「違和感を感じる」は間違いじゃない! しゃべり言葉と書き言葉の違いはある?
(おまけ)の前部分に重複表現に関する言葉を追記。
重複表現すべてが間違い、みたいな反応はどうなんでしょうか。
よくよく考えると言葉ってそんな不自由なものじゃありません。
「違和感を感じる」というのは「違和を感じる」ということを「感じる」というので二重表現(重言)だ! という人もいる(自分も極力使わないようにしています)。
しかし多くの人は街頭インタビューなどを見ても「違和感を感じる」、ということをよく口にする。
これは一般人はもとより、芸能人などもたいていそうだ。
「ら抜き言葉」も会話ではあたりまえのものになっている。
テレビではしょっちゅう「食べれるよね~」という発言にテロップが出て、「食べられるよね~」と修正が入っている。
これはなんでだ? といつも思う。
ネット上ではなく相手と対面していて、ら抜き言葉でしゃべっている人を「それはら抜き言葉ですよ」と注意した人を見たことはあるだろうか。──わたしは一度もない。
それくらい一般的に使用されているわけだ。
なのに、なぜかそれが文章になると「それは間違っている」と言われる。
おかしな話だ。
なぜしゃべり言葉はOkで、文字として書き起こすとダメだと言われるのか。
違和感を感じる。
何か変だろうか。
違和感(しっくりしない感じ)を感じる。
そこまで変だろうか。
目くじらを立てて「それは間違っている!」と、叫び出したくなるほどおかしなことだろうか。
自分はそうは思わない。
むしろ「微妙」という言葉の意味を「いまいちな」みたいな言い方で使っていることのほうが納得がいかない。
「微妙」=はっきりと言い表せないほど細かく複雑なこと。細かい部分に美しさや問題点があること。──といった意味が本来のもの。
なのに昨今では「それ、びみょう(いまいち)だよね~」みたいな使われ方をしている。
べつにそれについてわたしは声を大にして「間違っているよ!」などと言うつもりはない。
ただ本来の意味でも使いたいと言っているだけで。
だからわたしは「微妙」と「ビミョー(いまいち)」を使い分けている。
❇「違和感を感じる」についてまとめ。
ちなみにGoogle AIによると「違和感を感じる」という言葉は、「言葉の意味を理解して使う表現で、誤用ではありません」とのこと。(まあAIの答えもあてにできませんけど)
「違和感を感じる」を間違った使い方だと思わない人はかなり多いというのも間違いないらしい。
この「違和感を感じる」という言葉は重複表現であるが、誤用ではない、とも言われている。
しかし、文字にすると「違和感を感じる」という言葉は、人によっては「ん? なんか変じゃない?」と感じる人も出るらしい。
よって、小説などに使う場合は気をつけたほうがいいかもしれない。
けれども「被害を被る」や「歌を歌う」などといった日常的に使う言葉は多いはず。
重複表現すべてを否定するのは乱暴だろう。
* * *(おまけ)* * *
まあ要するに、時代とともに人の意識も変化していくわけで、そこで言葉にもいろいろな意味が与えられたり、変化していくものなんですね。
こうしてネット上で顔を合わせなくても何かを伝えたり、あるいはSNSを使って対話したり。そこには今までにない、新たな言葉の使い方、あるいは人との接し方が必要になるのかもしれません。(LINEで「。」を使うと威圧的だ、などと言われるとか)
さて、なぜわたしが後半で言葉遣いを変えたかというと、一部の人はエッセイにしろなんにしろ、「敬語や丁寧語で書くべき」なんてことを言い出すからです。
こうした意見に対してわたしは「そうではない」と考えています。
なぜなら丁寧な物言いで誹謗中傷をする人だっているわけですから(学術的な本を読み慣れている人は「丁寧語じゃない」、なんて拒否反応はしません)。
丁寧な文体で書かれているからその人は読み手に敬意を払っている? 謙虚?
その考え、明らかに思考停止ですから。
そういう人は言葉の表面ばかり見ていて、文章の内容から考えられる事柄(あえて書かれないでいるもの)について、まったく想像できない人でしょう。
きちんと自分の頭で考え、何が正しいかを分析し、説明できるくらいにならないと、ネットを使うのは危険かもしれません。
「フィルターバブル」や「エコーチェンバー」の状態にならないよう注意しましょう。
(おまけ)は丁寧語などで誤魔化されてはダメだよ、という話。
前半部であるエッセイ本編の中に、何かを否定するような表現があったでしょうか。あるいは攻撃的であったり、傷つけてやろうとする意図が含まれていたでしょうか。
断定的な口調が高圧的に見える、というのは表面にしか意識がいっていないからだとわたしは思います。
内容を知ろうとするときに、断定的口調が~などと言い出す人を今まで(ネット以外で)見たことはありません。