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無銘の世界~personaluniverse~リメイク  作者: ネツアッハ=ソフ
2、エルピス領編
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エピローグ

 勝敗は一瞬で(けっ)した。


 遺跡の内壁はボロボロに(くず)れているが、遺跡全体としては一応無事だ。というのも、何らかの魔術的防御が働いているのか徐々に遺跡が再生(さいせい)しているからだ。


 恐らく、何か(かく)のような物が存在するのだろう。核を破壊しなければ周囲の地脈や霊脈から自然魔力を吸い上げ再生する仕組(しく)みになっているのかもしれない。


 それよりもバフォメットのアインだ。驚いた事に、僕の全力を()らいまだ生きていた。


 もはや息絶え絶えではあるが、それでもまだ意識を(たも)っていたのである。


「ふふっ………残念だ。貴様の全力をついぞ()き出せなかったか」


「何を言う……?僕の、奥の手を出させておいて………これ以上は…………」


 そう言う僕に、アインは首を左右に()った。


 苦笑を浮かべ、もはや無視の息だというのに眼光鋭く僕を真っ直ぐと射抜(いぬ)いた。


「小僧、貴様はまだ全力を出していない。いや、貴様の全力は今の小手先の技術(わざ)でどうこう出来る領域には存在していないのだ」


「何、を………」


「じきに分かる。貴様はこれから先、この世界を………いや、この宇宙の根幹(こんかん)すら覆す」


 言って、アインはそのまま力尽(ちからつ)きた。何を言っているのか理解出来なかったが、それを考えているほど僕も余裕がある訳ではなかった。


 というか、もう意識を保つのも限界だった。


「……………………っ」


 背後から、複数の靴音が(ひび)いてくる。誰かが集団で近付(ちかづ)いているのだろう。


 そう、ぼんやりと考えながら、僕の意識は闇に()まれていった。

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