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太陽を失った

作者: ネト

いつも心が破壊される小説ばかり書いていたので心が温かくなる小説書きました

僕の生きがいはいつも、アイドルだった。 アイドルのセリ、彼女のデビューから知っていて、まだ本当に小さなライブ会場で握手した仲だった。


セリはどんどん人気になっていきそれでも、どんな手を使っても、どんな場所でも会いに行った。


彼女は引退した、結婚するということだった。僕は泣きながら、おめでとうございます!と言ってセリと別れた。

それから数年後、彼女に似た女性を街で見つけた、でもその時はもう遅かった。

その女性は、セリではなかった。

そうして僕はまた、生きる希望を失った。

僕は、何のために生きているのか分からなくなった。そんな時に、僕はある男と出会った。

「君は、人生についてどう思う?」

男は、僕に言った。

僕は、考えた。この世界がもし、ゲームだとしたら……

「僕はこのゲームをクリアしたい」

僕は、答えた。

「じゃあ、俺と一緒にクリアしようか!」

男は、笑顔でそう言い放った。

僕は、答えた、ゲームはクリアできなかった、ゲームオーバーだ。人生というゲームはセリあってのことだったんだ、セリがいないと僕はもう生きられない、セリは太陽だったんだ・・・


男は語る、太陽に近づきすぎた英雄は翼が焼けて、飛べなくなるんだ、君は太陽に近づきすぎて焼かれたんだ。君は、もう死んでいるんだよ。だから、君はもう太陽に近づくこともできない。


他の太陽を探しなさい、この世界には人生にはたくさんの太陽がある でも人間は太陽ではない、抱きしめ合っても焼き焦がれることはない、安心して、君を受け入れる人間を見つけないさい。

君の翼は、きっといつか生えてくるよ、その時まで、おやすみ。

男が語り終えると、真っ白な部屋の中にいた。

周りを見渡すと、扉があった。

扉を開けると、そこは病院だった。

そしてそこには、セリがいた。

セリは言う、あなたは私を愛してくれますか? 僕は答える、もちろんです。

セリは言う、ありがとう。でもね、私はあなたの愛には答えられない、あなたは大好きな大切な一人の友人なんだよ


私は今の彼と幸せになりたい、そこにはあなたが入ることはできない、私と彼二人の太陽にあなたが入ったら、あなたは焼かれてしまう。


だから私たちをこれからも見守ってほしい、太陽はすべての生命に力を与えます、あなたにも力を与えます、でも近づきすぎないように、ありがとう。 やさしい英雄さん。こうして僕は、太陽を失った。 新しい太陽を探した。



数年後のことだった、セリと彼が別れたらしい、メディア等では彼が、麻薬中毒、セリが、子供を虐待していたとか、色々な情報が流れた、子供がいたらしい


子供は養護施設に預けられることになるらしい、今日は新しい子が僕の働いている用語施設に来る予定だったのを思い出した。


セリがいた、セリの顔をした、小さな目に光が泣く、体も心も限界な、今にも折れてしましそうな子だった、涙は枯れていて、僕に対面している今も、おびえている。


僕が一言口に出そうとした瞬間、その子は、「ごめんなさい!なんでも言うこと聞くからひどいことしないで!」


彼女は眼をつむりながら両腕で自分を守っていて震えながら、謝っていた。


僕は彼女をゆっくり、優しく、折れないように抱きしめた。


「僕は君になにもしない、ひどいこともしない、君が笑えるまで、幸せになるまで、なんでもする、だから今は泣いていいんだよ」


「泣いていいんですか・・・?」 「好きなだけ泣きなさい、ここにはひどいことする人は誰もいない、もし君にひどいことをする奴がいたら僕が退治してあげる、約束するよ」


その子はそれからずっと泣いていました。 


「君の名前は?」 「サン、よくわからないけど、太陽がサンっていうから太陽みたいに暖かく育ってほしいって言われたの覚えている」


「サンちゃん、君は太陽じゃない、太陽は、近づきすぎた人を焼け焦がすんだ、君は、まだ何も知らない女の子、君はなにも悪くない、今はここで甘えなさい、たくさん甘えてわがままになってそれから、ゆっくり歩こう、この人生を、歩ける、歩かないと、君は焼かれてしまう」


