情熱大陸(性的な意味で)
新大陸
それは男のロマン!!
まだ見ぬ大地を求めてコロンブス然り、バスコ・ダ・ガマ然り、マゼラン然り、やっくん(変態の開拓者)然り。
男は誰しも、まだ見ぬ大地に憧れを懐くのだ(やっくん除く)!!
空・真「新たな大陸を共に探そう!!」
南「脚下です」
部室の窓から急に入ってきたかと思うと、「大陸を探そう!!」
そもそも何故窓から入ってきたのか。
空「隣の女子校の家庭調理部からエプロンをくすn……貰ってきたんだ!」
南「くすねたと言いかけましたよね今」
真「生徒玄関で生活指導のセンコーが待ってたからよ。回避ルートが窓しかなかったんだ」
南「思い切って退学されなさい」
それにしても何故、急に大陸など?
真「説明しよう!!」デッデッデッデデー♪
南「情熱○陸をがむしゃらに弾きながら説明しようとするのもやめなさい」
空「今日!! 女子校のシャワーを覗こうと……」
南「何してるんですか」
南のチョップが空の眉間に入る。未だ窓際にいた空は「あーーーれーーー……」と断末魔(死んでないが)と共に落ちていった。
真「最後まで聞け! 南! 俺達は単に覗きをしたいだけだ!!」
南「黙らっしゃい!!」
真の頭にもチョップ。窓際でバイオリンを弾いていたのもあって、彼もアッサリと転落していった。音藍高校にて2つの屍が出来上がった瞬間であった。
/\(*)/\
新大陸
それは男のロマン!
冒険
それは男の本能!!
女湯
それは男が踏み込む事の出来ない、永遠の不可侵領域
見えないからこそそこは新世界!!
なぜ山を登る? 山があるからさ!!
なぜ覗く?
そこに新大陸があるからさ!!
南「なぜ私まで……」
真「そうは言って、結局は一緒に来てくれるもんなぁ?!」デッデッデッデデー♪
空「愛してるぜぇ南ぃ!」
南「黙 り な さ い」
ドスの効いた声で一喝。
こうして着いてきたのは2人の暴走を止めるためであり、決して覗きに加担するつもりはない。
少しでも危険と判断したら止める。最悪、自分だけでも逃げる。
空「まぁそんな身構えなさんな。今回のは至って合法だZE☆」
南「覗きに合法もクソもあるわけないでしょうが」
真「チッチッチ。ところがそうとも限らないんだよなぁ。なにせ過失の罪は俺達に向けられないようになってるんだからYO♪」
南「……どういうことです?」
/\(*)/\
地元の小さな銭湯『輿の珠の湯』
長年続くこの銭湯の店主は今年89のお爺さん。記憶に問題があるのか釣り銭を間違える、使用中の女子更衣室に入る、女湯と男湯の暖簾を間違える……
南「もうやめちまった方が良くないです? 完全にボケてますよね」
銭湯の名前も卑猥だし。最早キ○タマだし。
真「そして今日も、こうして男湯と女湯の暖簾を間違えたわけよ」
空「こうして金を払って来た『客』。即ち『神様』の空達に落ち度は無いし」
AM10:00。銭湯が開くとほぼ同時に入店。大人3人分の入浴料金を支払い、男湯へ。
勿論、後々の証拠として男湯の暖簾が掛かっていた所をカメラでパシャリ☆
さらに店主の奥さん(こちらもヨボヨボ)が『はーー、ぁれぇ? 逆になってるよ、お父さん』と言いながら暖簾を入れ換えるのも確認。
3人が潜伏する先が、男湯→女湯にシフトした瞬間だった!!
