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エピローグ
第3階層の牢屋スペースへ、バンジを監視に付けてオオヒガシを入れて、ソウルジャズ号クルー一行は火星の管理局へと向かっていた。
「いやぁ、お金への愛っていうのは強烈なんだねぇ。これは貴重な資料だった。これでまた1歩完成に近づきそうだ」
艦橋の左サイドにある、段差に後付けされた補助シートに座るミヤコは、嬉々(きき)としてダイソンが金をせしめるためにやっていたあれこれをデータ化し、〝ラブ・ハート・システム〟に読み込ませようとしていた。
それを聞いたザクロは、やめろやめろ、と虫を払う動きをして制止する。
「んなもんを使うんじゃねぇ。そりゃあ〝愛〟じゃなくて〝執着〟ってぇもんだ」




