001
「うー、」
そう言い少年が目を覚ます。目を覚ました少年はすぐに違和感に気づいた。横になっている目の前に石でできた壁がある。そして首を左右に振ると左右も石で覆われていた。少年は石に閉じ込められていた。石に閉じ込められ密閉された状態で光源がないのに目が見えていることに驚く。
「真っ暗なはずだよな。なんで俺は石に閉じ込められているんだよ」
そして少年は昨日のことを思い出す。少年はゲーム制作会社に勤めるサラリーマンだった。昨日は納期に追われているゲームソフトのプログラムのバグを探すために徹夜だった。ゲーム制作会社に入って15年になるが一週間の平均睡眠時間が1時間とかよくあることだった。
しかし、昨日は急に胸が苦しくなり。意識が飛んだことを思い出した。そして少年はその時に死んだのだろうと思った。すると今の状況が余計にわからなくなる。まるで棺桶に入れられているような感覚になってきた。
「上の石をどかせば何かわかるかもしれない」
少年はそう思い思いっきり自分を覆っている石を押してみた。重いと思っていた石は薄いベニヤ板のように軽く感じ吹き飛んでしまった。吹き飛んだ石は天井に突き刺さって落ちてこない。立ち上がって周りを確認すると洞窟の中にいるようだ。
「ここはどこなんだ?」
そう呟いても周りには誰もいないために帰ってくる声はない。少年は異世界物のゲームをよく作っていた。自分でも趣味で剣と魔法の世界のファンタジーアドベンチャーゲームをやっていた。ラノベもファンタジー物を多く読んでいた。この状況はもしかしたら異世界転移したのかもしれないと思いつく。
「とりあえず、お決まり事といえばステータスオープン」
そう唱えると目の前に半透明な板が現れた。
ー - ― ― ― ― ― ― ― ―
ステータス
名 前 ユウト・ナグモ
性 別 男
年 齢 15
巣 族 デイウォーカー 神祖
H P 400,000
M P 8,400,000
体 力 95,587
敏捷性 98,876
精神力 98,543
防御力 98,287
運 97
スキル
神剣術 マップ 鑑定 錬金術 熱耐性 対寒耐性 刺突耐性
異世界言語 毒耐性 状態異常耐性 多重思考 高速思考
魔力操作
魔法スキル
風魔法 火魔法 土魔法 水魔法 光魔法 時空魔法 付与魔法
氷魔法 雷魔法 神聖魔法 生活魔法
種族スキル
武術の才 魔法の才 隠密 看破耐性 ステータス改竄 不老 吸血
血流操作 忍び足 気配遮断 魔力遮断 霧化 蝙蝠化 眷属化
日光耐性 聖属性耐性 神聖属性耐性 魅了 超越再生 夜目
種族スキル魔法
無魔法 影魔法 闇魔法 血魔法 使い魔召還魔法
ユニークスキル
異世界ネットスーパー
加 護
女神ネヴィラスの加護
主神ゼウリウスの加護
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ステータスに現れた名前は生前のままだった。ステータスがこうして現れたということは異世界に転移したということで決まりだとユウトは思った。前世では38歳だったが今は15歳だ。23さいも若返っている。しかもデイウォーカーなので不老ときている。
ステータス値も高く無敵だろう。スキルも多くある。そう思った瞬間にスキルの使い方の情報が頭に流れてきた。スキルが多いため情報量は多い。眩暈がしてユウトは倒れる。そして気を失った。
◇◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
2時間ぐらいして優斗は気が付いた。そして魔法の使い方や剣術の知識が頭に浮かんでくることに興奮した。特にユニークスキルの異世界ネットスーパーはユウトにとってありがたいものだった。異世界でも地球の商品が魔力で購入出来るものだった。MP1で100円分の買い物ができることが分かった。これで食事に困ることはなくなった。
後はデイウォーカーについてだ。吸血鬼の亜種でこの世界ではユウトが初めての種族だった。そのお為、ユウトは神祖という扱いになったようだ。吸血鬼の王族級以上に強いことが分かった。この世界でユウトに挑戦できるのは同じ吸血鬼の神祖か魔王ぐらいだろう。
吸血鬼の亜種であるが吸血鬼の弱点である太陽光に耐性がある。そして神聖魔法にも耐性があることから弱点がないということになる。そのことを考えれば吸血鬼の神祖よりも強いと言えるだろう。
「俺って世界最強なのかも」
ユウトが思ったことはあながち間違いじゃない。ユウトはそのことにいずれ気が付くことになる。
「とりあえず。異世界といえば魔物がいるかもしれないな。武器が必要になる。異世界ネットスーパーでミスリルの剣でも買っておこう。剣帯も必要だな」
ユウトは早速、必要なものを異世界ネットスーパーで購入する。そしてそれを身に着ける。
「次にマップの確認だな。洞窟の出口が分からない」
ユウトはマップの効果範囲を1kmにして出口を探す。出口はすぐにわかった。洞窟内に魔物はいないようだ。洞窟から魔力を感じる。その魔力が魔物を遠ざけているのだとすぐにわかった。魔法に関しての知識はユウトの予想以上に博識だった。
ユウトは出口に向かって進む。出口までは600mほどある。真っ暗なはずなのに目が見えているのは夜目のスキルが発動しているからだった。洞窟の出口に着くと山の中腹にある崖にできた洞窟だとわかった。下をのぞくと地上までは300mもあるほどだった。転生前のユウトだったら高所恐怖症で身動きが取れない状態だったかもしれない。
でも今はデイウォーカーで飛行スキルがある。高いところにいても平気だ。直ぐに飛行スキルで飛び立った。マップを10kmまで拡大すると山野のふもとに広がる森を向けた先に道があることが分かった。ユウトはその道を目指して飛んで行っく。
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