神の使者
神の使者
意識が朦朧とする中
落ちていく感覚…
すると真上から声が聞こえる
いや、意識の中に直接なのかもしれない
「死んだわけではない」
「ゲートに飛び込んでしまうとは申し訳ないことをした」
「誰?」
「ちなみに時間がないので一方的な説明のみ、質問は受け付けない」
「・・・」
「私は神と言われている存在だ」
「このまま向かう先は地球とは違う世界に辿り着く」
「そこはかつて色々あったが今の所大きな混乱もない世界じゃ」
「地球と似たようなもんじゃな」
「だが今回のゲートに入ってきたモノを異物と判断してどうやら不穏な空気が渦巻いておる」
「なにが原因かわからないが、それを取り除かないと地球に戻すためのゲートも開くこともできない」
「もしこのまま開けば地球も同じことになりかねない」
「つまりその世界の平穏を取り戻すことが出来たら安全と判断しゲートを開き地球へ戻そう」
「転移後は異物と判断されぬよう近い者に乗り移る形になると思われる」
「だからといって自分勝手に動けば異物となってしまう可能性もある。
その者の生き方を尊重し生活していく事でおのずとなにか見つかるだろう」
「見つかったところで解決出来なければ意味はないので
不便しないよういくつかの恩恵を授かるように手配しておく」
「では頼んだぞ、神の使者として…」
(まさかゲートの定期点検を試したあんな場所で人が飛び込んでくるとはおもわんかったぞ)