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20.五月雨ちゃんと翔君3

「鬼、悪魔!! そんなんだからもてないんですよ……」

「だからって殴ることはねえだろうが!! このクソガキが!!」

「可愛い女の子の悲鳴を聞きたいからって、だまして変なDVDを魅せるのが悪いんですよーだ」



 俺は殴られた部分を抑えながら五月雨に抗議の声を上げると、彼女は舌を出してあっかんべーをやってきやがった。いや、確かにだましてホラーを見せたのは悪いが何も全力で殴ることはないだろう……俺は服をまくって殴られた腹部をみる。よかったあざにはなってないようだ。

 俺がほっとしていると、五月雨が信じられないものをみるような目で俺の腹部を凝視していた。



「翔兄ちゃん何をやっているんですか……」

「いや、今更俺の裸なんぞみても驚くなよ……子供の時からよく見てるだろ」

「そうじゃなくて、その刺青ですよ!! ヘタレな翔兄ちゃんがそんなのできるはずがないのに……」



 やっべーーー、魔印があるんだった。自分では見慣れていたから違和感がなかったんだよな。俺はすぐに隠して誤魔化すことにする。



「これはタトゥーシールだぞ、かっこいいだろ?」

「翔兄ちゃんはアホだけど厨二病ではなかったですよね。どうしたんですか、そんなのつけて……あれですか、 ちょっと厨二病を患わっている黒川先輩の気を引くために必死なんですか?」

「さすがにそこまではしねえよ!? てか、黒川が厨二病ってどういうことだよ」

「ああ、中学の時にサキュバスとかオカルト系のを読み始めて、いきなり『私と深入りはしないほうがいいわ。不幸になるわよ』って言いだしたんですよ」

「うわぁ……」



 俺はその言葉に思わず絶句する。多分サキュバスの力の事言っているんだろうけど、中学生というタイミングと、セリフのせいで無茶苦茶痛い人みたいになっているんだが……



「それで……翔兄ちゃんは黒川先輩と何かやろうとしているんですか? 最近仲良しですよね? 特別教室で何かしようとしているんですか? 以前彼女が欲しいからサキュバスを召喚すると言ってましたよね?」

「いや、それは……」



 五月雨の言葉に俺はどう答えようか悩む。というか……こいつサキュバス召喚を知っているのか? まさか……黒川を怪しんでいる? 俺に確認を取るという事はまだ確信は得ていないのだろう。ならばなんとかごまかさないと……



「翔兄ちゃん……中学ならともかく、高校では厨二病はまずいですよ。サキュバス何ていないんです。だから正気に戻ってください。恥ずかしいですよ、だからそのシールは引っぺがしましょう」

「いや、これはだな……って俺の服をめくるなー!!」



 そっちかよぉぉぉぉー、そりゃそうだよ、普通サキュバスがいるとか思わないよな!! 五月雨が俺の服をまくり上げようとしているのを必死に阻止する。多分本気で心配してくれているんだろうけど、違うんだよ。黒川は厨二病ではなく、本物のサキュバスで、俺のこれはシールではなく、魔印なのだが、それを説明するわけにはいかないだろう。俺が必死に抵抗していると、部屋の扉が開いて紅茶とシュークリームをお盆にのせた母と目が合った。


「「「あっ」」」



 俺達の時が一瞬止まり、そして動きだす。



「二人とも大人になったのね、ごゆっくり。今日は赤飯ね。記念にガチャでも回しましょうかね」

「あ、これは違うんです……そういうことじゃなくてぇぇぇ」

「ちょっと誤解を解いてくる!!」



 母がにやにやとわらいながら扉を閉め、五月雨は顔を真赤にしてぶつぶつと言っている。俺は頭を抱えながら、五月雨を部屋に置いていき、母の誤解を解くのであった。結局その日は解散になったのだけれど、しまっておいた魔法陣の場所が少し変わっていたのは気のせいだろうか?



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