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No.013 艦橋班で出かけよう‼ 前編

ショッピングに行くんだって

 

「優木さん、遊びに行こう!!」


 土曜日の朝、朝の艦長専用デザートを食べられていると、二葉がこっちにやってきて突然そんな事を言いだした。……デザートを食べているのではない。結衣に食べられているのだ。半分は自分で食べたけど。

「……何してるの?」

「艦長専用デザートを食べられている」

「私は許可もらってるしその代わり私が作ったデザートを持っていってるから悪くないよ⁉」

「はぁ……それは置いといて、艦橋班のみんなで遊びに行かない?」

 何なんだ突然。


「いやぁ、なんかみんなで遊びに行きたいなぁと。あと普通に空軍と海軍見に行きたい」

「みんなそんなんでついて行くんか?広海とかは行かなさそうだけど」

「あかねさんと広海ちゃんにはもう伝えてあるから」

「速いな……」

「叩き起こしました」

 あかねは寝ぼけてただろうなぁ。

「分かったよ。男子組には僕から伝えておく。外出届は?」

「艦長名義で提出しておきました」

 おい……


「どうせ来てくださるかと思っていたので。速いほうが良いでしょ?」

「まあそうだけど。じゃあ8時半にロビー集合で」

「了解しました‼」

「私が片付けるんで艦長は行ってください‼」

「それは結衣に悪いよ……」

「いいよ。僕も片付けるからそのついでに」

 大翔も申し訳ない。

「2人共ありがとう。じゃあ行ってくる‼」

「いってらっしゃ~い!」

「楽しんできてくださいね?」



 というわけで、宿舎にやってきた。

 そう言えば3人は同じ部屋だっけ?回る手間が省けるから良かった。


[コンコンコン]

「起きてるか〜?」

「ちょっと待って下さい!」


 そう言うと中からドスドスと言う音と「うギャッ」という声とともに人が転げる音が聞こえてきた後、ドアが開いた。大丈夫か……

「艦長どうしました?」

「なんか聞こえたけど大丈夫か?」

「まあ何とか……」

 部屋の中をちらっと見てみると色んなものが散乱していた。


「すぅ〜」

「艦長?」

「入るぞ?」

「はい……」

 思ったよりもひどいな……

「お前ら3人いて何でこんな事になっているんだよ……」

「すみません。面倒くさくて」

「艦長もこんな感じやろ」

 いやきれいにしているよ?たまにしずかに部屋見せろってメールが来るし。

「こんな事にはなっていないわ。艦長命令で3日以内にきれいにしろ」

「権力乱用じゃないですか⁉」

「じゃあ乱用されないように片付けろ」

「面倒くさ……」


 コケている人がいるだろう……この状態だから。

「それについては申し訳ありません。それで艦長はどういったご要件で?」

 そうだ忘れてた。

「実は二葉が艦橋班で遊びに行きたいって。それで8時半にロビーで待ち合わせだからそれを伝えに」

「確定なんですか?」

「もう全員分の外出届けを艦長名義で出されていた」

「勝手に名前使われてますやん……女子にはもう言ってあるん?」

「広海ちゃんとかこなさそうだけれどね」

「もう誘って了承を得ているらしい」

「仕事が早い」

「とりあえずそういう訳だからよろしく」

「了解しました」

「てかあと1時間ちょっとじゃん。急がないと」

 頑張って間に合わせてくれ。



「全員集まったみたいだな」


 8時25分にロビーに降りると、そこにはもう全員集まっていた。

「さて、今日はどこに行く?」

「ショッピングでしょ」

「僕はどこでも良いですよ」

「俺は競輪場かな?」

「海軍基地‼」

「私もどこでも」

「カラオケ行きたいです」

 みんなバラバラだなぁ……


「というか競輪場ってあるの?」

「さぁ?」

「競輪場は南の方へいくかしないとだめみたいです」

 今日は無理そうだな……というわけでみんなで話し合った結果、ショッピングと海軍基地を見に行くことにした。


「カラオケは?」

 カラオケは食事会でやらされたから却下で。



「君たち、街へ出かけるんかい?」

 しばらく歩いていると、例の頑丈な門が見えてきて、中から警備の兵士が出てきた。

「はい!そうです!」

「気をつけていってこいよ!」

 IDを見せながらその人は笑って見送ってくれた。にしても兵士ってみんなマッチョなのかな?

「そりゃ鍛えられているでしょ?日頃から訓練しているだろうし」

「優木も意外と筋肉あるよね?泳いでるときに見ていたけど」

「何見てんだよ……」

「俺もあるぞ‼」

「僕はないっすね」

「僕もないなぁ……頭で考えるから」

「有次は脳筋だろうな」

「ですね」

「見ているけど多分そう」

「あんた達ひどくね⁉」

 僕とあかねと広海が賛同したんだ諦めろ。他のみんなも頷いてるし。そんなこんなで僕等は街まで出てきた。



「軍人さんも多いけど家族連れもいっぱいだね」

「まあ軍人さんにも家族がいるからね」

 そんな訳で僕等はショッピングを楽しむことにした。

「服屋行こう‼」

「服あまり変えがないし行きましょう!」

「男子諸君の意見も聞きたいなぁ?」

「えぇ……」

「面倒くさいよそんなもん」

「行きたいなぁ??」

「うっ、はい……」

 あかねの目が笑ってないぞ。



「……3人共まだかな?」

「長いね」

「そんなもんですよ」

「入るか?」

「良いんかな……」

「良いでしょ」

「4人もいれば怖くない‼」

 まあ高校生だし良いんかな。


「いらっしゃいませ〜、いかがされました?」

 店員さんは素早くこっちを見ると静かにに近寄ってきた。

 そりゃ高校生くらいの年齢とは言え、女子が入るような店に男子4人で乗り込んできたら怪しまれるよな?

