでよく分からないと思うな。まあでもいつでも止められるように覚悟は決めとないとな。



 ふと横を見ると、あかねも緊張した面持ちで宗光を見ていた。というのも中学時代に、宗光が本気でブチギレたり、言い争いになったときに止めることができたのは僕とあかねぐらいだったからなぁ。詳しく話をすると長くなるので割愛するが、あかねが男子から恐れられているのと、僕と宗光が中が良いのはこれが由縁だ。


「俺は絶対にお前には従わない。お前に従うくらいなら優木に従う。」

 この時僕はちょっと感動した

「だから優木に手を出したり喧嘩をふっかけたら、お前を殴ってやる。」


 感動したけど暴力沙汰にはしてほしくないな……中学の時に散々ご厄介になったし。隣からもそうだそうだという合いの手が聞こえてくる。みんなは状況がよくわからずに取り残されているな。うん。ちなみにこの時宗光は一瞬こっちを振り向いて驚いていた。後で何だったのかを聞くと、あかねが珍しく俺に賛成していたことについてらしい。あかねにその後怒られていたが。


「ふん、後でどうなっても知らないぜ。」

 と大廣が言ったところでチャイムが鳴り、入学式があるのでみんなはぞろぞろと体育館の方へと向かった。



 入学式というものは暇だ。校長の長い話があるし高校生となって注意売ることも長々と話される。入学式の新入生代表の挨拶は琴丘広海という特別クラスの子がしていたことで、やはり優秀な人が集まっているのではと思ったが、代表あいさつが大幅に省略されているのではと感じるぐらいに短かった。


 それにしても、琴丘広海という子、昔に会ったこと似ているな?気のせいか。入学式前のこともあってか、教室に戻るとみんなピリピリしていた。程なくしてさっきの黒服の先生が帰ってきて、高校生になって初めての授業が始まった。



「これからホームルームを始めます。私は長岡黒矢。世界連邦軍日本支部、特殊作戦部に所属しております。突然よくわからない人が出てきてこんな話をされて驚いていると思いますが、これからの話をさせていただきます。」


 いきなり何の話をしているんだよ……高入が言ったことは本当だったのかよ。

「あなた達には4日後、世界連邦軍日本支部の本部がある1地区にある、とある建物に行ってもらいます。君たちは選ばれたものとして、そこで様々な訓練を受けてもらわなくてはなりません。詳しいことはあなた達のタブレットに送信されていますので、それを見て行動してください。」


 と言われたあと、このことは家族や他人には絶対に話さないこと。これは世界機密に値すると言った。世界機密って滅茶苦茶やべえじゃん……そして僕らは未だに状況が読み込めていないまま、4日後に行けるように準備をするよう言われて解散することとなった。



 まあでもなにかと突っかかる人にとってさっきの終わり方はないだろうね……と思っていると、また事件が起こってしまった。

「おい‼」

 そう行って、大廣は、まっすぐ宗光に席へ向かって、突っかかりだしたしたのだ。当の宗光はその言葉を無視して僕のところへやってくると、「一緒に帰ろうぜ。」と言って僕は半ば強引に引っ張られて教室を出た。これで良いんだろうか……まあでも追いかけてくる気配はないし良いか。



「面倒くさいやつだったね。」

 と宗光にいうと、それよりも怒ったあかねのほうが怖いわ、と言って宗光は帰りだした。

 違いない……

良ければブックマークや評価を頂けると嬉しいです!!

さてはてどうなるのやら……宇宙に行くのはもうちょっと先かな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