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総合魔法学苑購買部  作者: 安藤きつね
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序章という名の始まりの朝

はじめまして。安藤きつねです。

若輩者ですが、魔法関連の物語を書いてみたくなったので筆を取りました。

読むに耐えない部分などあるかと思いますが、暖かく見守ってください。



 新暦33年3月23日

 まだ身体が寒さを感じる朝。

 寝起きもあって、暖かな格好をしているにも関わらず身体を縮め自宅であるアパートの外に俺はいた。

 普段なら暖かくなる昼間に外出するのだが、この日は事情がありこの時間からの外出となる。

 それも突然な事で、職場の上司から会えないかという連絡だった。

 2年ぶりの連絡だった。

 音声通信での上司の声は、歳を感じず耳が痛くなる程の大きな笑い声をあげていた。

 でも、朝の5時に呼び出すのだけは止めて頂きたいと常々思っている。

 以前もこのような早朝の呼び出しがあり、その時はそこそこ大きい耳垢が取れたらしく、ドヤ顔でそれを見せ付けて来るという内容だった。

 あの時は本当に殴り倒してやろうかと思ったほどだ。

 どうせ今回も下らない事での呼び出しだろうと思っている。

 

 近所の公演を通過し3分ほど歩くと今は早朝もあって人通りは少ないが、商店街が見えてくる。そのアーケードを通り抜け、目の前に見えてくるスクランブル交差点を渡り500m先にあるのが、俺が青春を謳歌した母校である専門学校。

 『総合魔法学苑』がある。

 あそこで、汗臭く女っ気が少なかった生活は今でも思い出すと切なくなる。

 今となっては女子生徒が増加して、俺が在学してた頃の何倍にも膨れ上がっている。何故俺が在学している時にそうならないのか?と思ったくらいだ。

 当時は魔法というカテゴリ自体が、男心をくすぐる単語であって男子の方が受験率が高かったのは仕方ないと言えば仕方ないかもしれない。

 

 だから今でも思う。この世代になりたかったと!

 この世代に産まれていたら、女子とキャッキャッウフフしながら、辛い実技演習や勉強などをサボることなく耐えれたと思う。

 しかし、悲しいかな時は戻らないというのが現実で、その行為自体が現実逃避でしかない事も分かっている。

 それでも求めてしまうのが悲しい人の性な訳だ。くだらないことだと分かっているが、学苑を見る度に後悔する。

 

 あの時、ああしてれば良かったと。

 

 閑話休題。

 

 スクールストリート。

 魔法学苑の生徒が学苑に拘束されている時間でも、自由に行動することが許されるテリトリー。

 昼休みに学食以外での食事が出来るだけでなく、魔法学苑の生徒に必要な品を取り扱う店などもあって、至れり尽くせりとなっている。

 それ以外にアルバイトが出来たりもして生徒たちは、早い段階で自立することを学ぶのに一役買っている辺り、さすが学苑敷地内だなと思う。

 進級出来る単位さえ足りてれば、丸1日バイトができて小遣いもガポガポなのもあり、俺みたいに単位早めに取ってバイトに明け暮れる奴も少なくはない。

 

 スクールストリートに並ぶ店舗は、俺が在学していた時とそこまで変わる事なく見てるだけで懐かしいあの日々が色褪せることなく甦る。

 早朝でも営業してる店があり、生徒だった頃に戻ってあっちこっち回りたくなるが、爺さんとの待ち合わせもあるのでここは抑えて目的地である喫茶店に向かう。

 

 『カフェ・リバーサイド』

 俺が生徒だった頃からのサボり場。

 注文が入ってから豆を挽くので他所の店より美味いコーヒーが飲める。

 朝だとモーニングが付いてお得感が一気に増すのも好みだ。

 屋号の由来は、まだ魔法学苑が出来る前は店の横に河川敷があり、その景観も店のウリだったらしい。現在は学苑設立により地下河川になってしまい拝むことが出来なくなっている。

 

 何故爺さんがスクールストリートにある店を待ち合わせの場に、指定してきたのかは分からないが、きっと理由など考えてはいないと思うので考えることを一旦止めてドアノブを握りドアを開け店内に入った。

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