悪友たちは婚約者が嫌い
『姫ー、やっときたー。待ってたんだよー。』
『ごめんね。待たせたわ。』
『いいよ。今日も可愛いね。キスしてあげようか?』
さすが愛の国が母国ですわ。とにかく口説く。でも、あなたのそのくせのせいで、1度奥さまに殺されそうになったわ。今ではお茶友達だけど。
《ごきげんよう。姫様。この方のことはいいですわ。近況報告はもう済ませましたわよ。》
《ありがとう。私も参加したかったわ。》
相変わらず素敵ね。見えない扇子が見えるようだわ。社交界デビューした時に、社交界の花と言われただけある。そして、彼女のすごいところは、社交界で同性に好かれたことよね。彼女くらいの美貌だと、妬み僻みが多いはずが、2年もしない内に社交界の女王と認められたはず。2年でなにしたのよ、この子。
[…で、今日の集まりはなんなんだ?]
[ただ、皆の顔が見たかっただけではダメかしら?]
おぅ、長文を話された!彼は用件だけを話すから、なかなか私の聞き取りが上手くならなかったのよね。むしろ、意地になって、話しかけたりしたけど。これで交通機関の取締役って勤まるのかしら。まだ、お父上が現役ですし、なんとかするのでしょうね。てか、何とかしなくちゃダメだろ。
〔またまたぁ。姫様、何があるの?婚約者殺す?〕
〔可愛い顔して冗談言わないでよ。実は、1年後に我がホテルでブライダル部門のレセプションがあるのよ。忙しいと思うけど、みんなにも来てもらいたくて。〕
〔…冗談じゃないんだけどね。〕
怖いから。結構怖いから。ほとんどの物に関わっている商社のあなたを的にしたら、社会的にも生きていけなくなってしまうわ。小さくて、可愛らしいのに、会長のお祖父様を影から操ってるって本当なのかもしれないわ。
【で、レセプションはいつなんだ?ほら、本題さくさく進めないと、脱線しまくるぞ?】
【そうね、ありがとう。】
さすが、兄さん。いや、お兄さん的存在。年齢はそんなに変わらないけど、出会った時にはもう、プログラミングの天才と言われ働いていた彼は、まとめ役としていてくれるから、いつも助かるのよね。
〈では、詳細を話すわね。〉
この悪友。ほんとその分野では天才的なのに何故か日本語だけがいえないのよね。というか、覚える気がない。だから、個別で会話するときは各々の母国語で。5人に話すときは公用語である英語でという決まりがある。でも、他の子との会話が聞き取れるということは、理解してるって言うことでしょ?
【その前に】
『《[〔【殺るならいつでも言って】〕]》』
私の婚約者は、めんどくさいだけでなく、嫌われているのね。