「俺たちと同じくらいの女子3人がいると思うんですけど?」

「僕等その子達の連れで……」

「そうですか!ご案内いたしましょうか?」

「お願いします」


 妙に広いなここ……

「いろんな服が展示してあるんですね?」

「色々ありすぎだろ……」

「ここには様々な服が用意されていますし、価格帯も様々ですので沢山のお客様にお越し下さっています」

「価格帯が様々なのは良いが服が多すぎて決められないだろ……」

「そこは私達専門のスタッフがオーダーを聞いたあと、合いそうなものを選んで提案させていただきます。」

 そういうものなのか。少し歩くと試着室と書かれた一角に来た。


「あちらで試着されております」

 おぅおぅ3人共山のように服が積まれているな……

「あっ、優木‼どの服が良い?」

「知らないよ……」

 服の事なんて分かんないんだもん。


「あかねさんはこの服が良いんじゃないかな?」

「そう?」

「確かに似合うな。ピンクは」

「私もピンクに合うかなぁ?」

「二葉はどちらかと言うとオレンジかな?それも可愛いけど」

 サニーって感じで。……意味分からんこと言ったな今。

「ありがとう‼店員さんオレンジってありますか?」

「何で私にはなにも言ってくれないのかな?」

 知らないよ。見慣れているし。


「そう言えば広海は?」

「ほんまや。いないやん」

「広海は一番奥にいるよ?」

「さっきまで一緒にいたんだけどなぁ」

「引っ込んじゃったね」

 見てみたいなぁ。

「広海も見せてくれよ」

 有次そんなこと言ったらもっと出てこなさそうなのだが。


「優木さん的には広海ちゃんは何色が似合うと思いますか?」

 なんだろうな?静かなクールキャラみたいなものだから……

「青色、と言うか水色かな?」

「店員さん。あの男の人が行ったような色の服をコーディネートしてください」

 なんか出てきた。

「それならこれはどうでしょうか?」

 店員さんも対応が速い。

「このようなものはどうでしょうか?」

「これなら下はロングスカートのほうが良いんじゃない?」

 流石お金持ちの広。信頼性抜群だな。


「優木もロングスカートのほうが良いと思いますか?」

「まあそうだろうな」

「じゃあお願いします」

「分かりました」


「私は私は〜?」

「二葉さんはロングではないほうが良いですよね?」

「ミニスカとかいいんじゃない?」

「そっちかぁ……店員さんお願いできますか?」

 さっき足早に言った人が戻ってきたがまた行ってしまったぞ……これが仕事とは言えちょっと可愛そうだな。


「私はどうなのよ?優木」

「あかねはいつも見ているしなぁ……」

「趣向を変えていつもと違うやつはどうですか?」

「メイド服とかどうだ⁉」

 おーん……有次めっちゃシバかれとる。

「ロングスカートとか良さそうですね」

「薄ピンクとか良さそうです。」

 というわけで広と孝宏の意見であかねは薄ピンクのロングスカートをコーディネートしてもらっていた。

「俺には服のことなんて全くわからねぇ……」

 有次の言いたいことは分かるよ……僕にもあまり分からん。



「それで結局これは買うのか?」

「どうしようかなぁ……」

「買いたいけれどもねぇ……」

「当初の予算より1人2倍近く上がってしまっている」

「キャプテン?どうします?」

 何故僕⁉ただ広の言いたいことは分かった。

「しゃあない。今回は男子4人で3人分の服を買ってやるよ」

「俺もかよ!」

「そりゃあね。しかも有次が一番何も言ってなかったし、ここでかっこよくしておかないと」

「いやまあ良いけどさぁ」

「僕もいいですよ。どうせなら2着分買って1着は来ていったら良いんじゃないですか?」

 ナイスアイデアだな孝宏。というわけで1人2着、合計6着分の服を買った。4人で分けたからだいぶ財布が楽だな……ちなみに一応僕等には給料が出ているし、お金を使うところがあまり無く、貯まっていたのでこれぐらいは想定の範囲内だろう。3人は最初に僕等が選んだ服を着ていくことにしたそうだ。うん。3人共かわいいな……


「じゃあ4人の服もついでだし見に行く?」

「「「「えっ?」」」」

 ついでに僕等の服も3人で見繕うこととなったのだった。

「俺何でも良いんだけどなあ……」

 ミー卜ュー。

「だめ‼私達も新しい服着ているんだから有次たちも見なければ!」

「そうよ!そのためのショッピングよ‼」

「私達だけ良い思いさせられているから嫌だ」

 えぇ……さっきついでって言ってたよな?というわけで引きずられるまま次の店へと向かうのであった。


服は自分も全く分からん。(最近ちょっと今年買う夏服はかっこよくなるようなものにしようとは思っているけど)

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