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ゲームがお仕事  作者: ぶぶさん
『始原の原』
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食事のアポイントメント

この世界には純粋な同性愛は存在します。それを書くかは不明ですが。

「あ、そういえば格安って言ってたな、この世界の神様はカネを取るのか」

「世知辛い世界なんでしょうね。それよりオープニングイベントが終わったのです。先輩方との交流が出来ますよ。楽しみですね、シンさん?」

「アロマって、呼んで」


 淡々と喋るシオン、もといアロマ。てか、さっきからエモーションを使ってないけど大丈夫なのか?


「アロマさん、先程も思ったのですが、雰囲気変わられましたね。もしかして、私と会話した事でタスクさんに怒られちゃいましたか? タスクさん。アロマさん程の方です、他の殿方に奪われないか心中穏やかではいられないでしょう。でもあまり束縛しても、アロマさんが感じるのは愛ではなく、窮屈。どうぞ、アロマさんの事を信用なさって下さい」

「おいおい、一体何のはな、ってシ、アロマ! どこに連れてく気だ!」


 グイグイと腕を引かれ、キミヒトから離される。


「わたしはアロマ。そしてわたし達は。恋人同士そういう事にしといて」


 キミヒトから離れたところで、とんでもない事を伝えられる。いくら何でも友達からの恋人への昇格が早すぎんだろ。あ、そういう設定(ウソ)だったか。


「面倒事を避けたい、お願い」

「その面倒事って、何だ。言えるのか?」


「人付き合い。タスクを盾にして避ける。これぞ、奥義タスクガード」

「勝手にオレを盾にすんなよ!」


 そういえば、キミヒトの時に練習って言ってたな。たった一回の練習で奥義まで昇華したらしい。奥義の癖に習得が簡単過ぎんだろ。


「でも、精神攻撃には無効。使えない盾、タスクガード」

「まったく、人を盾にしといてそれはないだろうよ。んー、どうしてもか?」

「どうしても。命がかかってる」


「たかが、人付き合いに大袈裟な。わぁったよ、でも人付き合いは慣れなきゃダメだぞ。それまでの一時的なモンだ」

「わかった。タスクが要らなくなるまで、お願いする」


「その言い方だと凄く傷付くんだが、オレって割と繊細なんだぞ」


「タスクは特別だから」


 な、なんだよ。嬉しい事言うじゃないか。落として上げるなんて、なかなか手練れてるじゃないか。


「タスクには人間的に負ける気がしない」

「なぁんで、そこで落としちゃうのかなぁ。落とさなきゃ、良い話だったじゃないかぁ」

「だから人付き合いが苦手」


 ダメだ。この流れは良くない、頭が壊れる。


「はいはいはいはい、わかりましたよ。やりますよ、やれば良いんでしょ?  必要がなくなるまでいくらでも使ってくれ。でもオレは不器用だからな。期待すんなよ」

「うん、ありがとう」


 クッソ、そういう時は素直に答えるんだよな。


「じゃあ、戻んぞ。キミヒトにDV彼氏だと思われたままじゃ、たまんねーからな」


「でー、ぶい?」


「古語だ、気にすんな。って、行かないのか?」

「うん」


「もう離れても大丈夫なのか?」

「うん、ありがとう。タスクガード優秀だった。感謝しても感謝しきれない」


「何言ってんだよ。タスクガードの活躍はこれからだ! 何かあったらすぐに呼ぶんだぞ。いいな?」


 よっし、早目に終わらせて、戻ってくっか。



「お話済みましたか?」


 太陽のような笑みってこういう事言うんだろうか、何がそんなに嬉しいんだか知らんが凄くご機嫌だ。


「まぁな」

「お節介だとは思いましたが、お友達ですので」


 えーと、アロマは人付き合いを避けたいんだよな。じゃあ、どう返す?

 あれ? 解決したら、普通に話しかけてオーケーって事になっちゃうよな。え、じゃあオレってば、DV彼氏のフリをしなきゃいけないって事なのか。


「どうかなさいました?」

「あー、うん。なんだ、その、忠告はありがたいんだが……」


 アロマはオレノモンダー‼︎ って、言うの? 言わなきゃダメなの?


「そうですか。愛は人それぞれありますからね。しかし、後悔はなさらないように」

「あ、ああ、ゴメンな。折角、気を使って言ってくれたのに」


 良かった。オレの言いたい事を先読みしてくれた。


「いえいえ、差し出がましい事をしたのは私ですので。そうですね、今度お詫びを兼ねて、食事を奢らせて下さい」


 こちらの世界で、になりますがね。と、続ける。


「残念ながら、まだ、こちらの地理は分かりませんので、良いお店が見つかりましたら連絡差し上げます」

「何でオレを誘うんだよ。女を誘え女を。あ、アロマ以外な」


「……アロマさんの事、本当にお大事にされてるんですね。どうぞ、御心配なく、私も悪いようにはしませんので。実は私、タスクさんに興味がわいちゃいまして。いやぁ、初めてだと思うと余計緊張しちゃいます。おっと、こんなところでする話じゃありませんね。個室でゆっくり、二人っきりの時に」


 ひぃぃ、なんだそれ、なんだそれ。頬を赤らめて喋るな。愛の覚醒者が覚醒するな!


「だからオレは男色の趣味は無いって言ってるだろ!」

「それは私もですよ。おっと、先輩方がいらしたようですね。では、新しい出会いを楽しんで参ります。では、また」


 キミヒトは背中に羽が生えてるように足取りは軽く、先輩と思われる胸鎧を身につけた人達の方へと走っていった。

 急いで迎えようとしているのか、先輩達も走って、こちらに向かって来ている。

打ち切りエンドでもありません。

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