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無銘の世界~personaluniverse~リメイク  作者: ネツアッハ=ソフ
3,王都編
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6,神王デウス

「久しぶりだな。今はシリウス=エルピスという()だったか?少年」


 そう神様は、神王デウスは言った。その言葉に、父さんとリーナが驚愕の表情(かお)で僕を見る。


 いや、それだけではない。周囲に(ひか)える騎士達も心底驚いた表情で見ている。どうやら此処に居る誰もが状況を理解(りかい)している訳ではないらしい。


 どうやら、僕は盛大なドッキリを仕掛(しか)けられたらしい。あるいはこれも神王の計らいなのかも知れないけれど残念ながら僕には今一つ理解しきれない。


 なので、僕は正直に()く事にする。


「えっと、今一つ状況が呑み込めないのですが?神王陛下(かみさま)?」


「デウスで良い。お前と俺の(なか)だ」


「はぁ、しかし周囲の方々もあまり状況を()み込めていないようですが?」


 見ると、周囲の人々もぽかんとした表情で僕たちを見ている。例外は国王陛下ぐらいで他は全員呆然とした表情で僕たちの様子を見ているだけだ。


 まあ、それも仕方がないだろう。何故なら、僕のような一介の貴族の子息が神々を()べる王に対してほぼ対等のように話しているのだ。一種異常(いじょう)な光景だろう。


 リーナに(いた)ってはどういう事なのかという視線を僕に向けている。


「ふむ、流石に度が過ぎたか?」


 そう、国王陛下に視線を向ける神王陛下。対する国王陛下はそっと溜息(ためいき)と共に言った。


「それもそうであろう。知っているならともかく、何も知らぬならこのような状況になるのもいわば必然というものであろうよ」


「ふむ、まあそれもそうか。少しばかり悪戯(いたずら)が過ぎたな、素直に()びよう」


 そう言って、苦笑を浮かべる神王陛下。


 そして、(いま)だどういう状況なのか呑み込めずに呆然としている父さんに国王陛下が言った。


「そろそろ戻ってこい。エルピス卿、貴殿(きでん)に何も言わなかったのは詫びるが一応それにも理由というものが存在するのだ。先ずは話しを()け」


「っ、はっ!」


 慌てて頭を下げる父さん。それに対しまだ今一つ状況が呑み込めない騎士(きし)たち。


 しかし、彼等も国王陛下の一喝(いっかつ)で静まり返る。


「先ず、シリウス=エルピス。彼は神王が自ら異なる世界から呼び出した転生者(てんせいしゃ)である。故に彼の者は神王が自ら直轄する魂である。そうだな?シリウス=エルピス?」


「はい。その(とお)りでございます」


 その言葉に、父さんは愕然(がくぜん)とした表情で僕を見た。


 しかし、僕は一切動揺(どうよう)を表に出さない。リーナも心底驚いた表情を見せるが、僕はそれ等を意図的に無視して話を(すす)める事にする。


 実際、今の僕はかなり動揺している。その話は僕が意図して(かく)していた内容だからだ。


「今から話すのは、シリウス=エルピスを転生させた本当の目的(もくてき)だ。無論、彼を転生させたのには二つほど理由があるのだ。それを、今から神王(しんおう)自ら話す」


 そう国王陛下が言った。直後、神王陛下が咳払いして周囲の視線を自らに(あつ)めた。


 そして話を始める。僕が転生を()たした本当の理由(わけ)を………

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