9,神代遺跡ゼクス
そして、遅めの朝食を取り現在朝の09:30。俺とリーナは遺跡に潜る事にした、のだが。
のだが、これは一体どういう事なんだ?
「………えっと、どうしてこうなった?」
「……………………むぅ」
「~♪」
うん、簡単に状況を説明するとガンクツが居る。それだけだ。いや、何故だ?何故こいつが俺達と一緒に来ているんだ?意味が分からない。
さっきからリーナが不機嫌だし。うん、全く何も言わない。というか傍目から見ても十分理解出来るほどに怒りの感情がオーラとなって見える。ていうか、般若?
さっきからリーナの背後で般若のオーラが俺を睨んでいるんだが。こっち見んな!
まあ、とりあえずだ。
「………何故居るんだ、ガンクツ?」
「へい!俺が一緒に行きたいからです!」
清々しいほどに良い笑顔で返事をしてきた。いやまあ、そうなんだろうけど。
そうなんだけど、もうガンクツの笑顔が暑苦しいしキモイ。というか、リーナが怖い。
はっきり言うと、リーナの怒りが高まって般若のオーラがこっちを睨んでいるんだが?いや本当にガチで怖いんだが?ガンクツは自重してほしい。ほら、般若が見ている。
………心の中でダイスを振る。ファンブル‼
「………そ、それにしてもさっきからやけに低位悪魔が多い気がするんだが」
ともかく、俺は話を逸らす為に無理矢理現実に戻す。
気のせいか?遺跡に出没するレッサーデーモンがやけに多い。今さっき倒した奴でもう十匹目に入る勢いなんだけど本当にどうしたんだ?やけに景気が良いな?
それを聞いて、再び来たレッサーデーモンを斧で叩き切ったガンクツが首を傾げる。
「おかしいですね?この遺跡には昔からレッサーデーモンが出没するんですが、それにしても此処まで多く出没する筈がないんですが………」
「だとしても………おっと、此処まで?よっ!多いのは………つうか多すぎだろう‼」
さっきからやけに多くのレッサーデーモンが次々と来ている。もう、十五匹目だ。
何だこれは、景気が良いどころの話ではない。軽く異常というレベルで出てくる。
更に五匹ほどレッサーデーモンが出て来た。二十匹目だ。俺とガンクツで叩き切った。
いくら何でも多すぎやしないか?流石にこれは異常にすぎるんだが。
………これは、何か異常発生の原因か何かがあるな。そう思い、俺は奥を霊視した。
瞬間、遺跡の奥から一匹の悪魔が出てきた。レッサーデーモンではない。
高位悪魔。アークデーモンだ。それも………
山羊の頭を持つ高位悪魔。魔神バフォメットだった。




