15.教室の黒川さん
黒川と友達になった次の日に教室に入ると、中村に昨日の事を聞かれたので適当に返事をする。黒川がちょっとエロい事を考えていたなんて言ったら殺されそうだし、昨日の彼女は俺にだけ見せてくれた素の黒川だ。ちょっとだけだけど、彼女との思い出を独り占めしたくなったのだ。
「おはよう、妻田君」
「ああ、おはよう、黒川」
中村と話していると、背後から声がして振り向くと無表情な黒川に挨拶をされた。そのまま話に加わるかと思いきや彼女はそのまま自分の席へと向かって行ってしまった。結構仲良くなったと思うんだけどな……でもまあ、挨拶をしてくれたのは嬉しいものだ。
「いやぁ、でも本当に仲良くなってるんだねぇ、あれかい、友達料金を払っているとか?」
「まじでお前の俺への評価について話し合わなきゃいけないようだな!!」
「でも、みんな驚いているよ、あの男嫌いの黒川さんから挨拶をするなんてさ」
そう言われて周囲を見回すと何人かの男子が驚きと羨望に満ちた目線でこちらを見つめていた。彼らは俺と目があうとさっと逸らす。黒川ってやっぱり人気があるんだなぁと思う。彼女の方をみると周りの男子の表情など知らぬ存ぜぬといった感じでカバンから教科書などを取り出していた。
「黒川さんと遊ぶのもいいけどさ、僕らとも遊んでよね。五月雨のやつも寂しがってたしさ」
「ああ、当たり前だろ。てか、昨日は悪かったな」
そういえば、わざわざ五月雨のやつがうちの教室に来たってことは遊びに誘おうとしていたのかもしれないな。ちょっと申し訳ない事をしてしまった。などと思っていると、誰かの悲鳴が教室に響いた。
「頼む、黒川。このDVDだけは没収をしないでくれ!! この『人妻とお料理教室』だけは……」
「だからハレンチなDVDは持ってきてはいけないっていってるでしょう。早く、机の上に置きなさい。これは没収よ」
「ああ、ゴミを見るような目がたまらない……」
また、安心院がDVDを持ってきたは無表情な黒川に没収されている。てか、あいつ黒川に罵ってもらうためにわざとやっているだろ? でも、黒川も実はDVDに興味もってたりするのかな、意外とエロい事には興味がありそうだし……などと思っていると、こちらをみた黒川と視線があった。
やっべえ、俺の思考読まれてないよな。など考えていると彼女はべーっと俺にだけわかるように舌をだした。あとでおこられそうだ……でも、ちょっとかわいいななどとおもってしまった
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