だがこちらは金も払ってるし、男湯の暖簾をキチンと確認した(という体)。
ここで女子が入ってきても一応、店側の過失ということで済ませる自信アリ。
真「あとは風呂の隅(湯けむりで死角)を陣取り、女性が来るのを待つのみ!」
空「空達ワルくない。店の人、間違えたせい。空達、客。客は神様」
真・空「正義は我らにあーーーる!!」
南「お前らの血は何色だぁああーーーっ!!!!!」
そんな客、神様を通り越して悪神である。直ちに祓うべし。
空「まぁまぁ!! せっかくの店側の過失、無駄にはしたくないだろ?!」
過失をチャンスと呼ぶ時点でいかがなものか。反論しようとする南だが、真が慌てて口を塞いだ。
真「静かに!! 人の気配が!!」
空・南「!?!?!?!」
ガラガラッと軽やかに開かれる扉の音。
床の水面をピチャリと踏む気配。
そして……
??「~~♪」
愛くるしい鼻歌……
南「(ヤバイヤバイ!! 逃げ出すタイミングがぁあああっ!!)」あたふた
真「(落ち着けぇ南!! 慌てたら逆効果だ!)」
空「(呼吸を合わせろ!! ヒッヒッh……)」
南「(産まねえよ! 女じゃねぇよ!!)」
真「(だがチャンスはある!!)」
銭湯の蛇口は、2、3枚に隔てるの壁に取り付けられている。つまりその壁を利用して隠れるようにすれば、見つかるリスクは減らせるのだ。
幸い、新たな客は3人から離れた壁を使用ている。真は手近な壁を指差し、誘導を始めた。
真「(俺達は悪くない。悪いのは暖簾を間違えた爺さんさ)」キラッ☆
空「(店側の間違いに気付いて素直に立ち去ろうとした。その途中でうっかり女性の裸を見てしまったという……事故だよ)」
南「(後半明らかに事故じゃありませんから!! やめなさい!!)」
南が止めるのも聞かず、空と真は仕切りから頭を出し、湯けむりの向こうへ……上機嫌に鼻歌を鳴らす輝きの向こうへ目を凝らす!!
空・真「○輪眼!!」
南「(版権的にもやめなさい!! あーーもう!!)」
やってしまった。
本当に女性が体を流す姿を覗いてしまったよ!!
親友2人に対する何かが音を立てて崩れてゆく。頭をガシガシとかき回し、どうするべきかと南が悩んでいると……
真「な………」
空「んだと…」
南「?」
何故だろう。2人はお風呂で暖まったにも関わらず、寒気か体を震わせている。
相変わらず奏でられる鼻歌──
南「(2人とも?)」
空「……ここ……今は女湯だよな……」
真「……確か……」
南「へ?」
事情が読めず、南は頭の上に?マークを浮かべる。
だが、今の会話からして、女性ではない……つまり男性が入ってきたということか?
南「(でも、この鼻歌は……)」
ついに南も仕切りの向こうを見るべく、頭を出して、そして───
──【遡ること5分前】
店主「いらっしゃい……ほほぉ、これまたべっぴんさんじゃのう」
??「まぁ。嬉しいわぁ」
店主「ほっほっほ。どれ、お嬢さんや。お風呂あがりにワシとお茶しないかぇ? 自慢の牛乳しか無いがのぅ」
??「嬉しいわぁ。それじゃあ後でね」
店主「ほっほっほ」
────【そして今……】
上機嫌に女らしい声で鼻歌をしていたのは
女よりも女らしい、絵にかいたような内股で椅子に座り
無駄にきめ細かい肌に石鹸の泡をこれでもかというくらい塗りつけた
駄楽部顧問
源先生だった。
空「一富士ィイイイいいいいいいい!!!!」
南「二鷹ァァアアああああああ!!!」
真「三茄子ゥウううううう?!!!♂」
縁起がいいとされる三種の神器を叫ぶ。
実際は縁起もクソもないが。
健全な男子高校生が源先生の裸体を、入浴シーンを見て興奮するだろうか。
そういう趣味でない限り
断じてありえない
3人の気配に気付いた源先生は、体を抱き締めるようにして
源「キャーー!! 南ちゃん達のエッチーーー!!!」
その声は嬉しそうだった。
新大陸。それは男のロマン
女湯。それは新大陸
即ち女湯と新大陸はイコールで結ばれる。
しかしこの日、彼らが見たのは、恋い焦がれた新大陸等ではなく
夕暮れの闇に満ちた荒野……サハラ砂漠でしかなかった。
以来3人はエ●本を見るたび、写真のシャワーシーンが顧問に見えてしまうという病にかかり、完治まで2週間も要したという─────




