瑞乃と秀夜のライバル物語
初のウェブ小説です。アドバイスや修正できる点などがあれば、ズバズバ言ってください!!!
これからも連載がんばります。
主な登場人物(の見た目)
西崎瑞乃…本作の主人公の一人。黒髪のウルフカットで少しだけボーイッシュ。
矢月秀夜…本作の主人公の一人。金髪で眼鏡をかけている。校長先生(矢月智弘)の息子。
霜村なぎさ…日本人とロシア人のハーフ。茶色がかかった長い髪の毛と、青の瞳を持っている。地頭はいいが、ゲームにばかり没頭する。
✧・゜: *✧・゜:*
私は、いつものように『蒼学』の正門を潜り抜けた。中等部の棟に行きそうだったけど、無事に高等部の棟へとたどり着いた。
「うーん、何組だろ…」
高等部の掲示板に貼ってあるクラス分け表をチェックした。
『蒼学』の基本的なクラス分けは、成績が最優先となる。クラスは主に5つあり、それぞれAクラス~Eクラスまでと分けられる。
「A組…げっ。また一緒じゃん。」
うう、またあいつと一緒か。
あいつと私は小学校からの付き合いで、競えるものは全部競っている、いわゆる『ライバル』というものだ。勉強、部活、運動などの分野で競っている。
前回の中三の学期末のテストの競いで負けたことを思い出して、なんだか嫌な気持ちになった。
「今年も競うのか…」
あいつが悪い点数を取ったら、クラスが下がってライバル関係は終わるというのに。
でも…一緒のクラスにいる、という安心感はどこから来ているんだろう。
まあ、とにかく、今年も勉強をたくさん頑張らないとなぁ…
「理不尽すぎて嫌だな…」
私はため息をついた。
「何ため息ついてんだよ?俺と一緒のクラスがそんなに嫌なのか?」
校則違反の金髪、白色のフレームの眼鏡をした男子が私の後ろに立っていた。
そう、こいつがまさに『あの』矢月秀夜。お父さんが校長先生だからって、なんで秀夜だけ校則違反がないんだよ。まったく。
「そうだよ、嫌だよ。なんだか飽きたし。」
私は軽くそう言った。
「なにが『飽きた』だよ?!傷つくんだが?!」
これくらいで傷つくんだな…
ガラスの心か何かなのかな?
「へぇ、良かったじゃん。」
「いや良くねぇよ?!」
彼の必死さを見て、私は思わず微笑んだ。
「何笑ってんだよ、もう…」
「だって、反応が…!」
「人を見て笑うな、この失礼な…」
彼のその発言とともに、さらにもっと笑ってしまった。
何分か過ぎた後、校内放送が流れた。
『新一年生の皆様、入学式の説明を行うので、各自教室に行って席についてください。保護者の皆様は…』
放送が終わった後、やっと笑いが収まった。
「あー、やっと笑いが収まった…」
「本当に、収まってよかったよ。瑞乃の事、心配したからな?まったく。」
いや、心配してなさそうな雰囲気がめっちゃ出てるよ?大丈夫?
私は微笑んで、首を横に振った。
「うん、じゃあね。友達と一緒に行ってくる。」
「えっ、俺友達じゃないの??」
「女友達のことね。あんたは私以外に友達がいるんだから、あいつらと一緒に行きなよ。」
「ええ…」
「じゃあね。また、教室で。」
…こいつと話してるの、ちょっと悪くないかも。
私は廊下を歩いている途中に親友のなぎさと合流した。
「なぎさ、おはよ。」
「みずちゃん、おはよ!やっと憧れのJKになれて、よかったね!」
「うーん、憧れではないかな。制服も、中学のやつの色を変えただけだし。」
「そんなこと言わないの!JKライフ、満喫しようよ~」
「あーもう、はいはい。じゃあ、帰りはソタバ寄ってく?」
「寄るーーー!!」
ふふっ、なぎさは相変わらずソタバが好きだな。
「新作のラテ、楽しみだなぁ~」
なぎさは鼻歌を歌いながら、私と一緒に歩いた。
教室に向かって歩いている途中、私はなぎさに質問した。
「そういえば、なぎさって何組だっけ。」
「あたしはC組だよ。みずちゃんはA組よね?」
えっ。なぎさ…
「え、そうだけど…なぎさ、さては平均点ギリギリで合格できた感じでしょ。」
「バレたか。でもね、ゲームも大事なんだよ?ほら、Eスポーツとか面白そうだし、脳トレ系のゲームだってしてるよ!」
まったく、いっつもこうなんだから。
「だから勉強会とかいろいろ誘ったのに…なぎさ、地頭いいのに、もったいないことしてるじゃん。」
「そんなに根に持たないでよ、ねっ?来年もあるじゃん!」
「えー、なぎさと一緒がよかった…」
「そんなに真剣な顔しないでよ。まあ、どの顔でもみずちゃんは可愛いけどね。」
「うるさい…そんなことないし。」
✧・゜: *✧・゜:*