13.放課後デート?
職員室に行った俺と黒川は担任の猿山先生をにちょっとした雑用を押し付けられて、帰るのが遅くなってしまった。生徒に古い机を運ばせるとか職権乱用では? てか、猿山先生を見るとなぜか夢でみた裸を思い出してしまい、テンションがさがるんだよな。
「思ったより遅くなってしまったわね、こんな時間までつき合わせちゃったけど大丈夫かしら?」
「ああー、問題ないぞ。帰ってもソシャゲをするくらいしか予定ないし」
「そう、ならよかった。それにしてもやっぱり男子って力強いわよね。体も大きいし、体つきも女子とは違うだけあるわよね」
「へえ、男子が苦手なのに裸とか見たことあるのか?」
「そりゃあ、DVDで……なんでもないわ。忘れなさい」
「え、DVDって……?」
俺の言葉に黒川はしまったとばかりに、顔を逸らす。心なしか顔が真っ赤である。てか、男子の身体が見えるDVDってようはそういうやつだよな。俺はまた黒川の意外な一面を見て少し嬉しくなる。
「黒川って意外っとエッチなんだな」
「女の子だってそういうの興味あるのよ、悪い!? それにあくまでサキュバスがどんなことをするか調べただけであってやましい気持ちはないわ」
「はいはい、そうですね」
「あなたね、私の事をばかにしてるでしょう?」
そう言って黒川は唇を尖らせ、抗議をするように睨みつけてくる。表情は固いけれど、よく見ると彼女は感情豊かで、エッチな事にも興味がある普通の少女なのかもしれない。
俺は今までそんなことにも気づかなかった。いや、彼女が気づかせないようにしていたのだろう。サキュバスの血を引いているって事もあって人と距離を取っていたのだろう。だったら俺は……彼女の秘密を知る俺ならば、彼女にとっての素を見せられる相手になったりできるんじゃないだろうか?
「あなただってよく観ているくせに!! 知ってるわよ、あなたが安心院君からDVDを借りようとしていたことを……催眠術でハレンチな事をさせようっていうのはどうかと思うわ」
「なんで、俺の好きなジャンルを知ってんだよぉぉぉぉ。え、ちょっと待って、安心院がゲロったのか?」
「ええ、あなたが登校してくる前だったから知らないでしょうけど、クラスメイトの前で大声で叫んでたわよ。これは妻田に渡すものなんだってね」
「え、待って……クラスでどれくらい広がってるんだよ……」
「まあ、あなたの好感度はすでに最低だから安心しなさいな……あ……」
俺は最近クラスの女子の視線が痛いのは気のせいではなかったという事を知りげんなりとする。黒川はそう言いながら、無表情だけどどこか楽しそうである。しかし、コンビニの前で、買い食いをして楽しそうに喋っている高校生たちを見つめて、言葉を止める。
どうしたのだろう? ああ、そういう事か。なら俺が行動すべきだろう。それに美少女と買い食いというのは実にラブコメっぽいしな。
「なあ、黒川。猿山先生に肉体労働させられて腹減ったんだ。コンビニでなんか食べないか?」
「下校中の買い食いは校則違反よ。まあ、妻田君がどうしてもっていうなら目をつぶってあげるけど……」
「ああ、どうして食べたいんだ。黒川と一緒にさ……」
「はいはい、仕方がないわね。ああ、悪い友達のせいで私も不良になっちゃいそう」
そういうと彼女は友達という言葉を少し強調しながらも、早歩きで、コンビニへと向かっていくのであった。俺はあわてて彼女を追いかける、楽しそうでよかった。
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