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無銘の世界~personaluniverse~リメイク  作者: ネツアッハ=ソフ
2、エルピス領編
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11、意思を持つ災禍

 押し負けたのは僕の方だった。飛んできた魔弾を辛うじて()けるが、それを見越していたかのように距離を詰めてきたアインの()りを腹部に()らう。


 身体を貫通するのではと錯覚(さっかく)するような猛烈な衝撃が僕の身体を()け抜ける。思わず僕は口から血反吐を吐き出しそうになった。


「ぐっ………ぅ‼」


「まだまだ、容赦(ようしゃ)はせんぞっ!」


 アインの咆哮(ほうこう)と共に、更なる攻撃が来る。


 呼吸すらままならない魔弾による連撃。それが嵐の如く僕を(おそ)う。そんな中、僕の中で何かが切り替わるような気配(なにか)を感じ———


 ………る前にそれを根性論で抑え込む。何とか意識を(つな)ぎ止め、アインの魔弾を自身の魔弾で相殺して切り抜ける事に成功する。魔弾による衝撃で遺跡が大きく()れる。


 しかし、それでもダメージは思いの他に大きい。僕はその場に膝から(くずお)れる。


 そんな僕を、アインは嘲笑を浮かべながら見下ろす。


「どうした?その程度(ていど)か、その程度で()わる器なのか小僧?」


「………まだ、まだだ」


 そう言って、僕はそのまま立ち上がる。不思議と身体は(うご)く。あれほどの嵐の如き連撃を受けながらそれでもまだ、それでもまだ僕の身体は動いた。


 大丈夫だ、まだ僕は動ける。まだ()きている。なら、まだまだ僕はやれる筈だ。


 ………ふと、僕の脳裏に前世の記憶が蘇る。もう、あんなみじめな最後(さいご)は御免被る。


 なら、僕はまだやれる筈だ。


 なら、もう何も躊躇(ためら)う理由なんて無いだろう?


「………………ふぅっ」


 呼吸を整え。僕はもう一つの切り札を切る。下手(へた)をすれば、それこそ周囲一帯に致命的な損害を与えてしまう可能性がある。文字通りの切り札を。


 ………瞬間、僕の身体から放出されていた膨大な魔力が体内へ収束(しゅうそく)していく。


 いや、違う。これは僕の体内で膨大な魔力が超高速で循環(じゅんかん)しているのだ。


 光の速度を超えて体内を循環する魔力の奔流。光速を超えて更に加速(かそく)していく。


 魔力の高速循環。これこそが僕のもう一つの切り札だ。その効果(こうか)とは———


 僕自身の全ての能力値(ステータス)を大幅に強化(きょうか)すること。

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