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ゲームがお仕事  作者: ぶぶさん
『テリオス』
36/36

歓迎

予約投稿中

ここまでです。章の配置を変えようと思ってます。予約投稿中に終わると祈りたい。

「タスクくん、多分後二十分ぐらいしたら、シオンが来ると思うわ。『コーヒー』でも飲んでゆっくり待ちましょう?」

「あのグニーさん、その耳当てって何ですか?」

「耳当て? あっははー、これはね『携帯電話』っていうアイテムでね。登録した人と通信が出来る魔法具よ」


 通信が出来る魔法具か。でも、ダイバーなら必要ないんじゃないかな?


「フレンド通信とは違うんか?」

「違うわよ。フレンドカードと違ってログイン状態はわからないし、設定すれば通信の拒否も自由自在、戦闘途中に鳴るって事もないし便利よー。後、自分で情報を入れるから登録名は自由だしね。フレンドカードを渡すにはちょっと……友達以上恋人未満には必需品よ」

「通信が出来ないって事はあるのか? 『迷いの森』ではフレンド通信が出来なかったんだ」

「さあ? あるかもしれないし、ないかもしれないかな。製作者じゃないからそこまではちょっと……」

「でも、お高いんでしょ?」


 モウカの口癖が消えてる。何で今だけ……


「何と! 今なら六十九万八千M! やすーい。ぱちぱちー」「ぱちぱちー」

「たけーよ! 蛍も乗るんじゃない!」

「でも、見舞い金で買えますよ。どうします? 今回は新人がごっそりと入ってきたので、この値段で買えるのは今だけ!」

「え? うーん、でもなー」

「シオンが来るまでに購入を決めた方には何ともう一台プレゼント!」

「よし! 買ったぁ!」

「まいどぉ〜」


 やったぞ。あんなに高い物が半額で買えるなんて、超ラッキー。色は一目でわかるように、ディープブルーとエメラルドグリーンの二色を選んだ。仕様の説明を受けて、グニーさんとの取引を終える。


「ハッ⁉︎」


 ……二台なんて要らないじゃん。自分で自分にかけるのか? そんなの寂しすぎるだろ。


「坊主。お前は面白いヤツだな……なぁ、ウチのギルドに入らないか?」

「何か裏がありませんか?」

「ハッ、疑心暗鬼になるな。実はな、既に数人の新人がここに属す事になっている。シオンもその一人だな。ここはプレイヤーギルド。好きな時に抜けてもらっても構わない、どうだ? 特に目的が無ければ体験だけでも構わんぞ」

「あたしも入っておこうかなー。モウカちゃんがどんなんなるか調べんといかんし」

「うおー、まむ! モウカちゃんの為にそこまでやってくれるとは感激ですぞー!」


 目的はある、家への仕送りだ。周りを見渡せば、オレに負荷を与えてくる存在たちがいる。シオンを思い出す、頭が痛い。全く何を言ってるのか理解出来ない行動が思い出され、再び給料が増える感覚がする。あれ? 悪くなさそうな気がしてきたぞ。いやダメだ、負荷ばかりの職場なんて健康的に良くありませんって、キキーモラに言われるはずだ。


「一日一食は必ず付くぞ」

「田中さん、お世話になります!」

「よし決まりだな。グニー、契約書を持ってこい!」


 あ、しまった。反射的に返事をしてしまった。ああ、でも軽食だけであんなに美味いんだ。普通の食事を食べたらどうなってしまうんだろう。


「坊主に嬢ちゃん。今度はしっかりと目を通して、それからサインしろ! これはギルドの決まりだ。無理だと思うなら加入は無かった事にしてくれ」


 渡された一枚の紙には、九つの約束事が書かれていた。



 一つ、仲間を死なせない事


 一つ、オペテリスのNPCを死なせない事


 一つ、自分が死なない事


 一つ、仲間の為に働く事


 一つ、オペテリスのNPCの為に働く事


 一つ、自分の為に働く事


 一つ、仲間を楽しませる事


 一つ、オペテリスのNPCを楽しませる事


 一つ、自分が楽しむ事



「これは?」

「俺たちはこのオペテリスでNPCを大事にする事を目的としたプレイヤー集団。要はNPCの人間らしさに(ほだ)されたPCの集まりって事だ。どうだ? 俺は坊主なら絶対に入るって確信があるぞ」


 モウカをちらりと見る。そうだな、それも良いかもな。オレは契約書にサインをして、田中さんに渡す。


「Добро пожаловать! (ダブロー パジャーラヴァチ )歓迎する」

お読みいただきありがとうございます。

やっと次回にシオンが出るよ(予定)

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