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16/21

チョコミントを唇に添えて1

モヤモヤ


(うーん……なんだろうか)


モヤモヤ


偶然見てしまったのは、スイがひまわりの頬に唇を添えていた場面だ。

彼女は可愛らしくプチトマトの如く頬を紅潮させて、当てられた頬を抑えて部屋に颯爽と戻っていった……。


「なんで、こんなにモヤモヤするのだろう……」


売上表を記入せねばならないが、その手がいちいち止まるのは……この"モヤモヤ"のせいだろう。こんな時こそ……僕は「チョコミント」のクランチを食べる。


「チョコとミントか……」


爽やかなミントに濃厚なほろ苦いチョコの甘さが合わさって


「ふふ…、美味しいや……」


「何1人で笑ってるの?」


「わあ!?、ひ…ひまわりか……脅かさないでよ~」


「人を化物みたいに……───まったく、失礼しちゃうわっ」


彼女はとても魅力的だ。

純粋でひたむきで……、僕の心にいつの間にか……────


いや、前から存在していた気がする…?


「ねぇ、ひまわり……──1つ聞いていいかな?」


「ん?」


「君は……、僕の事を前から愛していた?」


「はーーーーーーーーー!?」


何故だか………


彼女が愛おしくて仕方が無い。

ひまわりの両頬に手を添えて、顔をグッと近づける。


「不思議だな……、君の事が……何故だか分からないけど愛おしく思うんだ。」


「そ……そんな急に言われても……────さ、寒気するんですけど……」


「君は……エンジが好き?───それとも、スイが好きかい?」


「な、な、何言ってんの!!?」


本当に、何を言っているのかが分からない。

……でも───────


《彼女が………僕達を必ず止めてくれる》


もう1人の()が………

過去に過ちを犯した()が……そう言うんだ


(過ち?……)


《何人……犠牲にしたんだ……?───まだ、続ける気か?》


分からない──────

どうしてそんな声が聞こえるのか……分からない。だけど……今は、目の前にいる彼女を愛していると思うだけ。


「大好きだよ」


そのまま優しく、チョコミントの風味がする唇を、彼女の唇に添えた。

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