僕はそう言って彼女の頭を撫でました。

彼女が落ち着いたところで、施設の先生に事情を話しました。


養護施設に入ってからしばらくサンちゃんは笑顔を取り戻すことができました。


サンちゃんは僕をみると最近よく笑顔で手を振ってくる、僕もそれに答え手を振る。


今日はサンちゃんが中学卒業の日だった。 


「私、ヨウさんのおかげで今幸せだよ、中学では沢山友達できたし、高校も頑張って好きなとこ受かったよ、ほめて!!ご褒美ちょうだい!!」


「サンちゃん、おめでとう、よくがんばったね!でもご褒美ってなにを?」


「中学でたらこの施設でることにしてたんだよ、それで一人ぐらし、なんだけど・・・ご褒美はね、ヨウさんと一緒に暮らしたい!!甘えさせて!!」

「それはだめだ、僕はもう大人だし、君は未成年だから一緒に暮らすことは許されない。それに・・・その気持ちは本当にうれしいけど、」

「じゃあ私がヨウさんを好きになってもいいよね!それに暮らすじゃなくて私の家でも、ヨウさんの家でも泊まるならいいでしょ!!」

「そ、そういう問題ではなくて・・・」

「私知ってるんだよ、私にやさしくしてくれた理由も、私が好きになった理由も、全部教えてもらったもん、ねえ、もう隠さないで本当の事を教えてよ、私だってもう子供じゃないんだよ、好きな人のそばにいたいし、もっと知りたいんだよ、だからお願いします!」

「わかったよ、でも一つ条件がある、君が18歳になるまで、僕に君の時間をくれないか?それまでは、今まで通り普通に接しよう。それが僕の君に対する愛情だから。」


「えへへ、じゃあ高校卒業したら結婚申し込んじゃうし、なんならヨウさんのほうから結婚申し込ませるように、誘惑するからね!」

「楽しみにしているよ。」

そうしてサンちゃんは僕の前から姿を消した。

それから三年が経ったある日、テレビをつけるとサンちゃんが映っていた。

アイドルをしていた。

サンちゃんは言った、みんなに伝えないといけないことがあります。私は、今日でアイドルは終わりです。事務所にも高校在学までと契約しています。


でもその前に皆さんに聞いてほしいことがあるんです。

サンちゃんは語る。

私は、アイドルをやめます。

でも、これからは、ただのサンとして生きていこうと思っています。

私には今付き合っている人がいます。

彼はとても素敵な人です。

彼と一緒に、幸せな家庭を築きたいと思います。

私は彼の事が大好きです。

でも、その感情は恋愛ではありません。

家族愛に近いものだと思います。

彼といると安心できるし、楽しいです。

でもそれ以上に、彼がいないと不安になります。

彼に嫌われたくないし、離れてほしくない。

これが、恋なのかもしれません。

こんな気持ちになったのは初めてです。

私は今、とっても幸せです。

でも、その幸せには、必ず隣に彼がいて、お互いを支え合っていく必要があるのです。

なので、今私と付き合ってくださっている方とは、結婚を前提にお付き合いしています。

私はアイドルを引退したら、普通のサンとして生きたいです。だからファンの人には申し訳ありませんが、私を今まで太陽として見ていたなら、嬉しいですけど、太陽に近づきすぎたものは翼を焼かれ飛べなくなります。 だから眺めるだけにしてください。


太陽のエネルギーだけを貰ってください、これからも私はあなたたちの太陽でありたいです。


今までありがとうございました。これからも見守ってほしいです。


数時間後、家のドアから音がした、


ドアを開けると、走って来ただろう、バタバタしたサンちゃんがいた。


僕は無意識に抱きしめていた。


「結婚してください」「えへへ、先に言われちゃった。」


HAPPY END



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