No.015 艦橋班で出かけよう‼ 後編
もうちょっとで船に乗るし、題名ちょっと付け足しました‼
さっき見返して思ったのだが、日曜日も投稿日に入れようかな?
……そんな事やっちゃ駄目じゃん
「広、ありがとう。助かったよ」
「いえいえ、こちらこそ来てもらってよかったです。ただ、中にも見張りがいるみたいで7人ぐらい今はいます」
「どうしようか……」
中を見たいならあれをしなければ。
「まずは広海にハッキングしてもらって様子を見るか。広海?頼めるか?」
「分かりました」
そういうと、広海は端末を出してなにかやり始めた。
「広海どうだ?」
「意外とこれは手強いです。ただのチンピラではないのか機械に強い人がいるのか……」
なんか面倒くさそうだな。あとでとんでもないものとか出てこないよな……
「終わりました。内部映像出します」
僕らが端末を除いてみると、突如として中の様子が映し出された。中は広々としており、その真ん中にはあかねが縛られていた。
「周りに集まっているね」
「呑気にビール飲んでやがる」
「どうする?」
「殴り込もうぜ‼」
「大丈夫なのか……」
「ハッキングして武器類は確認されていないか、全部使えなくしたので今だとできるかも」
僕たちまだ高校生だぞ……勝手にこんなことして大丈夫なのか?
「僕は行きたいです。たまにはこんな事してもいいでしょ」
「俺も行かせてください」
「私もついていきます」
流石にそれは駄目だな……広海は全然運動もできていないから体力ないのに……
「広海は駄目だ。危険すぎる。まずは3人で乗り込むから広海は隠れて外から誰も来ないかと中の様子を探ってくれ」
「今回ばかりは俺も賛成できないな」
「そうですね。危険すぎるので艦長と行動をともにするのはまた今度で良いのでは?」
その危険なところに飛び込もうとしている僕らも馬鹿だろう。
「むぅ……分かった。終わったら呼んで下さい。外でも危険なことは変わらないので」
というわけでタブレットで広海に案内されて換気口から中に入り込んだ3人たち。中からは酔っぱらいの笑い声と、
「開放してください‼誰か来て‼」
というあかねの声が‼
……外から聞こえなかったよな。特殊な防音効果でもあるのかこの建物。
「残念ながらお前は餌にされるのさ。よく分からんがすげぇ奴らのな。」
「俺たちも何に使うのか知らないが、なんかやばい秘密組織の一員だとか聞いたぜ、お前たちは。こんな女がそうならある意味やばいなwww」
「どうする?何してもいいって言われてるんだったらとっとと見たいんですが?」
「スタイル良いよなお前‼こりゃ良いもん誘拐したわ‼」
とか言ってゲラゲラ笑っていやがる。にしてもやばい秘密組織って……
「僕達のこと知っているんですかね?」
「みたいだね……」
「早くしないと手遅れになりますよ‼」
それは僕も思った。流石にマズイぞ……もう服に手をかけている人もいるし。ただ宇宙軍というのは知らなさそうだな。
「どうでもいい。全員とっ捕まえてから聞き出そうぜ」
「どうやってあいつら調理しますか?」
広ってこんな事言う人だっけ?というか顔は笑っているけどどす黒いオーラが立ち込めているぞ⁉ちょっとイメージが変わった瞬間だった。
「そうだな……ヒロは殴り合い得意か?」
「訓練でやっていますけどその程度であまり……」
「俺は得意だぜ‼」
さっき脳筋って言われたばかりだしな。
「見りゃ分かるわ。じゃあ広は突入したらあかねのところへ真っ先に行って開放してあげてくれ。その後はあかねを守れ」
「了解」
「有次は僕と一緒に制圧する」
「分かった。てか艦長格闘得意なの?」
「まあ一応艦長訓練で護身術を習ったし、体力はもともとあるから。最終兵器もあるし」
「最終兵器って?」
