一言紹介部門その1
珊瑚/くまのすけ『ウソだけど』
四月一日、エイプリルフールをモチーフにした短編である。 文量はたいして多くないのに、読み終わったあとのこの充足感。オチの嘘が秀逸で思わず微笑んでしまう。可愛い高校生のやりとりにも心温まる一編だ。
URL:http://ncode.syosetu.com/n0112bh/
珊瑚/足軽三郎『クロスバレット~黒の銃士、明治を征く~』
平和な現代日本で生まれ育った青年がタイムスリップした先は、魔術や妖怪が存在する死と隣合わせの明治時代?! 命の重さに向き合う日々。現世から持ち込まれた知識と技術は彼を救ってくれるのか。教科書とは違う異世界明治を黒の銃士が駆け抜ける! ……読めば分かる。この作品が持つスピードと面白さが。今までにない独特の世界観に、きっとあなたは引き込まれる。
URL:http://ncode.syosetu.com/n5999co/
珊瑚/カオス学園文芸部『Trick with Treat』
アンソロジーとはこんなにも読み応えのあるものだったのか。脳天に衝撃を落とし、以来私をアンソロジーの虜にした作品がこれである。いつどこで読んでも十月三十一日へトリップできる素敵な作品だ。総勢四十三名のなろう作家が贈る、十人十色のハロウィンパーティーへようこそ。お菓子だけじゃ物足りない、いたずら心も添えた素敵なハロウィンをあなたにプレゼントしてくれるだろう。
URL:http://ncode.syosetu.com/n2922cp/
珊瑚/狼花『ラストラン』
長編ファンタジーの完成度に定評のある作者だが、あえてここでは彼女の文章の上手さが際立つエッセイを紹介しようと思う。中学時代陸上部で活動してきた「私」。高校ではスパイクを脱いだものの、どうしても諦められなかったリレーへの思い……正真正銘、ラストランを走り終えた時に彼女の脳裏に浮かぶこと。
検索対象から外れているので、URLから直接飛ぶかシリーズ「狼花's memory」からどうぞ。
URL:http://ncode.syosetu.com/n2805ch/
珊瑚/豆乳鍋『わたしの夏休み』
情景も心理も緻密な描写が特徴の作者。お気に入りの短編はいくつかあるのだが、ここではほんわか癒し系の小説を紹介したい。
主人公の朋子は人間関係で上手く行かず、引きこもりになってしまった高校生の少女。夏休み、彼女は田舎の祖父母のもとへ行くことになる。
田舎は人も景色も優しいなあ、としみじみ思う話だ。ラストシーンを読み終えた後に残るぬくもりは、日本の原風景が残す優しさの欠片だろう。
URL:http://ncode.syosetu.com/n1329co/




