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マッチ箱殺人事件  作者: 松永 幸治
三章 鬼の宴
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殺人鬼

「はあ…っ!はあっ!桜井、、水を、水をくれないか…!」


脇腹から流れる血を抑え、手を真っ赤に染めた田辺にまず水をやった。

彼は生還したのだ。あの恐ろしい連続殺人鬼・梶から救われたのだ。

這いつくばる田辺の肩に手をおき、私は感傷に浸った。


「随分な怪我だな、田辺氏」


「ああ、涸沢副部長…。だけど犯人がわかったぜ……ぐっ!はあ…。


梶だ!あのやろう、猫かぶってやがったんだ!

みんな殺された!目の前で!」


「そうか。」


涸沢の態度は明らかにおかしい。こいつ、事件が解決してがっかりしているのか…?


「おい、涸沢副部長、労いのひとつくらい…。」


「新しい傷だな、田辺」


…?


今、「田辺」と言ったのか?「田辺氏」じゃなくてか?


「そこまで来てるんだ、やつが…梶が!

あぁっ!!!」


私はこの旅行で何度も驚いたが、今ほど驚愕した事はない。


涸沢が怪我人の田辺を蹴飛ばし、髪をつかみあげたのだ。田辺は絶叫した。


「ふむ。傷は本物か。よくまあ白々しく自分を刺してまで現れたな。

そんなに金庫の中身がほしいか?ん?どうなんだ、殺人鬼田辺よ。」


「お、おい!殺人鬼は梶なんじゃ…!」


「彼は哀れな被害者だよ…。なあ?田辺?」


梶原はまた田辺を殴った。田辺はぐうといって、動かなくなった。

気絶はしていなかったが、どうも動ける体力を無くしたらしい。

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