「殴られるとブチギレて暴走して殴りまくる」
「殴られたら誰でもそうなるわ‼」
わけが違うんだよなぁ……マジで暴走して宗光に一方的にやられていたけど殴られてブチギレてボコボコにした実績もあるし、他の人にもボコボコにしたことがあるからマジだよ。お父さんいわく、
「まあ……自制しておいてくれ……」
と珍しく怒られはしたけど自制しろとしか言われなかったんだよな。今回もそうなる可能性大だな。
「じゃあ行くか」
「よし‼」
「カウントダウンします。……3,2,1,どうぞ‼」
「突入‼」
「お前らなんだぁ‼」
「こっちが言いてぇわそれ‼」
「あかねさん!もう大丈夫ですよ‼」
おぅおぅいきなり殴り込んできたもんだから焦ってる焦ってる‼僕も音聞いた時ちょっとびっくりしたが……僕も突っかかってきた奴らを殴るけるぼこす。殴られたからブチギレてもっとボコボコにする。
いやぁ一方的って良いよね‼ひどい有様だ。銃を取り出して自動照準で打つ便利なやつあるけど広海がハッキングして自爆させた。ビビっている間に殴ってさよなら。相手がなすすべもなく7人をぐるぐる巻きにすることが出来た。
「あかね‼大丈夫か⁉」
シクシクシクシク……
おおぅ大丈夫じゃなさそうだな。
「なんとか……怖かったけど広くんが守ってくれて大丈夫だった」
「広、ありがとう」
「何もされていないようです。僕もちょっとやばかったんですけどね……」顔には二発ぐらい殴られたあとがあった。お疲れさまです……
「有次も大丈夫か?」
「問題ない。途中から艦長が覚醒して暴走してくれたおかげで楽だったよ。全員無力化したあとこっちに来ないかヒヤヒヤしたけどね……ただ、今回は酔っ払って完全に安心しているところを付いたから良かったけど、武器も使えてまともに戦えられる状況だったらやばかったな」
だから待とうって言ったじゃん……
『終わった?もうはいっていい?早く入らせて』
「良いよ」
「広海もありがとう。おかげで武器を突きつけられても怖くなかったよ」
いや撃てないと分かっていても怖かった。緑じゃなくて撃つことが出来ない赤色になっていても不気味だったし。
「お役に立てたようで何よりです……一人だと怖かったんですよ?」
そんな事言われても殴り合いに巻き込まれたらこっちが困るし……
「ごめんな?」
「まあ良いですけど」
ちょっと不満そうだな……まあ今はそれどころじゃない。
「じゃあ有次はこいつらが逃げ出さないように見張っておいてくれ。広海はあかねから経緯を聞いて、広は2人の護衛を。僕は有次と一緒にこいつらから情報を聞く」
というわけであまりやりすぎない範囲で尋問を開始することにした。武器はもうこっちで全部回収しているしぐるぐる巻きで何もできない。
「さて、あなた達は何者ですか?僕たちのことをやばい秘密組織の一員と言っていたらしいですが、どういうことですか?」
「知るかよガキが」
「あぁ?こちとら訳もなく友達を誘拐されたんだぞ?はよ答えろや」
「やだね」
ちょっとキレていいかなぁ⁉
ガチャ。
「……」
「……」
「……広海、この銃のハッキングを解除してくれ」
僕がキレるより前に有次がキレた。……銃を突きつけているけどそれぐらい良いよね……
なんとか言ってくれよ誰か‼
「……艦長良いですか?」
「艦長ってお前が新型の……」
「広海、有次、許可する。それで何が新型のだ?」
これは僕等のことを知っていて誘拐しているな。民間人の可能性は低い。
「……俺は雇われたんだ。宇宙軍というやばい秘密組織があってその新型艦に乗る高校生を誘拐してくれって」
宇宙軍の情報まで知っているのか。
「誘拐してどうするつもりだ?」
「時間が来るまで何してもいいから時間が来たら引き渡せって。」
時間が来るまで何してもいいって……マジでそのまま放って置いたらまずかったな。こればかりは落ち度は僕にあるな。即断即決を心がけよう。
「その時間って?」
「20時だ」
「何時間ここで待たせるつもりだったんだよ……」
そしてその時間で何しようとしていたんだよ。想像はつくけどもさぁ……
「その相手は誰だ?」
「知らねぇ。突然黒服のヤバそうなやつが来て、前金を払ってもらえたから引き受けた」
「艦長。多分その人から通話です」
「こっちの言うとおりに答えろ。分かったな?」
というわけで脅して電話で話させてやった。
『誘拐することは出来ましたか?』
合成音声か。厄介だな。
「はい。副長と思わしき人物を誘拐できました」
『なんで副長だと分かる?』
やっべぇ
「……脅したらいいました」
『なんで出るのが遅くなった』
ちょっとだけだろ……
「その……色々としていました」
『あまりやりすぎるなよ。声を聞かせてくれ』
「ちょっと待って下さい」
あかねいけるかな?広を見るけど首を振る。そりゃそうだよな……
「私がやります」
あかねのところにいた広海が小声で近づいてきた。
「私をどうするつもりよ‼こんなことされたら……私……私……これからどうなるのよ……」
シクシクシクシク
広海の演技力に驚く僕等だった。……まじでやべぇ。あかねとはちょっと違うがあっちは分からんだろ。
『さあな。とりあえずお前の身柄は私達が預かる。お前らもそれまでバレずにそこにいろよ?』
「分かりました。ところでこいつ引き渡したあとはどうするんですか?」
『お前たちの知るところではない。知ったら生きて帰れないぞ』
これは無理か……
「分かりました。では20時に」
『頼むぞ』
と言ったところで通話が切れた。
「よくやったな。だがこれと誘拐はわけが違うからな」
「艦長。こちらに接近する車があります。車は4台、特殊仕様のようです」
早くない⁉
「おいおいおいおい大丈夫かよ……」
「こちらに来ました。……どうやら二葉さんと孝宏が長岡さんを呼んで、突入部隊と一緒に来たようです」
すっかり連絡するの忘れとった……
「これ怒られるんちゃう?」
「だろうね」
「……広海、開けてやって」
「分かりました」
というわけで長岡さんや二葉、孝宏と突入部隊がやって来た。
「あかねさん大丈夫ですか‼」
「あかねちゃん‼」
「……もう終わらせたんですか?」
はいすみません……
その後は突入部隊が現場検証と誘拐犯たちへの聴取。僕等はと言うと……
「何をしでかしたか分かっているんですか⁉あなた達全員が危険に身を晒して行ったんですよ⁉艦長、あなたが止める立場であり、すぐに報告するべきでは‼」
いやぁ、やっぱり言われるかぁ……危険だしな。……よくよく考えたら一歩間違えたら僕ら死ぬことやっているな。
「その点については申し訳ありません。しかし待っていると探すのは大幅に遅れますし、何よりあかねが何をされるか分かりません。事実、あの人達の依頼者は指定時間までだったら何しても良いと言っていたそうです」
「そうですか……事実確認などはこちらでします。あなた達の行動についても検証後、報告します。とりあえず、全員無事で良かったです」
そう言うと、僕等に今日はもう帰っていいよと言ってくれた。あ、そうだ。
「あの人達の雇い主が20時にここに来るそうです」
「分かりました。そちらについても対応します」
そしてその夜、怪しいものは来なかったそうだ。
前回も言いましたが、何があっても警察や軍隊の人、特殊部隊の人に助けを求めてから、突入してくださいね?(絶対ないだろ……)
ちなみにこの人達はそういう訓練もしているので、幾分かは安心なはずです……
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